インボイスの新たな負担軽減策
本日は、11月最終日。
本日11月30日は、税理士試験の合格発表の日でもあります。
今年の試験で、5科目に到達した受験生の方、
おめでとうございます。
話は変わり、今回は、またまた
インボイスの話題です。
先日発表されました、フリーランスなどの
小規模事業者の方向けに、
消費税計算の軽減策です。
現在、「免税事業者」であり、
「課税事業者」になろうかどうしようか
迷っている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
インボイスの軽減策の内容
では、今回の軽減策の内容ですが、
簡単に説明しますと
売上に係る消費税の「20%」を税金として納める
という事です。
日経新聞の記事は以下となります。
こちらの計算、どのようになっているかといいますと
消費税を納税する際に、原則課税と簡易課税という
2種類の制度があります。
そのうち、「簡易課税」制度を選択して
計算しようという事になります。
詳しくは、次の章で紹介します。
簡易課税の計算
それでは、簡易課税の計算方法について、紹介します。
簡易課税の説明の前に「原則課税」は
どのように計算するかを知っておく必要があります。
原則課税の計算
原則課税は、以下のように計算します。
ここでは、卸売業者である場合の計算方法をご紹介します。
このように、売上に対する消費税から
仕入れに係る消費税を差し引いて計算します。
上記の例では、一つの物が製造業者から消費者まで
流れる場合の消費税の計算方法のみで計算しているので、
計算は単純ですが、
売上が100件あれば、100件すべてを集計する必要がありますし、
仕入れもすべて集計する必要があります。
よって、上記の例では、
卸売業者が製造業者から仕入れた50,000円に対する消費税のみ
計算していますが、この他に一定期間倉庫を借りていたり、
配達の際にガソリン代が必要となっていれば、
その経費にも消費税が含まれています。
その場合、発生した経費も消費税の計算には含める必要があります。
よって、仕入れのみならず
経費の領収証も保存し、集計できる体制が必要となります。
簡易課税の計算
では、簡易課税の計算はどのようにするかですが、
以下の通りです。
売上に係る消費税の集計は必ず必要ですが、
仕入れに係る消費税の集計は、
「みなし仕入率」という率を使用します。
このみなし仕入率ですが、この率は
業種ごとに定められています。
では、先ほどの卸売業者で見ていきましょう。
大きく違うのが、仕入れに係る消費税の計算です。
売上に係る消費税を集計した後、
卸売業の一定の率となる「90%」を乗じるだけです。
よって、仕入れに係る消費税の集計が
不要となり、消費税の計算が簡単になります。
以下のブログにおいても、紹介していますので、
時間があれば、参照してみて下さい。
インボイス検討の判断基準の目安 - スエナガ会計ホームページ (komachi-kaikei.com)
今回の軽減策は
それでは、今回の軽減策の内容は?
というと、この「みなし仕入率」が
一律80%となります。
80%というと「小売業・農林漁業」の率となります。
要は、サービス業や飲食業などでも
小売業などの80%が適用できるという事になります。
3年間の時限措置の予定ですが、
これにより納付税額が少なくなるなら
導入を検討する価値はあるかと思います。
もう一つの軽減策は
もう一つ、軽減になる事項として
領収書の保存です。
インボイスが開始されると
インボイスに規定されている事項を記載した領収書の保存が必要です。
簡易課税であれば、仕入れに係る消費税の計算が
売上を基準に行うため、仕入れに係る消費税の領収書は
必ずしもインボイスである必要はありません。
よって、何がなんでもインボイスをもらう
必要はなくなりますので、
領収証の内容をチェックする手間が少なくなります。
まとめ
今回は、インボイス制度開始により
免税事業者から課税事業者になる場合の
消費税の計算方法の軽減策について、紹介しました。
最終的に、12月に発表になるかと思いますが、
3年間は納税額が減る場合で、
課税事業者になるか否かを検討している場合は、
非常に助かる軽減策になるかと思います。
自身の事業の業種により、
3年経過後の納税額も試算し
課税事業者になるか検討していきましょう。
まずは、12月の発表を待ってから
判断しましょう。
弊社では、「インボイスの相談」も
承っております。
判断にお困りの際は、
ホームページのお問い合わせより
ご連絡下さい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?