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あと1年半!電子取引への対応

昨年、この時期に急速に騒がれ始めた
電子帳簿保存法の中の
「電子取引」について、
電磁的に発行された請求書等の
電子保存の義務化ですが、
土壇場の昨年12月に
2年間は延長されました。

急に延長となった為、
緊急の対応ではなくなり、
一旦棚上げになっている感も
強く感じられます。

でも、もうすでに「半年」が過ぎ
残り1年半となってしまいました。

そんな電子取引についてですが、
今日は、あと1年半以内に
やらなければいけないことを
おさらいします。


こちらの対応は、
事業をやっているすべての人
該当します。

ひとりの例外もなく
すべての人です。

早めの対応をできるよう
制度を確認して頂ければと思います。



期限は、あと1年半

先程の延べしたが、
あと1年半です。

その間に、
次の事をしなければいけません。

1. まずは、電子取引の洗い出し

2. 改ざん防止策の検討

3. 検索要件への対応を検討

上記のような手順で
対応を検討することになります。

では、順を追って説明します。


電子取引の洗い出し

最初にすることは、
まずは自社や自分自身に
「どれだけの電子取引が存在するか」を
把握することです。

そもそも、電子取引が
全くなければ、たちまちすぐ
対応することはありません。
(今後は、増えてくると思いますが)


でも、電子取引って
そもそも何?と思う方も
いっらしゃるかと思いますので、
電子取引について
先に紹介します。

国税庁パンフレットより

上図の国税庁パンフレットの
一番下の取引が「電子取引」となります。

具体的には、
取引先より受領する請求書や領収書を
紙ではなく、電子データを受け取った時は
電子取引に該当します。

簡単に言えば、
今まで紙でもらっていたものが
電子になると
電子取引に該当する
可能性が高いという事です。

では、具体例でいうと

  • インターネットショッピングをしたときに、
    領収書がサイト上にアップされた

  • 取引先から請求書をメールにPDFを添付されて
    受領した

  • メールの本文に請求書の情報が書いてある

  • 特定の取引先で、専用のサイト上に請求書等が
    アップされる

などなどです。

こちらは、すべて電子取引です。
ですので、このような取引があれば
あと1年半以内に
先程の「2」と「3」の検討が必要です。

まずは、どのような取引があるのか
もれなく把握するようにしましょう。


改ざん防止策の検討

電子取引の状況を確認できたら
次は、改ざん防止策の検討となります。

簡単にいうと、受け取った請求書や領収書を
受け取った後に修正や書き換えなどしていません
ということを証明する為の方法となります。

具体的には、以下の4点のいずれかとなります。

1. タイムスタンプが付された書類の受領

2. 自分でタイムスタンプを付与

3. 訂正削除履歴が残る又は訂正削除できないシステムでの保存

4. 訂正削除の防止に関する事務処理規程により運用

以上となります。

まず、1と2については、
認証されているタイムスタンプを押して
時刻証明を行うことで
タイムスタンプを押した時刻に
その文書が存在し
改ざんをしていないという証明をします。

タイムスタンプを押す人について、
1については、取引の売り手側(相手)
2は、取引の買い手側(自分)
となります。


次に3ですが、
訂正削除ができなかったり、
履歴が残るシステムを使うものです。

インターネット上の
専用ホームページ上にアップされた
請求書や領収書が保存されている
システムなどが前提となっております。


上記の1~3については、
文書管理システムなどによる
運用が前提ですので、
コストが必ず必要となりますが、
改ざん防止の機能としては
かなり強固
なものとなります。

システム使用料の予算がとれる場合は、
検討することをお勧めします。


最後の4ですが、
訂正削除に関して「事務処理規程」を
作成して、訂正削除を行う場合でも、
適切にチェック機能が働くように
運用していますという
事を明らかにして運用するものです。

先に紹介した1~3のような
システムを導入することが難しい場合には
この4で運用することになります。

ただし、先の1~3に比べると
改ざんされる余地がある為、
導入後も定期的に検査し、
チェック体制を確立必要があります。


検索要件への対応

最後の検討は、
検索ができるように保存することです。

ここまでは、
電子取引を洗い出し
改ざんしていないことを証明し保存する
ところまでを紹介しましたが、
ただ保存しておけばいい
というものではありません。

保存している電子データを
指定した項目により
検索をできる状態
にしておくことが必要です。

具体的には、次の項目により
検索ができるようにする必要があります。

1. 取引年月日

2. 取引先

3. 取引金額

先程の改ざん防止策の検討でも
お話ししましたが、
文書管理システムなどを使用する場合は、
検索ができるようになっているものがほとんどです。

ただし、安価なものですと
こちらの検索要件が不十分だったり
することも考えられますので、
文書管理システムを検討する場合は、
使用料だけで検討せず、
検索要件も十分かを確認する必要があります。


文書管理システムを使用しない場合は、
以下の方法も認められています。

  1. 検索簿を作成する方法

  2. 規則的なファイル名をつける方法

具体的には以下のような方法です。

国税庁ホームページより

一つ目が
エクセルなどで「検索簿」を作成する方法です。

運用としては、請求書や領収書を
受領した都度、索引簿に記載して
その後、経理処理を行うという手順が考えられます。

1ヶ月間に受領する電子取引に該当する
請求書等が少なければ
索引簿を使用する方法でも
運用は可能かと思いますが、
相当数の請求書等がある場合は
すべてを網羅することが難しいことが難点です。


二つ目は、
ファイル名に規則性を持たせて
保存しておく方法です。

先程の索引簿に比べると
多くの請求書等の保存にも
向いているかと思います。

また、支店などの
複数拠点がある場合の運用にも
有用化と思います。

こちらは、複数人での
運用が考えられますので
社内教育や定期的な周知徹底などが
重要になってきます。


注意事項

電子取引の電子保存ですが、
間違いやすい事項もありますので、
こちらで紹介します。


紙と電子データの両方を受領した場合

紙と電子データの両方を受領した場合です。

月次決算の締め切りの関係で
先にPDFファイルをメールで受領し
後日、紙の請求書を郵送で受け取るといったことは
よくあるかと思います。

この場合、正本となるもの書面なのか
電子データなのかの取り決めによって決まります。

通常は、書面を正本とすることが
多いと考えられますので、
その場合は書面を保存しておけば
よいことになります。


ただし、これは書面と電子データが
同一の場合となります。

二つを合わせて
はじめて内容の確認ができる場合は
両方の保存が必要となります。

その他にも国税庁より
Q&Aが出ておりますので
参照してみて下さい。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021010-200.pdf



まとめ

今回は、電子帳簿保存法の
電子取引について
ご紹介しました。

現時点で、どのくらいの
電子取引が存在しているのか
把握することが
スタートラインであり
一番骨の折れる作業となります。

まずは、制度を知って
遅れのないよう対応しましょう。

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