フリーランスの方の確定申告の準備
早いもので2022年も11月中旬となり、
残り1ヶ月半となりました。
年末が近づいてくると、
いよいよ確定申告の時期がやってきます。
そんな確定申告時期を迎えるにあたり、
確定申告の準備について、ご紹介します。
思った以上に儲かった場合、
今からでも間に合う控除もあり、
急げば年内に間に合いますので、
利益が出ている方は参考にして下さい。
フリーランスの所得税の計算
まずは、所得税の計算のしくみですが、
以下の図解のように計算します。
所得金額の計算
まずは「A」ですが、所得金額の計算です。
収入金額から必要経費を差し引いた金額が
所得金額となります。
会計ソフトを使用してると、
試算表が集計されると思いますが、
この試算表でいう「利益」の金額となります。
また、青色申告を選択している場合に、
特別控除が最大65万円適用できますが、
この「青色申告特別控除」も
所得金額の計算の際に差し引かれます。
所得控除
次に「B」の課税所得金額の計算です。
「A」の所得金額から所得控除額を差し引いて計算します。
では、所得控除とは一体何かを見え行きます。
よく聞く控除としては、
医療費を多く支払った場合の
「医療費控除」や
生命保険の掛け金を支払った場合の
「生命保険料控除」は
馴染みがあるかと思います。
他にもふるさと納税などの寄附をした時の
「寄附金控除」なども利用している方は
多いかと思います。
その他、ご家族を扶養している場合に
一定金額が控除できる「扶養控除」もあります。
この所得控除は、支払った金額の
全額が控除になるものと
上限額が決まられている控除があり、
全額控除できるものの方が
税金を安くする効果が大きくなります。
所得税額の計算
次にBの課税所得金額に
税率を乗じて計算した金額が
所得税額となります。
では、所得税税率はいくらかというと
以下の表のとおりです。
◆具体例
(課税される所得金額が7,000,000円の場合)
求める税額は次のようになります。
7,000,000円×0.23 - 636,000円= 974,000円
税額控除
次は、Cで求めた所得税額か
控除を行う「税額控除」となります。
この税額控除は、先ほどの所得控除に比べると
限られた該当する人のみとなり、
適用できる人は少なくなります。
主な税額控除は以下の通りです。
一番知られているのは、
いわゆる住宅ローン控除である
「住宅借入金等特別控除」かと思います。
このように、所得税額から税額控除を差し引きし、
納税する所得税額を算出します。
今からでも適用できる控除は
それでは、今からでも間に合う
控除について、考えていきます。
やはり、ここで考えなければいけないのは、
上限のある控除であれば、
あまり税金を押し下げる効果が期待できないため、
上限のないものから優先します。
また、年末までに支払いが完了していなければ
控除はできませんので、注意が必要です。
小規模企業共済
まず、優先して考えたいのが、
「小規模企業共済」です。
小規模企業共済は、月額掛金7万円まで掛けることができ、
1年以内の期間の前納もできます。
なお、仮に月額7万円の掛け金の場合、
1年分の前納を行えば、84万円の控除が受けられます。
ただし、現金の支出を伴いますので、
キャッシュの残高は減ってしまいますが、
将来の資産形成ができるので、
最優先で検討することをお勧めします。
よく利益が出るので、
すぐに必要のないものを購入したりする
ことを聞きますが、
このように必ずしも必要でない経費を使用するよりも
将来の資産形成ができる小規模企業共済の方が
有意義化と思います。
なお、掛金は今年1年だけを考慮せず、
これかの将来も掛金を掛けていきますので、
無理のないよう、掛金を設定しましょう。
「現金なし」による11月~12月の加入・増額申込み時の前納等について|小規模企業共済(中小機構) (smrj.go.jp)
小規模企業共済については、こちらのブログでも
以前紹介しておりますので、ご参照下さい。
ふるさと納税
次は、ふるさと納税ですが、
こちらは、税金の前払いですので、
実際には節税ではありません。
しかし、一部の自己負担以上に
返礼品がもらえたりするので、
お得感がでて、人気となっています。
ただし、ふるさと納税には、
所得金額により上限があります。
上限を超えないよう、
上手に制度を利用することが重要となります。
なお、こちらのふるさと納税も
年末までに支払いが完了していることが
条件となりますので、
年末の駆け込みで行うのは、やめましょう。
まとめ
今回は、年末を迎えるにあたり
2022年の確定申告について、
準備すべき事項を紹介しました。
このように、業績をタイムリーに把握しておくと
年内に打てる手立ても行うことができ、
将来の資産形成も可能になります。
月々の会計処理を頻繁に行う習慣がない場合は、
今から2022年分をまとめて会計処理するのは
難しいかもしれませんが、
2023年は早めに会計データを確認し、
打てる準備を早め早めに行っていきましょう。
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