まいにち必ず、ゴールテープを切る。
さてと。今日もまた、パソコンの前に座る。足元には白線が引かれている。
位置について、、、
どこからともなく、はつらつとした声が聞こえてくるようだ。
よ〜い、、、
ピストルを握った右手を大きく上にあげて、左手で耳を塞ぎ、顔をしかめるように左目をつぶっている人の姿が見えてくるようだ。
ドンッ!
この小さな文章を書き綴るスタートを、ぼくは切る。ただこれ、ふつうの競争とはまるで違う。まず、まわりを見渡しても、だぁれもいない。ひとりぼっち。そして、いきなり走り出すことなんて、ほとんどない。あったかいコーヒーを入れて、ボーッとすることから始まる、なんてこともざらにある。
つまり、これ、競争とは言えない。誰か別の人と競うことはない。たったひとりきりの、孤独な競技だ。もしあえて、競うというならば、まいにちのじぶんと競う、ということになるだろうか。
まいにち必ず、ゴールテープを切る。ゴールする秒数は関係ない。この真っ白い原稿を埋め、小さな文章を書き上げて、ゴールテープを腹で切る。それができるかどうか、その日その日のじぶんと競う。
なんてことを書いていたら、今日のゴールテープを切っていた。( 書いていいて気がついたけれど、ゴールテープをどこに置くかはじぶんで決めるんだな、この競技は )
さてと、ひと汗かいたから、シャワーでも浴びてきますかね。残りのコーヒーを飲み干して。
追伸、、、
もうひとつ競っているものがあるとするなら、( じぶんなりに )おもしろい視点で世の中やじぶんを観察できた、とか、書く技術みたいなものが高まったかどうか、とかもあるのかな。ただあまり、意識をしているわけではないのだけれども。