隣が空き家だったら、注意が必要です!
どうも。終活日々是好日不動産のスエビバです!
今回は私の苦労話を書きたいと思います。
私が仲介をさせていただきました神奈川県S市のMさん一戸建ての話になります。
所有者様(売主Mさん)は、ご自宅で親御様の介護を終えてからおひとりでお住まいになられていましたが、ご自身の体調が悪くなり、おひとりでの暮らしに不安が出てきていたので、施設入居を決められました。
施設を一緒に何件か見学にいき、ご希望の施設が見つかり契約。
施設に入居されて3~4カ月ほど経過し、施設にも慣れたので自宅を売却したいとのご相談を受け、売却のお手伝いをさせていただくことに。
私は一番良い条件で高い価格でお取引をするために大手不動業者さんから建売パワービルダーさん、地元の不動産業者さん・工務店さんにお声掛け、15~20社の中から一番条件の良い買主さん(地元の不動産業者さん)を見つけることが出来ました。
一般的に土地建物の売買の際には土地の測量をする必要があります。
測量の目的としては、「面積の確定」と「境界の確定」のためです。
M様のように古い住宅になってくると、境界がなかったり、法務局で登記されている面積と誤差があることが多いので、売主と買主のトラブルを防ぐ為にも測量が必要なんですね。
※公簿売買の際は測量は必要ありませんが、基本的に価格は下がることが多い。
そして、測量の際に隣地の所有者さんと境界の立会いをして、どこまでが自分の土地でどこまでが隣地所有者さんの土地かを定めるために境界を決める必要があります。
Mさんのご自宅は合計で5軒の隣地があります。
この5軒の所有者さん達と境界を決めることになったのですが。。。
お隣の空き家の所有者さんの行方が全くわからず、測量が進まない。。
契約の条件の中にも測量が必須条件となっているので、このままでは決済・引き渡しが出来ません。。このままではまずい。。
お隣の空き家に駐車場のスペースがあり、駐車場を借りている人を探して所有者さんを尋ねてみるものの、2~3年姿も見ないし駐車場の賃料も手渡しでされていたとのことでその方も調べようがなくお困りになられている状況でした。
元々こちらのお隣さんは現在の所有者の弟さんが所有されていたようで、弟さんが亡くなられた後に広島にお住まいだったお姉さんEさんが、時折東京に来られて管理をされていたとのことでした。
土地建物の謄本には、Eさんの広島県K市の住所が記載されています。
土地測量士さんがお手紙を何度も出すもののお住まいになられていないとのことでお手紙も戻ってきてしまいます。
とにかく、境界を確定させるためにはお隣さんの署名・捺印をいただかないことには、売買契約を完了することが出来ないので東京から広島市K市に私が行くことにしました。
そして、まずEさんご自宅に伺うものの既に空き家になっておりお住まいになられていません。郵便が戻ってきているのですから、当然ですよね。
居ないことは最初から覚悟の上で来ていましたので想定範囲だったのですが、なんとお住まいの集落が空き家だらけで人がいないではありませんか。。これは、まずいぞ。想定外だ。。
とはいってもこのままでは帰るわけにはいかないので、集落の片っ端からお声をかけていくことに。なんとか集落の方とお話が出来て、数年前から姿を見ていないとのことがわかりました。また、集落を歩き続けて道ですれ違った男性にお声をかけ、Eさんが昔学校の先生をされたいたことがわかったり、集落の民生委員さんを教えていただいたりしながら情報収集をしますがいっこうに現在どこにお住まいになられているのかを知っている人はいません。
次なる手段として市役所に行き事情を説明しても、個人情報の一点張りで何も教えてくれません。また、ご高齢であることはわかっていたので、お住まいの管轄の地域包括センターに尋ねてみますが、Eさんのデータも見つからずでこれにて万事休す。泣く泣く東京に帰ることに。
東京に戻り土地家屋調査士さんと話し合いをして「筆界特定制度」を申請する方法で検討するが、時間がすごくかかるのことと費用がかなり上がるので現実的ではない。と頭を抱えていたところ、依頼していた弁護士さんより連絡が入り、Eさんの居場所がわかったとのこと。万歳!万歳!!万歳!!!
Eさんは現在老人ホームに入居されていました。どういう経緯で老人ホームに入居されたかはわかりませんが、保佐人がついていたことで所在を掴むことが出来たのです!保佐人に事情をご説明し、速やかに対応していただき無事にMさんのご自宅を売却することが出来ました。
以上の通り、お隣さんが空き家で所在がわからない場合、売却することが難しくなるケースもあります。今回のMさんのケースは、なんとか事なきを得ましたが、もし保佐人がいなかったと思うとゾっとします。。
また、これ以外にも様々なケースもあります。土地所有者が相続で10名以上になっていたりすると、全員の署名をもらわないといけなかったりもします。。
皆さんも、もし実家の隣が空き家だった場合などは、誰が所有されているのか、どこにお住まいになられているのかなどの情報は押さえておいたほうがいいかもしれないですね。
所有者不明土地は年々増え続けています。
皆さんも気をつけてくださいね。ではでは~。
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