父と自分をつなげるもの。
父とはここ5年くらいかな?口を聞いていない。もちろん挨拶も交わさない。でもこれは冷たいとかそういうのじゃなくて、この距離感を保っているという感じ。
昔は、ウイイレでよく勝負してた。
肩にも乗っけてもらったっけ。
キャンプにも連れて行ってもらった。
このときの出来事が一瞬蘇る機会があった。
「光のお父さん計画」
この映画は、仕事一筋のお父さんがあるとき急に退職し、家に帰ってきたところから始まる。息子は、そんなお父さんとつながろうと昔唯一一緒に遊んだ記憶のある「ファイナルファンタジー」でオンライン上でつながることを計画する。徐々に距離を詰めていったが、あるとき父が重い病を抱えていることが発覚する。息子と父の関係はどうなっていくのか。
簡単にいうとこんなストーリーだがこの映画の「父」の姿が自分の「父」の姿と重なった。
仕事から帰ってくるとテレビを見て、飯食って、風呂入って寝る。
そして、次の日には朝はやく起きて仕事に行く。
これをひたすら毎日繰り返す。
なにを考えているか本当に分からない。最近バイクを購入し、どこかに釣りに行っているらしい。母としかほとんど喋らず、自分に対してなにか自分から話したことは最近だと記憶にない。
でも、ただ目の前にいる父の姿は、どこかかっこよさというか尊敬を覚える。
なにかというと、愚痴を吐いているのを見たことがないということだ。
そして、どんなに辛くても次の日には仕事に行く。
週7で働く週もある。
自分が働いてよく分かったが、これは当たり前じゃないんだなと思う。
母がお小遣いを渡し、その中で文句も言わず、家族のために働いている。
自分のために買った初めての大きな買い物が「バイク」と聞いて驚いた。母は、「少し怖い。」と話していたが、心なしか嬉しそうに見えてなんだか嬉しくなった。
死んでからじゃ遅い。今、何も会話はないが、この映画のように自分と父をつなげる「何か」はあるのだろうか。なんだっていい。ものでも、場所でも。
必ず死ぬ前に「ありがとう。」この言葉は伝えたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?