筋肉で解決できないことは、友情で解決するのだ
2024年6月2日の日曜日。
天気悪いな〜と思って出かけたら、帰るころには豪雨かつ電車が止まっていた。豪雨の日に電車止まると非常に困る。
友人に誘ってもらって、「女の友情と筋肉 THE MUSICAL ~ 幸せの上腕二頭筋 ~ 」を観に行った。
辛い時に口に出したいワードだよね、幸せの上腕二頭筋って。
みんなも辛い時、口に出してごらんなさいな。
何回か口に出していると、意味不明なワードのおかげで悩みが小さくなっていくよ。
「女の友情と筋肉」は元々はツイ4で連載されていたWEB漫画で、連載中はずっと追いかけまわしていた。
主人公はメーカー勤務の村上イオリ。身長195cmで握力97kgある。
嘘ではない。ちゃんと一話に書いてあるので読んでみてほしい。
他にも、商社OLの神田ユイ(身長189cm、100m走10秒8)やアパレル販売員の小西マユ(身長186cm、ソフトボール投げ85m)の二人を合わせて、マッスルな女性たち三人の日常コメディが描かれている。
日常といっても、彼女たちは空を飛べるし、エネルギー弾も打てる。
なので、普通の人では解決できないパワフルな解決方法も出てくる。
ただ、この漫画の面白いところは、マッスルな部分だけではない。
筋肉で解決できない問題を、女同士の友情で解決していくところだ。
どうしようもない男を好きなって、いい女を演じて別れられなかったり、
どんどん若さでは恋愛できなくなって、恋に踏み込むのに躊躇したり、
授かり婚で、大好きな仕事とどう向き合っていくか考えたり、
彼女たちは、ちょっとマッチョなだけの等身大の女性なのだ。
例えエネルギー弾が打てても、流れ星と同じぐらいのスピードで大気圏を飛行できても、それでもマッスルだけでは解決できない問題はあるのだ。
そんな漫画が原作のミュージカルなので、絶対に面白いに決まっている。
実際に3時間笑いっぱなしで、帰宅してから微熱を出したぐらいだ。
普段、あんまり笑わないタイプの人間が、3時間も大爆笑し続けたらそうなる。
基本、主役の女の子たちはムキムキの男性が女装した姿なのだが、もう途中からずっと「一人の悩める女性」に見えてきて、感動していた。
でも、感動で涙が出そうになると、エネルギー弾で彼氏と喧嘩したり、悩んだ時に山で滝にうたれたりするので、涙が引っ込んでしまう。
ちゃんと「ここは笑いどころですよ〜」という場面でも笑っていたし、当たり前のように「空飛べばすぐに着くけど、遠いよね〜」というセリフを不意に聞いて吹き出して笑った。
多種多様な笑いを取得した気がする。
主役の女性三人以外にも、浮気性の彼氏・パティシエ見習いの彼氏・謎の先輩・スタバでマック開いてそうだけどいい人・亀甲縛りをした変態など男性陣の幅も広い。
でも、そんな個性豊かというか個性の塊のような人たちでも、乗り越えられない悲しみや、日々の不安が押し寄せることがある。
彼氏を信じていいのか、今このタイミングで結婚していいのか、自分だけ少し遅れているように感じる…
そんな女性が抱える不安を、はちゃめちゃな設定の中で、見事に描き切っている。
見ている観客の私たちの日常にブッ刺さる最高のミュージカルだ。
恋愛に悩んでいるアラサーの女性は、ぜひ仲の良い友人と一緒に見て欲しい。
あと最近笑ってないな、と思っている女性も男性も見て欲しい。
私は3時間ぶっとうして笑ったので、私と笑いのツボが同じなら3時間は笑い続けられると約束しよう。