
コロナと共に生きるウエディング業界の未来はどうつくるのか
みなさまこんにちは。
現在新型コロナウイルス感染症対策として、ワクチン接種が進められていますが、この先の私達の生活や結婚式の開催方式がどのように変化していくのか不安に思っている方も多いことと思います。
そこで今回は、現在の世界の新型コロナウイルス感染症とワクチン接種の状況について調べてみました。
これから先の結婚式の未来を守っていくために、いま、私たちに何が必要なのか一緒に考えていくきっかけになれば幸いです。
1、世界の新型コロナウイルス感染症の状況
厚生労働省検疫所HPに掲載されている最新の情報によると、2021年9月19日時点で直近1週間の新規感染者数は360万人以上が報告されていますが、2か月ぶりの減少傾向にあるそうです。
これはアフリカを除く世界の全ての地域(アメリカ/東南アジア/ヨーロッパ/東地中海地域/西太平洋地域)において、同様の傾向となっています。
以下の図は「週別のWHO管轄地域別における、COVID-19感染者数及び世界の死亡者数」の推移を示したグラフです。
グラフから人口10万人当たりの新規感染者数が多いのは
アメリカ地域(135.5人)、次いで、ヨーロッパ地域(116.9人)
となっています。
また、人口10万人当たりの新規死亡者数が多いのは
アメリカ地域(2.4人)、次いで、ヨーロッパ地域(1.6人)
となっています。
【考察】
・全体の傾向として感染者数は減少傾向にあるが、恒久的なものかは分からない。
・ワクチン接種が進んでいる国においては、死者数の増加が今までの波より低く抑えられているようである。
【出典】
厚生労働省検疫所HP
「新型コロナウイルス感染症の世界の状況報告
COVID-19 Weekly Epidemiological Update(WHO) 2021年9月21日」
より
2、世界の新型コロナウイルスワクチン接種率
新型コロナワクチンの接種は世界233の国や地域で始まっており(海外領土含む)、その内65の国や地域で人口100人あたりの累計接種回数が100回を、113の国や地域で50回を上回っています。
接種回数を地域別で見てみると米欧諸国で接種が比較的進んでいます。
一部の先進国が巨費を投じてワクチンの確保を進める一方、経済力に劣る発展途上国での接種が遅れているのが現状の様です。
また、規定の接種回数をの接種を完了した割合においては、ワクチン先進国と言われていたアメリカが54.61%であるのに対し、日本が57.51%と上回っています。
【考察】
・ワクチン接種が比較的進んでいる地域においても新規感染者数は増加している地域もある。
・日本は、ワクチン後進国ではなくなりつつある。
【出典】
NHK特設サイト
「新型コロナウイルス」
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/world_progress/
3、大型イベント実施に対する各国考え方の変化
ここで、興味深い調査が掲載されているWebサイトがありましたのでご紹介します。
以下の図は、9か国や地域で、新型コロナウイルス対策として「政府はスポーツ大会・コンサート等の大型イベントの中止をすべき」という設問に対するYesの回答率が、2020年2~5月から2021年7月上旬まで、各国でどのように変化したか、というものです。
(インターネット調査/18歳以上男女、各国1,000s~2,000sを対象に実施)
まず、日本で新型コロナウイルス対策として「政府はスポーツ大会・コンサート等の大型イベントの中止をすべき」と思うと回答した人の割合は、1回目の緊急事態宣言が発令された後の2020年4月中旬には74%でしたが、そこから2021年3月には46%まで減少しています。しかし、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催も近くなった6月後半から7月前半にかけては再び上昇し直近では56%となっています。
また、欧州・欧米地域は、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカにおいては、2020年3月頃にはいずれも70~80%代への上昇がみられたものの、それ以降は国により違いはあるものの日本より減少率の幅が大きい傾向にあります。特に2021年7月前半ではフランスは25%、アメリカでは24%となっています。これらの国ではワクチン接種の普及に伴い、有観客でのスポーツイベントが開催される動きもあり、そうした動きが世論にも反映されていることが示唆されている様です。
【考察】
・コロナの感染状況に関わらず、国により考え方の違いがイベント実施に対する考え方に顕著に表れている。
【出典】
新型コロナウイルス感染症自主調査:政府はスポーツ大会・コンサート等の大型イベントの中止をすべきと思うか ~世界9か国を比較~
/日本リサーチセンター
https://www.nrc.co.jp/nryg/210721.html
4、ポストコロナ時代の日本のウエディング業界
ここまで世界の新型コロナウイルス感染症の状況や接種状況、考え方の違い等をデータで見てきましたが、みなさまはどう感じたでしょうか。
ここからは、私自身がデータを見て感じたことや、いま、考えていることを書かせて頂きたいと思います。
少し暗いイメージを持たれてしまうかもしれませんが、
ワクチン接種率が高くなる = 感染者数減る = 生活の自由が戻る
というのは簡単には難しいのが現実のようだと、私は感じています。
これまでは期待も込めて、ワクチンを多くの人が接種すれば感染者数が減って、近い未来に元の生活に戻れるのではないかと思っていた人も多いかと思いますが、世界の状況を見てみると、ワクチン接種だけではなかなか感染を抑制するのは難しいようです。
しかしワクチンは重症化を抑制し、死亡率を減少させているのもまた事実だと思います。このような世界の状況や事実から、私たちは、次の行動をどのように変化させていくのか、それをいま考える時が来ていると思うのです。
日本では、経済再生担当大臣が9月12日のNHK番組で、新型コロナウイルス対策の行動制限をワクチン接種などを条件に緩和する方針に関して、「国民的議論を重ね、イベント、飲食、移動(の緩和)について、ワクチン接種が一定レベルへ進む段階で導入できるよう準備を進めたい」と述べています。この「国民的議論」こそ、私達がどうしていきたいのか、どうしていくべきなのかを自分ごとで考えていくことであり、いま必要なことだと個人的には考えます。
少し話が逸れますが、これまで日本が爆発的な感染を他国より抑えられていた要因として、集団心理や同調圧力が働き、ルールを守って生活している人が多いことが挙げられています。これは良い面もありますが、反面、悪い面もあるのではないでしょうか。
以前記事で取り上げた「手袋」の例もそうです。
手袋が感染を予防することはないのに、手袋をしていないとなぜか「何で手袋をしていないんだ!」と怒られることがあるのに対して「何で手袋をしているんだ!」と怒る人はいない。間違っていたとしても、まわりがそうしているからそれが良し、としてしまう風潮があるのが日本ではないでしょうか。
つまり何が言いたいのかと言うと、この同調圧力や集団心理、が国民的議論の妨げになるような気がするのです。もちろん人によって考え方は様々ではありますが、同調圧力が働きすぎない土壌で、議論がきちんとなされるべきなのだと思うのです。
確かにゼロリスクになることに越したことはありません。しかし、もともと私たちの世の中はゼロリスクでは生きていけませんし、そうなってもいません。どこでどう折り合いをつけて前に進むのか、それは私たちが考えて、選択していくものだと思います。もちろん、法令など守らなければならないルールに従うという前提はありますが、どのような未来を作っていくのかは、私たちが考えて、選択して、行動していく必要があると思います。
その、どうやって折り合いをつけるのか、それは、ポストコロナ時代のウエディング業界を未来へつなぐためにも必要です。現実を受け止めた上で、受け身ではなく私たち自身がどう考えて、どう行動していくかが重要だと思います。
結婚式はコロナ以前から、もともと同調圧力が働きやすい土壌が揃っています。お客様から「他の人はどうされていますか?」と聞かれることは日常茶飯事だと思いますし「〇〇さんもそうだったから、こうする」という理論で物事を決めていく方も多いことと思います。
ここにコロナによる同調圧力が掛かってくるのですから、私たちの努力無しでは、決してウエディング業界の明るい未来は作られないのではないかと私は思います。
さあ、ポストコロナ時代は、もうすぐ、始まろうとしています。
あなたはどんな未来をつくっていきたいでしょうか。
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