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BABY,ストロベリーフィールズの夢で逢えたら

「ここにしかないどこかへ」今日も足を運ぶ



3度目の訪問となる川崎ロック座でストリップを見てきた。そこで見たとある20分弱のステージが、あまりにもかけがえがなかったので、記憶が新しいうちに書き残す。


わたしは銀杏BOYZというバンドがけっこう、それなりに、かなり好きだ。どっぷり聴くようになったのは大学1年生の頃からかな。人生の色んなところで助けてもらったり、思い出深い場所で流したりもした。わたしの愛する数多のロックバンドたちの中のひとつ。
まあライブ行けたことないんですけどね。
だって峯田いつもおれが行ける時にライブやってくれねえんだもん    

んで大学4年になってストリップの世界にハマってさ
いろんな踊り子さんのステージを見るようになって、「なんか銀杏の曲とストリップって合うんじゃないかな」ってうっすら思ってたの

2022年4月、池袋のストリップ劇場に一緒に連れてった子が銀杏BOYZ大好きな子で。そのとき話に出たのが『恋は永遠』という曲のMV。わたしという奴は曲聴くだけで満足しちゃう、MVをあまり積極的に見ないタイプでさあ……知らなかったのよね。この素晴らしいMVの存在を。

川崎ロック座という歴史あるストリップの舞台で、現役の踊り子・矢沢ようこさんが踊っている、「ストリップ劇場ってこんなところだよ!」と説明するに相応しいMVだと思う。
矢沢ようこさんのことは、これまたストリップ劇場が舞台の映画『彼女は夢で踊る』で知っていた。ようこさんの踊り子デビュー年は、わたしが生まれた年だ。運命的だわ、そもそも黒髪ロングのスレンダーお姉さん大好きだわ………絶対に見に行かねば。

で、やっとこさ2024年1月、聖地・川崎ロック座で矢沢ようこさんを初拝み。ずっと会いたかった人だ。そらもう登場の瞬間からボロボロに泣いてしまった。なんだかね、そこに「矢沢ようこ」というカラダがあるだけで泣かせてくる、すげえ人なんだよ   レジェンドすぎる
予備知識無しで彼女を見たとしてもわたしはあのカラダに泣かされていたに違いない。
それから浅草、新宿、栗橋と会いに行き今日で5度目の観劇となる。
スト初めての同行者、夏ぶりに再開する西のフォロワー、途中から召喚した銀杏BOYZ好きの友人(先述した子です)、みんなでようこさんをの演目『銀杏』を見る!

※以下、演目『銀杏』のネタバレです。


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ようこさんの出番前の方が引っ込んだところから、ドッと一気に緊張がきた。ついに見るんだ。あの演目を。おれはこれからスゲェもんを見るんだ、って肌で直感した。

暗転。



You don't know how many times I missed out could hold you.
You don't know how many times I missed out could mold you.
If you someone could chase me as much as cherish you.…

1曲目からあのキラーチューン。
案の定号泣スタートで、手拍子どころじゃない。
でも泣きながら歌った(もちろん迷惑にならんボリュームで)。初めて銀杏のライブ行った人みたいになっちゃってたな。

街はイルミネーションようこさんはイリュージョン…


ジーンズを履いて、リュックを背負って、髪をハーフツインにまとめてヘッドホンをつけた矢沢ようこさんが、そこにいる。
いつもの「貫禄ある踊り子」の衣装ではなく、客席にいるわたしよりラフな格好をしたようこさん。

ようこさんが盆まで来て座る。おろしたリュックから銀杏のアルバムを出す。愛おしげに歌詞カードを見つめる。
その姿は、ロックに恋してやまない、いつかの誰かを思い出させた。
銀杏BOYZ好きじゃなくても、何かしらのロックバンドを何年も愛し続けた経験がある人は、本当にこの演目を見るべきだよ…


次はどの曲がかかるかな、とワクワクしていたら

ああ  これはすごく、ストリップのベッドショーに合うセレクトだわ……

ようこさんが、ぴったりとしたジーンズを脱ぐ。白いぱんつが見える。
ようこさんが、Tシャツを脱ぐ。もう何回か見ている、いつものようこさんの細くて綺麗な体。
ここでわたしは一度泣き止み、頭がはっきりしてるようでボーッとしているような変な気分になる。
ずっとこのままならいいのになあ。ようこさんが支配しているこの世界は、やさしくて綺麗で少しエッチで心地が良い。
みんながストリップするようこさんだけを見ている。この空間にノイズは何も無い。


僕たちは世界を変えることができない……

俺から劇場への激重感情イメソンか?
この後帰路で何度もこの曲の歌詞を反芻することになる。
ちょうどこの歌のタイトルTシャツを着てきていた友人。よかったねえ…

長〜いアウトロ、ようこさんが本舞台へ戻っていく。いかないで…
そして暗転。これで終わりじゃないのは分かってる。きっと最後はあの曲だ。

覚悟していたんだけど、ただその曲を流すだけじゃなくて、聴こえてきたのはMVと同じ導入の部分の音源。
あの足音が聴こえる。
舞台袖のカーテンを「シャッ」と開ける音が響き、
CDの再生ボタンが「カチッ」と鳴った。


照明がつき、再び舞台へ目を向ければ
あのMVで見た姿そのままの、踊り子・矢沢ようこさんがそこにいた。

ああ…

ほんとに、MVのまんまだ。
7年前に撮られたものなのに。
何十回とリピートした、色んな人にも布教しまくったあの映像が、そのまま今、目の前で現実になっている。
あの衣装、あの傘、ちらりと覗く白い下着。
ああ、ここの振り付け、だいすき。
何度も画面越しに見た動き。当然全部覚えている。

MVのスクショ

綺麗だな。死ぬ前に見たい情景すぎる。
ありえんくらい泣いてるけど、がんばってMVと同じところで強めに拍手したりした。

この特別な演目は、次はいつ見れるか分からないから。涙で溢れる目を凝らして、1ミリも逃さぬよう、ステージ上のようこさんを見る。瞬きなんかしたくない。おれはこの光景を目に焼き付けなきゃいけないんだ。これはYouTubeの映像じゃない、紛れもない現実だ!
恋は永遠、愛はひとつなんだよ!

間奏に入る。
黄緑のスケスケドレスを脱いだようこさん、舞台袖から白ワイシャツを手に取って、素早く着る。

花道をころころと寝転がって進み、再びようこさんが盆まで来る。
シャツのボタンを外す。
そしてポーズを決める。まだパンツは着けたまま。おれたち客は拍手をする。

ああどこまでもMVと一緒だ。


こんなにも「終わってほしくない」演目、初めてかも。ずっとようこさんにそこにいてほしい、まだ銀杏を聴いていたい、峯田和伸の魔法の言葉にのせて踊るようこさんを、ずっとずっと見てたい!
レコードを止めないで。
月面のブランコはまだ揺れている。


そしてパンツを脱いで…ようこさんが再びすべてをさらけ出す。きれいだな、すてきな体だ
この人が大好きだし、ストリップが大好きだ

どうか、終わらないで
いかないで……

ようこさん、

ようこさん!


この5分間、わたしは完璧にあのMVに登場する客の1人になれた。
いつか、seventeenアイスを渡す人の役をやりたいもんです。無理かな?
いやー終わっちゃったなあ…泣


そしてアンコールであるオープンショーへ移る。
ここでも銀杏初期の名曲が!(初期なんてほんとに名曲しかないんすけどね)

「君が好き」だという
それだけで僕は嬉しいのさ〜

まさに。もう、ほんと〜にいい歌詞
峯田ありがとう  あんたは天才だ

ようこさんの出番が終わっちゃうのが心から寂しかったけど、この20分間にはありったけの愛と感謝しかなくて、笑顔で拍手を送る。

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脱力。泣きすぎて目下アイライン+まつ毛消滅………
席を立つのが億劫だが、おれたち客は動かねばならない。


1枚千円の写真タイム。千円払えばさっきまで舞台でストリップしていたようこさんとお喋りが出来てしまうのだ。改めて、なんつーシステムだ。
気合い入れて銀杏Tシャツを着てきた友人と列に並ぶ。わたしはさっきの回で撮った写真の回収目当てだが、友人がツーショを撮るならわたしがシャッターを押さねば!と思った
自分らの番が来ていざ!という時に財布を持ってきてないことに気づく友人。これはわたしが悪かった。スト2年ぶりでポラを撮ったこともない友人に何も教えてあげてなかったからだ(泣き疲れてたとはいえまじでごめん)

「財布忘れちゃったー!!ごめんなさい〜!!😭😭」と言うと、ようこさんが大きく笑った。笑ってくれてうれしい()
財布を取ってきて並び直す。再びようこさんの前へ。
友人が着てるTシャツを見て喜ぶようこさん。
ここでワイが撮ったふたりのツーショがなかなか良いかんじに撮れたのだ。ポラロイドカメラも攻略したかな!?
恒例の握手をしていただき、ワイは先程の写真(サイン入り)を引き取る。こっちもよく撮れてる!うふふ。また今度は、3人で撮れたらいいな。



ああ、踊り子・矢沢ようこさんを見れる、今の時代を生きていてよかったなあ…
ストリップと、銀杏BOYZが好きで本当に良かった。
この日は、oasis再結成のときに次ぐ喜びと感動を味わいました。今週の川崎、おかわりしたい…この演目のために…
ときめきたいったらありゃしねえ!

おい、峯田!見てるか!峯田は見たのか!?この演目を
たのむよ、銀杏BOYZファン、川崎ロック座に行ってくれ。いや、もういっそ川崎ロック座じゃなくていい、とにかく矢沢ようこという踊り子さんを、その目で見てきてくれないか

「死ぬ前に見たいストリップ演目」堂々のランクインです、こんなん。

夢みたいだった。そんな時間だったけど、あれは確かに現実で、矢沢ようこさんと峯田和伸の魔法にすっかり僕らはヤラれてしまった。

久しぶりに銀杏BOYZを聴きながらの帰路。


ベイビーもう泣かないで
僕がそばにいるから
ベイビーまだ死なないで
僕は変わらないから

きっと世界は君のもの
きっと世界は僕のもの
きっと忘れているだけ
もっと美しいこと

僕たちは世界を変えられない
僕たちは世界を変えられない……


やっぱりこの曲、俺から「ストリップ劇場」へ向けたクソデカ感情イメソンなんじゃないかな。

某書籍にて紹介されていた、ようこさんのお言葉をここで振り返る。

「消えて美しい文化もあるけどね、ストリップは消えちゃダメな文化なのよ。だから頑張らなきゃね。」

おれたち客もがんばろう。
安価で拝める女神の裸体、愛と生命力に溢れた劇場。あんな素晴らしい文化を、ぜったいに無くしちゃいけない。


最近ね、夢にちょくちょく踊り子さんが出てきてくれるんです。
ようこさんはまだ出てきてくれてないから、これから楽しみだな。


ああ~~~~~!!
夢で逢えたら〜〜!いいな〜!!!


みんなの好きなストリップ演目も教えてくれヨナ

おそまつ

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