JICA隊員の球磨KUMAさんぽ #3 〜被災者を癒す地元おばあちゃんのバラ園〜
人吉市の外れにあるバラ園の薔薇が、ちょうど今、見頃を迎えています。
バラ園を作る久保田さんの思い
昨年から庭を整備する久保田タカエさんは、78歳でありながら、独学で広い敷地をデザインしています。
そして、ご自身とご主人のわずか2人で、ガーデニングの作業を行なっています。
どうして、ご高齢の久保田さんが、肉体労働も多く大変なお庭をゼロから作ろうと思ったのでしょうか。
被災後の人吉に癒しの空間を
もともとガーデニングが趣味で、バラはご自宅にも植えてあるという久保田さん。
ターシャガーデンを作るきっかけは、2年前の水害でした。
「みんな被災して、街に元気がなくなっていると感じるんですよね。将来的にみんなの憩いの場になればいいと思って、庭づくりを始めました」
こう話す久保田さんは、とても柔和で暖かい雰囲気のおばあちゃん。ガーデニングに造形が深く、アメリカの有名なガーデナーであるターシャ・テューダーについても教えてくれました。
庭づくりと共にスローライフを楽しんだターシャ。その思いを継ぎ、この庭も人吉のターシャ・ガーデンとなるように付けたそうです。
ゆくゆくはこのガーデンも、気軽に人吉の方々が集う場所になったらいいと考えているそうです。人手があれば、カフェを併設することも考えているそう。
場所も広く、バラの時期以外にもさまざまな屋外イベントが行えそうです。行政も民間も使える屋外施設として開放したりすれば、アイディア次第でなんでもできそうだな…!と妄想が膨らみます。
友人から紹介してもらった、千葉の「HELLO GARDEN」というプロジェクトが、ガーデン活用に参考になりそうだなぁ、というのは自分のメモ用で書き残しておきます。
JICA海外協力隊の研修生もボランティアで整備に参加
今は美しいこの庭も、去年の冬までは、荒れて木しか生えていないような寂しい場所でした。
ここを、私と同じ海外協力隊の派遣前実習として訪れていたメンバーが、雑草を取り除き、土を耕し、バラを植えるところからボランティアとして手伝いに参加。
そのおかげもあり、今はやっと、バラが綺麗に咲くナチュラルガーデンになりました。
今の支援状況
庭を開墾した実習生の方はもうすでに、別の訓練に行ってしまい、いなくなってしまっています。その後は基本的に、久保田さんがご夫婦で整備をおこなっています。
私も着任した際に、メインの活動先ではないのですが、一度視察に行かせていただきました。
久保田さんのすごいところは、アドバイスをすぐに取り入れてくれること!
今後バラが咲いてくる時期で、咲く時期には人が集まるようにライブイベントなども企画中だった久保田さん。ここをもっと良くするにはどうすればいいか、話し合いました。
4月時点では見ただけでは植物のことが全くわからない状況だったので、バラや花の名前を書いた立て看板を作った方がいいかもしれない、とお伝えしました。するとすぐに実行してくれたようで、5月中旬の先週には以前はなかった看板が立っていました。
ボランティアの意見をすぐに反映することは難しいと思います。私は久保田さんのスピード感に感動しました。
私が去るまでにやりたいこと
庭のMAPを作りたい!
ちょっと魅力的な感じに見える、庭全体のマップを作ってあげたいなあと考え中。イラスト風なのか、写真ベースなのかはまだ構想中ですが、1枚になっていて、ガーデンの入り口で配布したりできるもの。
場所自体がなかなか広く、ここにどんな花が咲いていて、ここで休めますよ、などの情報が入った地図があったらいいと思うのです。
どなたか!ガーデンの地図作りに知見ある人はいませんか??(めっちゃピンポイントだけどww)
今後の期待
バラだけでなく、別のお花も植えるとのこと。1年中楽しめるお庭となったらいいですね!
定期的に庭の手入れをお手伝いしてあげるボランティアさんがいたらとても喜ばれるかもしれません。
地域の方々が集まる場所として、コーヒーや久保田さんの手作りパンが食べられるように場所を整備したり、季節ごとに面白いイベントなど行えたりするとよさそう。
アクセス
「華まき温泉」の手前の道を、左手を見ながら進んでいくと「ターシャガーデン」の看板が見えます。
農泊の「古時香(ことか)」さんのお庭を借りていらっしゃいます。
人吉近郊にお住みの方は、ぜひ足を運んでみてください!
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