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非日常と日常のパラドックス

非日常が好きだ。

いろんなところに出かけるのが好きなのは、日常から離れたいからなのだと思う。日常から離れたその先の開放感や、すばらしい景色を見た時の感動はやめられない。

だからといって、ずっと旅をし続ければずっと非日常でいられるわけではないのだと、1ヶ月のバックパッカー生活で学んだ。
だんだん、非日常にも慣れてきてしまうのだ。非日常が日常になってしまったと思ったときはちょっとドキッとした。

わたしが1ヶ月の旅の終盤思ったことは、「あ、わたしこれに慣れてきてしまっている」ということだった。
毎日移動して、いろんなものを見た。いろいろな人といろいろなところに行った。だんだん移動のコツもわかってきて、やばいホステルといいホステルの違いなんかもわかって、旅が上達してくる。
こうなると、だんだん予想したことしか起きなくなってくるし、感覚として、毎日移動するということが日常になってきてしまうのだ。人間の順応性はすごい。

毎日旅をすることが日常になってしまう、言うなれば、「飽きてしまう」というのは、ある種の恐怖体験だった(厳密に言えば本当に飽きたことはなかったし、最後まで楽しく旅して帰ってきたけれど)。

日常がないと非日常は生まれない。日常あっての非日常なのだ。毎日ちゃんと仕事をして戦って、家でご飯を食べるという、ある種「つまらない」日常を作っておかないと、非日常が存在さえしないというパラドックス。難しい!

ただ、旅が好きなのは、非日常が好きだからなのだなあという自己分析ができた瞬間はストンと腑に落ちた感じがしたのだった。

ちなみに、学生時代の経験則からすると、わたしの非日常の期間の限界は、2週間くらいだった。


日常と非日常を繰り返して、人間は生きてゆくのだろう。

非日常を全力で楽しむために、全力をもってしんどい日常を送らなければならないのだ。


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Suuuuusan
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