嫉妬心のない人生(とは?)
幸せそうな誰かがいたとしても、自分の幸せの取り分が減るわけではない。
他人の幸せは自分の人生に関係しないことであるはずなのに、なぜ人は人に嫉妬するのか。
東京生まれのアラサーが鼎談する「夜ふかしの読み明かし」というポッドキャスト番組がある。
アナウンサー、哲学者、芸人とキャリアが異なる3人が、小説や漫画、哲学的な問いをテーマに立てる内容が面白くてはまっている。
人はなぜ嫉妬するのか。
これは同番組の何回目かのテーマだった。
人はどういう場面で他人に嫉妬するのかというと、番組ではざっくりと2パターンに分けていた。
仕事か、人間関係か。
例えば
「その仕事はわたしがやりたかった」
という気持ち。
或いは
「あの人はわたしよりも〇〇さんのほうが親密な仲なのかな」
という気持ち。
どちらにぐぬぬ。と歯噛みする頻度が多いかと問われると、わたしは仕事に関してかな。
人間関係ではあまり無い。
わたしは近くにいた母に、
どちらに嫉妬心芽生える?と聞いた。
母は
そうねぇ、と少し考えた末
仕事よりも人間関係の機微のほうにぐぬぬとなりがちだったわ。と言った。
えー、意外。
やっぱ人の嫉妬ポイントは違うんだねぇ。
てことは仕事か人間関係、自分が比重を置いていると自覚しているほうを満たせるように意識して動けば、心穏やかに過ごせる時間も増えていくってことだよね。
という話に落ち着いた。
嫉妬心を起こしにくい状況になるように自分でつくっていく。
それがわかっていると自分の身の振り方も見えてきそう。
一方で、仕事にも人間関係にも嫉妬心が湧くタイプはどちらも満たされない限りいつまでもつらいんかな。と考える。
どちらか一方のみというタイプであるだけでもうラッキーなのかもしれない。
***
嫉妬する人生よりも嫉妬される人生になろうなんてどっかで聞いたことあるフレーズを思い出した。
どちらも嫌である。
嫉妬する人生は精神衛生上悪そうだし、嫉妬される人生は、次第に人から羨まれることを行動原理に据えていく浅ましい人間になりそう。
***
何に嫉妬するしないの話をするのは面白い。
番組内で哲学者の永井氏は学生の頃、
「世田谷区の一軒家で優しい両親と素敵なおねえちゃまと大きい犬がいて、休日はクッキーを焼くような家庭。」という家庭環境を持つ同級生に対して嫉妬していたと明かす。
アナウンサーの西川氏は、
「彼氏にたくさん美味しいものを食べさせた。それが原因で太ったためダイエットを始めた彼氏。知らない女とジョギングしてた。わたしが蓄えた脂肪を他の女とのジョギングで落とそうとするなんて。」
人が嫉妬する対象は側から見るとなんだかくすりと笑ってしまう。
微笑ましささえ感じる。
わたしの嫉妬心が芽生えるものは何かな。
自分の年齢によって変わるけどとりあえずいまは、
「現行品のMax Maraを気軽に買える程度の財力があり将来に経済的な不安の少ないアカデミックポストに就いている女性。」
なんかめっちゃ浅いな。
まぁこれは経済面で大変な矛盾を孕んでいるし、米倉涼子がドラマで演じるキャラクター並に現実味がないので嫉妬というより憧れかな。
(※ちなみにわたしはMaxMaraはそれほど好きではない。わたしの好きなひとの好きなブランドだから挙げただけ。)
なんというか、人は自分がどれだけ恵まれているかを他人に説明するために、それが叶う要素を求めて集めようとする習性があるのかもしれない。
そんなことを思った。
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感情とか複雑なものを対話することによって解体していくこの番組。
大好きです。
頑張らないと言語化が難しいことを、どうでもいい話をしているときのようなゆるい温度感で話しているのも耳心地が良いのでおすすめ。
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