コロナ禍の温泉と乳がん
くらしが趣味の専業主婦たまこです。
昨年は運転が趣味の夫と旅行に行き、温泉に入る機会が何度かありました。
乳がんで右胸を全摘してから、タオルで右胸を隠しながら体を洗い、湯船に浸かる時も隠しながら入っていたので、なんとなくゆっくり温泉に浸かって楽しむことができずにいましたが。
コロナ禍で密にならないように対策された温泉では人数制限されていたり、シャワーの場所も1つおきに✖️のガムテープが貼られていたり、いつもならタオルで隠して体を洗うところですが(これがとても洗いにくいのです)人目を気にせずタオルを外しゆっくり洗うことができ、湯船でも自分だけの時はタオルを外してゆっくり浸かることができて、10年ぶりに温泉を楽しむことができました。
部屋の鍵が1つしかない時。今までならわたしの方があがるのが早いので鍵を持って温泉に行ってましたが、あれ?夫が部屋の前で待ってる。で、初めてゆっくり温泉を楽しめたことに気づきました。
温泉ってそんなに好きじゃないと思ってたけど、人目を気にしてゆっくり入れてなかっただけなんだな、と。別に悪い事してるわけじゃない、と、隠しながらも堂々と温泉に入ってるつもりでも、ああ、わたし気にしてたんだなと、改めて気づきました。
隠す必要もないし、多分誰も見てないし気にもしてないとは思うけれど、わたしのように隠しながら入るのも嫌で、まだまだ気にして温泉には手術後1度も行ってないというガン友もいます。
タオルで隠してたらきっと、ああ乳がんだな、ってわかるでしょう。もし、湯船にタオルを浸けていることを何か言われることがあったら「乳がんなんです。」と、言おうと思いながら、やっぱりなんとなく人目を気にして、そそくさと湯船からあがってました。
今ならあまり気にせず温泉に行けるよーと、気にして温泉に行けない乳がんで胸を全摘した人たちに言いたいところですが、緊急事態宣言が出てる今はなかなかそんなわけにも行かないし、コロナで大きな打撃を受けている宿泊施設や旅行関係で働く方々に対しては、空いていたからゆっくりできたーなんて、とても申し訳なく不謹慎な話なんですが、、、。
だけど、以前の日常に戻っても、全摘した右胸のことを前のように気にしながらでも、温泉に行きたい!と思うぐらい、温泉が癒されることに改めて気づいたコロナ禍での温泉でした。
わたしと同じように乳がんで胸を全摘して温泉に行くのをためらっている人たちが、これを読んで「行こうかな!」というきっかけになったらとても嬉しいです。