【出願RTA】社不が筑波大学情報科学類のAC入試を受験するとどうなるのか?
皆さん自己推薦してますか?
ということで今回は筑波大学情報学群情報科学類 (coins)に2025年度のAC入試で合格したので、備忘録として + 社会不適合でもなんとかなるぞという啓発目的で合格体験記を時系列順に書いていきたいと思います。
お前は誰?
高校1年の3月あたりにプログラミングを始めて今までNLP一本でやってきた人。高レイヤーだとAItuber (LLMで駆動するVtuber)を開発したり、低レイヤーだとLLMの推論効率化について研究したりしてます。
具体的な内容は以下のgithubとhuggingfaceのレポジトリ群を見てもらえればわかるかと思います。
出願に至るまで
~6月
実は高3の春まではAOや総合型選抜で大学に入ろうと考えていたわけではなく、自分がやっている技術的な活動はあくまで個人的な趣味の域として考えていました。
また、中学生の頃から代々木と新宿の某指定暴力団 塾に通っていたため、なんとなく「自分は受験するんだ!」というイメージを持っていました。
ただ学校のクラス担任がやたらと推薦を推してくる方で、一応自分がやってることが使えなくもなさそうだし調べてみるかというのがきっかけだったように思います。
~7月
色々な大学の総合型入試について調べるなかで目に留まったのが筑波大学でした。
なんといっても受かっても必ず行く必要がないというのが魅力!
全然受験の選択肢を残していた自分的にはここが決定打でした。動機が不純すぎる。
ということで夏休みに入る直前に担任に筑波のcoins受けますという話をしました。
~8月
先ほど言ったように受験と総合型で揺れていたので夏休み中はリソースをかなり勉強に割きました。ついでにAC受ける準備も0です。
Twitterでは今年採択された未踏ジュニアについて何かほざいてます。本当にやる気あるのか?
9/1
出願書類は9/1~9/4に必着なのにこの時点で準備が皆無です。
他の人の合格体験記見ると1年前とかから準備してる方もいるのに何やってるんですかね。
ちなみに出願には
志願理由書 (800字以内)
自己推薦書 (枚数・形式自由)
調査書
が必要で、インターネット出願サイトでダウンロードできる写真票その他諸々を封筒に入れて送りつけることになります。
どうやら14:30にもなってようやく危機感が出てきて自己推薦書を書き始めたようです。何やってるんですかね、本当に。
9/2
やっと自分の置かれた状況を自覚したようです。
ちなみに出願書類は速達の簡易書留で送るのですが、前日だと普通に間に合わないので実質的に期限はこの日です。
ついでに最寄りの郵便局が閉まるのが19時なのであと12時間しかありません。
そしてオールしたにも関わらずこの進捗の無さ。過去のAC入試合格者の方が公開している情報ではみんな数万字単位で書いてるというのに。
あと進捗がない現実を逃避するためにAC入試の合格体験記を読み漁っていたらこういうものに遭遇しました。
筑波大学AC入試合格者の「合格まで」と「入学まで」
これは筑波大学が公式でまとめているAC入試合格者の自己推薦書の抜粋だったり体験記が載ってるPDFなんですが、高校は3年間しかないはずなのになぜか17個も研究をしている人だったり実績ホルダーがいたりと、参考になる部分も多いですが受験生にとっては精神衛生上かなり良くないので、覚悟がある方のみリンクを開くことをお勧めします。
16時にしてようやく自己推薦書を書き終えたようです。
自分は他の受験者の皆さんのようにストーリー仕立てで書くとかいう高尚なことはできないので、今まで作ってきたプロダクトや研究を論文っぽくしたものを列挙する形式をとりました。
また、ここでは過去の自分にかなり助けられました。このような他者に自分のやっていることを論理的に説明する文章を作るという行為はかなり頭と時間を使うものですが、未踏ジュニアの応募書類や過去に登壇したLTの資料をコピペ・参考にするなどしてコスパ良く書き上げられました。
ちなみに文字数を数えたら10800文字でした。うーん少ない。
ここでやっと受験料の支払いをしたようです。郵便局閉まるまで2時間だけど???
その後根性で18時頃に志願理由書を書き上げました。もちろん校正なんてしている時間はありません。俺の情熱を受け取れ筑波大学!!!
その後超高速で自己推薦書や志願理由書、その他書類の諸々を印刷して冊子の形にしました。まあ郵便局が閉まるまで13分なんですが。
あと、何故かは知らないですがAC入試の書類は紐綴じが必要なようです。
自分のようにギリギリに準備するかもしれない方は紐と穴開けパンチだけ先に用意しておくとスムーズにできるでしょう。
さて、郵便局ダッシュのお時間です。自転車を全力で漕いで向かいます。
結果は…
ダメ~~~!!!
なんと目の前で職員さんに鍵を掛けられてしまいました。
しかし、もうおしまいか…と絶望していたところに救いの神が現れます。
なんと東京中央郵便局は21時まで営業しているらしい!
しかも簡易書留もその時間まで受け付けている!
これは行くしかない!ということでほぼパジャマのまま電車に飛び乗って東京へ向かいます。
その場で買った封筒に指定の紙を貼って…
キタ~~~!!!
ここでタイマーストップ!
9/1 14:28に作業を開始して9/2 20:37に郵送受付完了、記録は1日6時間9分でした。
9/13
さて、めちゃくちゃやり切った感を出していますが問題はちゃんと大学側で出願が受理されているかどうかです。
募集要項によれば出願締め切り後、9/13に受理者にのみ受験番号が付与されるようです。
結果は…?
セーーーフ!!!
出願成功!これはもう合格したと言っても過言ではない。
正直受験番号が発行されるまでの1週間メンタルが地獄だったので良い子の皆さんは余裕を持って準備しましょう。
一次選考
9/30
さて、ついに書類選考の合格発表です。
情報科学類の過去の入試情報を見ると、一次でガッツリ削って二次ではそんなに落とさない印象を受けていたので実質大一番です。
さて結果は…?
通ってる~~~!!!
というかそれより母数多すぎないか???
定員が8名なのに70人も受けていることになります。過去の入試情報サイトだと例年7、8倍あたりなのに倍率高すぎる。
そして一次の合格者が10人ということは当然面接で2人落とされることになります。
合格率80%と言えばいけそうに感じますが落第率20%と聞くと全然高いと感じるのだから人間の感覚というのは不思議なものです。
二次選考
10/15
そして運命の面接日です。
さらに当然のごとく社不を発揮して面接対策はほぼしていません。
強いて言えば自分の研究の説明に使えそうな図を何枚か印刷して持っていっただけ。
学校で模擬面接までしてる人もいるのに馬鹿アホなの?
絶対に面接で聞かれるであろう自己推薦書の要約はつくばエクスプレスの車内で書き始める始末。
なのにこの時の自分は受かる気満々でした。ここまで来ると怖すぎる。
入口はこんな感じでした。建物に入ってすぐの所で受付を済ませ、控室に通されました。
しかし、控室の席に着席したところで一つ問題が発生します。
自分は自己推薦書の要約の原稿や想定問答集をスマホのメモ帳に書いていたのですが、控室の貼り紙に「電子機器使用禁止!」と書かれているではありませんか。絶望。
ということで面接予定時間まで受験票の裏に地獄の脳内写経タイムの始まりです。
とは言っても何十分も手持ち無沙汰で緊張して過ごすよりかは良かったかもしれません。
後で知ったのですが、係員さんに「メモ帳を見たいからスマホを使用していいか?」と聞くとなんと普通に許可が下りるらしいです。
来年以降に受ける皆さんは自分の轍を踏まないように願っています。
肝心の面接ですが、部屋の構造としては入ってすぐの所に荷物置き場があり、手前に自分が座る席、奥に面接官3人が座っている感じでした。
内容については、全く圧迫系ではなく終始和やかな雰囲気でした。
技術的な質問もありましたがほぼ雑談のような感じで、いわゆる「素人質問で恐縮ですが…」のようなものはなく、自分の研究を純粋に理解しようとしてくれていたのが嬉しかったです。
ただ、自分の場合は想定問答集を自分の想像した順番で来ると勝手に思い込んでいたせいで最初に想定と違う質問が来て軽くパニクったので、面接の練習をするときは質問群をシャッフルしてやってみるのもいいのではないかと思います。
あと、自分の時は逆質問などは特にありませんでした。他の方たちの体験記を見てもこれは個人差があるのかなと思います。
鍋
そんなこんなで面接が終わり、建物を出たところで腕章をつけた謎の大学関係者ぽい人に捕まってWORD部屋に連行されました。すごかったです。
ついでに大学生の人たちと一緒に鍋を囲みました。筑波大学生の熱量を感じてすごかったです。
11/1 合格発表
そして運命の合格発表の日です。
この日は学校の授業があったので、2時間目と3時間目の間の休み時間にノートPCを開いて友達5人ぐらいと一緒に結果を見ました。
どうやら合格していたようで安心しました。これで晴れて「大」学生を名乗れますね。
余談ですが緊張しすぎて最初に間違えてオリンピック入試の番号一覧を開いてしまい、「自分の番号、ない…?」となり空気が気まずくなりかけました。受かってて安心。
おわりに
ここまで読んでくださりありがとうございました!
筑波のACを受けようと思っている方は何か質問があったり自己推薦書・志願理由書を見せてほしい!とかがあればX (旧Twitter)にDMしていただければ微力ながら対応できると思うのでお待ちしています。
筑波大学のAC入試は合格から入学まで5か月間のフリータイムがあるのもメリットだと思うので、迷っている人はぜひ受験しましょう!
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