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GarageBandでpodcast用のジングルをつくってみた
こんにちは。クックパッドで「たべドリ」というアプリをつくっている、すどうといいます。
いちいちレシピを見なくても、あるものでパパッと料理をつくれたらいいよなぁと思っていて、どうやったらできるようになるかな?というのを日々考えています。
9月からたべドリのpodcastをスタートさせたのですが、今回は、そのpodcast用のジングルを作ったよというお話です。
ジングルというのは、ラジオ番組などでオープニングや番組中に繰り返し挿入される短い音楽のことなんですが、最近では、一般の方のpodcastでもすごく凝ったジングルが使われていて、とても印象に残るので、自分たちでもやってみたいなと思ったのでした。
どうやってつくるか?
自分で自由にできて、無料であるという条件を満たすものを調べたところ、macに標準で入っているGarageBandを使うのが良さそうでした。
GarageBandは興味本位で起動したことはあるけど、ちゃんと使ったことは一度もないという感じだったのですが、ループ素材を組み合わせれば曲っぽいものができるだろうくらいの知識はあったので、チャレンジしてみることにしました。
とりあえず触ってみる
まずは起動してみて、ループ素材を探してみることに。
右上に、ぐるっと円を描いたような図柄のボタンがあったので、もしや?と思って押したらソレでした。
アルファベット順にありとあらゆる素材が並んでいます。
2〜4小節程度のフレーズもあるし、効果音一発もあるし、一覧するとかなりカオスな感じ。
(その数なんと5000種類以上!)
どんな音楽にしようか考える
ループ素材を使う準備はできたので、次にどんな雰囲気のジングルにしたいか考えます。
なんとなく、ホーンとかが鳴ってるビッグバンド風の派手なイメージにしたいなぁというのが頭にあったので、ループ素材の検索窓に「bigband」と打ち込んでみたのですが、ひとつもヒットせず...。
キーワードをあれこれ変えてみたのですが、それっぽいのが出てこないのであきらめて、行き当たりばったりでやることにしました。
ジャンルや楽器から素材を探す
キーワード検索ではイメージに近い素材を探せそうもなかったので、ジャンルや楽器を選択して絞り込んでみることにしました。
個人的にドラムやパーカッションなどの太鼓系が好きなので、その辺を絞り込んでみたところ、Latinという接頭辞が付く陽気なビートたちを発見。
(Latin Danza Drumset 01が気に入りました🥁)
いくつか再生してみたところ、いい感じのビートがあったのでそれをベースにして、タンバリンやカウベル、Africanなんちゃらという民族系の打楽器を組み合わせていきました。
パーカッシブなラテン系の打楽器の雰囲気が、軽やか&リズミカルに料理をしている様子をイメージさせてくれます。
タイトルコールを録る
どんな音楽になるかはさておき、番組にはタイトルコールが必要だろうと思って、先に収録しておきました。
3人で会議室に集まり、無音のメトロノームを凝視しながらタイミングを合わせ、「たべドリラジオ〜」と繰り返し発声するのですが、まぁまぁ恥ずかしかったです。
オリジナリティを出す
4小節くらいのいい感じのビートができたのですが、もっとオリジナリティを出したいなとおもったので、調理音をダビングすることにしました。
リニアPCMレコーダーをキッチンに持って行って、マイクの前で卵を割ったり、野菜を切ったり、水道から水を流してみたり、フライパンで炒める音を録ったりしました。
(レコーダーが油ハネでベタベタになってしまった😇)
これらの調理音をつくったビートに重ねていくわけですが、卵を割る音でも、タイミングをいい感じに調節するとパーカッションのような効果があり、グルーブ感が増して面白かったです。
(上から、卵割り、切る、水流、ボウル叩き、卵とぎ、点火です)
メインテーマのループ素材をつなぐ
さて、ここまでで、冒頭部分ができました。
調理音混じりのエキゾチックなビートが突如ブレイクし、「たべドリらじお〜!」のタイトルコールから間髪入れずに、「じゅわわ〜!!」っというシズルサウンドがステレオで鳴り響き、テンションは最高潮に達します。
(ボリュームやパンやリバーブが細かく調整された「じゅわ〜!」)
じゅわ〜!のあとは、jazzっぽいピアノでメインテーマとなる短いフレーズをループさせ、その上に番組紹介のナレーションを入れることにしました。
ピアノのフレーズには、cubanなんちゃら(キューバ風?)と名付けられた2種類のホーンを重ね、ノリノリに仕上げていきました。
音量やエフェクト、パンニングを調整する
一番面白かったのはここで、各パートの音量や、左右どっちのスピーカーから音を出すかという音の定位を細かく調整していきました。
なんか折れ線グラフみたいなUIを操作することで、音量をだんだん大きくとか、リバーブをだんだん深くするとかを調整できるんですが、なにこれ、めっちゃすごい...。
別録した本編のトークをつなぐ
本編のトークは、やはり会議室で別撮りしました。撮ってる最中に清掃スタッフの方がドアを拭き始めて、ヒヤヒヤしました。
トークの音声は、Audacityというフリーのソフトを使ってノイズを除去し、つくったジングルを前後につないで完成です。
たべドリらじおが完成!
そんな形で出来上がったのがこちら。第1回のテーマはみそ汁です。
肝心のトークの部分はあまり音質が良くなかったり、いろいろと反省点はあるものの、予算をかけずにオリジナリティあふれるものができたという点では大満足です。
ちなみに、「たべドリらじお」では、料理を楽しんでいる人の目線を伝えることができたらなと思っています。
何かにハマっている人に、何がそんなに楽しいのかを聞いてみると「え!そこ!?」みたいな答えが返ってくることってあるじゃないですか??
それって料理も一緒で、ただのみそ汁にだって、料理にハマった、料理をつくる人だけが知っている、密かな「楽しみポイント」が実はたくさんあるわけです。
それを伝えるにはpodcastがぴったりだと思ったので、はじめてみました。
(豚汁なんて、楽しみポイントの塊ですよね!?)
というわけで、これはなんだか面白そうだゾと思ってくださった方は、ぜひ「たべドリらじお」を聴いてみてください。
番組専用のツイッターアカウントもつくりましたのでフォローおねがいします!ピックアップして欲しい料理のリクエストや、番組の感想など、どしどしお寄せいただけるとうれしいです😊
それでは〜👋
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