【特別公開】Kaizen Platformの初期構想時のメモを公開します
どうやって新規事業を考えていっているんですか?
と聞かれることが多いんですが、自分でも体系立てて理論化してる訳ではないのでうまく伝えることができません。
論より証拠で、どうやって僕が新しい事業について考えていったのか?について、実際のメモ書きを見ながら解説して行きたいと思います。
ちょうどKaizen Platformの創業前夜である2013年の1月のメモになります。
新規事業を考えていたり、スタートアップの起業を考える皆さんの何かのお役に立てば光栄です。
さあ、生々しいメモとその後うまくいったことと行かなかったことを答え合わせしながら、公開して行きたいと思います。
コンセプトメイキング
僕自身の方法は、抽象的な課題意識や概念やキーワードから気になるものをピックアップしていきます。
それをマインドマップのように繋いでいくところから始めます。
僕の場合は、前職リクルートの社長である峰岸さんに退職するという話をしに行ったときに、
「世界で戦いたいんであれば、日本を売れ!これからは、日本の良さが相対的に浮き上がってくる時代になる。勝手に海外が日本に注目をするはずだ。だから、日本の強みや本当の良さを世界に売り出せ!」
というアドバイスをもらったところからはじまりました。
参考:KAIZENの戦略ミーティング
自分が考える日本の良さってなんだろう?と考えていくところからコンセプトを練り始めました。ちょうど、禅が西海岸で流行し始めていた時だったので、そこからキーワードをはじめています。
常に変わり続ける「空」というキーワードと「改善」という言葉が出てきます。「改善」とリーンスタートアップやグロースというキーワードが繋がってきます。
こんな風に最初に大きなコンセプトから考えていきました。
何をすれば儲かるか?から考えなかったことは非常に良かったと思っていまして、抽象度の高いテーマから考えていくとスケールの大きなビジョンや構想に昇華させていきやすいと思います。
これは、今でも会社のビジョンや文化にすごく役に立っていると思います。
事業テーマとストーリー
さて、そのキーワードを事業テーマの中心に据えたときに、思いつくストーリーを書き出しています。
そこに適切なプロセスマネジメントこそ「改善」の本質的価値であると置いています。我ながらなかなか面白い。
事業モデル
さて、そのストーリーを中心に据えた後、具体的に何をするか?の事業モデルについて考えていきました。
沢山の創意工夫からベストを選ぶKAIZENプラットフォームビジネスと書いてあります。
会社名やサービス名などを考えてない時から、なんとなく「改善」というテーマだったら何をしたいか?が書いてあることに自分でも驚きます。
Create(一人一人の創意工夫)→ Optimize(仕組みで効率よく最適化)→Feedback(フィードバック&インセンティブ)→
というサイクルをプラットフォーム上でやろうというのも、初期の構想で固まっており、それを領域拡大と進化と深化をさせていこうという試みについて、書いてあります。
これは、現在のビジネスモデルとほぼ変わりませんので、そう行った意味では、相当初期の段階でここが詰まっていたことがわかります。
wwwに多くの人の創意工夫を注入するという事業のアイデアをメモしています。
インフラがクラウド化したのに、その開発やUI改善のプロセスが非常にアナログであることに課題感があり、これがその後クラウドソーシングとマーケティングのソフトウェアのシームレスな提供という初期プロダクトのデザインに昇華していきます。
Vision/Mission/Value/行動規範
次に、いきなり事業計画に行かないんですね。
VisionやMissionやValueや行動規範を簡潔にメモしています。
事業の定義と組織の指針を先に言語化しているわけなんですが、自分の中では事業計画はエクセルでコチャコチャ適当にイジるつもりだったんだと思います。(苦笑)
数字じゃなくて、定性的なことを言語化しておこうという努力のあとが見えます。
成長シナリオ
この事業コンセプトを実証しようとしたときに、10社程度でテストをしてしっかり結果が出たら、拡大するという初期のシナリオを書いています。
鶏卵の問題を先に顧客を集めることで乗り越えようという戦略ですが、これは結構早い段階で、フェーズ3に行きました。(というか行かざるを得なかった)
その後の拡張で、アプリへの拡大も視野に入れていたことがわかります。
(適当な)事業計画
さあ、ここからが本領発揮です。
すごく雑な線表が書いてあります。
スケジュールもコストも見積もりが甘すぎて、ビビります。
最初の創業者の資本金だけで、7ヶ月くらいをもたせてフェーズ4まで検証したかったのですが初期コンセプトを検証するフェーズ2だけで、約5000万円以上の資金調達が必要であることが現実に直面するとわかってきました。
そこからフェーズ1の検証を急ぎ、シードの資金調達を実施し、余裕を見て80万USドル(約1億円)の資金調達をして全体のスピードをあげるという意思決定をすぐに5月くらいにして、8月に資金調達を完了しています。
シードラウンドでグリーベンチャーズ、GMO Venture Partners、サイバーエージェント・ベンチャーズの VC 3社より総額 $800,000 の資金調達を実施しました。
この辺りの意思決定から実行し、最終的に着地させるところは、全く戦略的ではないというか、完全な大人プレイです。
くれぐれも真似しないことをオススメします。確か、キャッシュが本当にキツくて、後5日入金が遅かったらヤバかったんですよね。。。
実際の資金調達に使ったピッチ資料
その時シードの資金調達で本当に使ったピッチ資料を公開したいと思います。
先ほどの2013年1月のメモから3ヶ月後の2013年4月のシードラウンドの実際のピッチ資料をご覧ください。この資料で80万米ドルの資金調達を完了します。
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