双影双書
めちゃくちゃ面白い漫画を見つけたので、衝動的に書き殴っています。
あらすじ
まあ設定としてはよくある、影武者と皇子の友情のね〜みたいな感じで読み始めたんだけど、途中で流石にその展開は予想できませんよみたいになるので読んで欲しい。絵も可愛いし。
紙で買おう今度
宵(乞食の少年)くんと冠星(皇子)がお互いに影響されあってるのがすげえいい
宵、死ぬのも痛いのも嫌がってたのに、だんだんと貴方のためなら死んでもいいになっていくし、冠星は冠星で、死ぬことが仕事のはずのお前を失いたくないになっていくので、あ〜だめ だめ 一生幸せに生きろ
厳しい運命に振り回されつつもそれを受け入れてしまっているというか、その制限されてる世界から出る選択肢を持っていない(持たされていない)という無常さ、やるせなさが好きで………
そういう成分を摂取したくて歴史小説とかをたまに読んだりする。
数年前FE風花雪月に生活を壊すほどハマったんだけど、それもやっぱり貴族社会の中で家や血統、歴史に縛られて自由な選択ができなくなって、逃げる選択肢を当たり前のように持たされていない子供たちの苦しみの描き方が、良かったので……あんなにハマってたんだよなと後から気づいた。嫌な好みだ………。
でもそんな自由の効かない世界の中で、なお運命を良きものにしようとしたり、自分のやるべきことを理解して貫こうとしている高潔さがあると、とにかくサイコーで、暴れ出しそうになる。冠星様があまりにも好みにクリティカルヒットしてしまって、苦しい。
好きシーンの話
遊廓育ちでたくさん人が周りにいても、誰にも自分を見てもらえなくてひとりぼっちだった。と感じていた宵くんが、同じ孤独を全く違う境遇の皇子に見出して、この人も俺と同じなのかな…て思うシーンが本当に本当に本当に好きで。
でも同じ孤独を持っていても、この人は俺と違うんだ、優しくて強い方なんだ、って気付くところでおかしくなりそうだった。いや十分おかしくなっとるんだが……
あと宵くんは衝動的に体が動いたり、思ってたことをぽんと口に出しちゃったりするうっかり屋な面が序盤は目立ってて(それで大人や冠星に怒られてションボリしたり、ちっちゃくなってんのが可愛すぎるんだが)
読者的には宵の考えてることとかやりたいことが(書いてあるから)共感できるんだけど、冠星にとっては全然わけわからん行動を突発的にやらかす同じ顔の影武者とにかくハラハラするだろうなという気持ち、ある。
鼠を素手でとっ捕まえる皇太子はちょっと。
あと宵の内面的にはちゃんと段階を踏んで起きた変化や行動だったのに、冠星にはそこまで伝わってなくて唐突な言動にちょっと引かれてたり「どうした急に……」になってたりするシーン、たまにあるけどかなり好き。
冠星、どんどん引いて困惑してて欲しい。可愛いので。
ともかく読んでください。
あと読んでて思ったんだけど、伏線の仕込み方が巧みなんですよ。印象的な台詞や展開を自然に仕込んで、後からああ!て思わせるのが上手い。てか漫画が上手すぎる〜〜!て何度も喚いてしまった。
覇権とってほしすぎる。爆流行ってほしい。このnoteをうっかり読んだ人は、双影双書、ちゃんと読んでおいてください。よろしく。
※※ネタバレ
ごめんたいしたこと書いてないんだけど、この先は読んでないひとは読まないでください。
てか正直この話を誰かとしたかっただけでこの記事を書いてたので
主従入れ替わる展開、あまりにも天才すぎる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「私に命令するな」がこんな響き方してくることあります!??
あと冠星様が宵を庇ってしまったことについても、「冠星様は民のために矢の前に飛び出してしまう人だから…」て言ってる宵の肩掴んで「お前だからや!!!!!!!!!!!!!」て叫びそうだった(誰?)
冠星が死んだのは結局は宵を失う覚悟ができてない、という甘さのせいだったわけだけど、それを「民への優しさ」だと解釈して尊敬の根拠にしてる宵を見て「ならば私はそう在ろう」て思っちゃってるの、さすがにさすがに宵のことが好きすぎると思う。
てか皇太子やってるのも弟たちにこんな目に遭ってほしくない。だったし、冠星様ってどこまでも誰かのために自分を切り売りしてしまう自己犠牲タイプなの愛しいんだけど、皇子には向いてないと思いますね。不敬。
冠星と宵、育ち方は正反対なんだけど「自分さえ我慢すれば良い」という結論に至ってしまうという共通点があるんだと思う。自分という存在を軽んじがちというか。
その結果お互いを優先させるあまりにすれ違ってしまい、2人で貴方(お前)を優先させるのが当然なのに、何故わかってくれないんだ!?になってしまうの、良すぎる。
こんなにプラスの方向でのすれ違いってあるんだ!?て感動しちゃったよ
しかもこれをちゃんと対話で解決してくれるの、""信頼""なんですよ。読んでて嫌なストレスがない。ほんとにいい。
あ〜全人類読んでくれや。
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