仕事ができない人
私が現在行っている卒業研究は大掛かりな作業のため、研究室に所属する12人全員で行っている。かといって毎日12人集まるわけではなく4人組の3グループでシフトを作って取り組んでいる。
最初は単純で時間がかかる作業だったため特に計画を立てる必要はなかったが、最近では繊細で頭を使う作業が多くなってきている。
私が所属している班は真面目で頭の良い子を集めた班であるため、出勤日に何をすればいいのかを自分たちで考え効率的に取り組んでいるが、他の班はというと、あまり頭の良くない無断欠席が多い子達が多いのでなんの作業をすればいいのか考えてもわからず、仕事が全く進まない。
頭が良い優秀な子をそれぞれの班に配属する案もあったが、1人ではできない作業のためできるだけ大人数で取り組めるように今の班編成にした。
現在私が困っているのは、その仕事ができない班にどの仕事を与えればいいのかということだ。仕事を与えたとしてもそれを中途半端にしてその尻拭いに思わぬ時間が取られてしまうような有様だ。使用した道具の後片付けをせずに余計な時間を取られたときは頭を抱えてしまった。
言うまでもないが、その子たちは対した企業から内定をもらっていない。内定をもらっているのは就職率向上をさせたい学校と付き合いのある人手が欲しい企業だ。
このような子たちと社会に出て付き合うことはないと思うから、最後の人間観察としてそれなりに面白いのだが、いかんせん卒業研究が完成しなければ私も卒業できない。また1人1人に単位を出すために出席しなければならない時間が定められており、全く仕事を与えないというわけにもいかない。
仕事ができない人間というのは人事において本当に頭を抱える存在なんだなと感じた。
私もアルバイトをしているときに失敗ばかりしてよく店長から叱られていた。仕事が合ってなかったかもしれないが、自分は仕事をできていない人間なんだという自覚はあった。
就職先ではそれなりに仕事をこなせる人間に自分はなれるのかな。上司に大きな迷惑をかけて嫌われる人間になったりしないかな。仕事ができない人間を見ていると突如として将来に対する不安が襲ってくる。