そうやって前向くことにした
2021年秋、一年間の二人暮らしに終止符を打ち、私はまたシングルベッドで眠りにつく生活に戻った。
家具や家電も少し大きめなものがあるからといって決めた広めの新居は、朝晩に遠くから電車の音が聞こえる。
先月から朝日がたくさん入る静かな部屋で目を覚ます生活をしている。
朝起きたら洗濯機を回し、身支度を整えて朝ごはんを作り、昼のお弁当をつくる。
一人暮らしにそぐわない400リットルの冷蔵庫に引け目を感じつつ、常備菜を少しずつ弁当に詰める。
ニュースに目を通しつつ朝ごはんを食べる。前はあまり朝ごはんを食べなかったが、洗濯のために早起きすると時間が余ってしまうため毎朝食べるようになった。
洗濯物を干し、部屋の掃除を行ってから家を出る。
緊急事態宣言が明けてから通常出社になったが、わたしは特段嫌な気持ちはしなかった。
もちろん、往復の通勤時間を考えると在宅勤務は魅力的だったが、営業職なので1日の大半は外に出ているからだ。
環境ががらりとかわり、繁忙期と引っ越しが重なったこともあったため、精神的にも身体的にもつらい時期が続いた。
そんな中を乗り越えられて、いま前向きに考えられているのは、まわりの友人たちがいつも寄り添ってくれていたから。
ときに厳しく、ときに優しく、話に耳を傾け励ましてくれたからこそ、わたしは今ここにいるのだと思う。
何も言わずゲームを一緒に遊んでくれた友人、はたまた何も聞かず外食に誘ってくれた友人、わたしには大切な友人がたくさんいるのだと実感した。
本当に本当に、本当に感謝している。言葉では表しきれない。
12月に入ってからは少しずつ体調も回復して、徐々に生活のリズムも整ってきた。
これからわたしは自分なりの方法で、穏やかで静かな日々を過ごせる人と一緒にいよう。
そうやって前を向くことに決めた。
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