新規が聴いたWHERE DO WE GOの金城碧海さん
JAMになって初めてのカムバックがWHERE DO WE GOだった。
音源が公開されたらすぐ大騒ぎで感想を呟くんだろうと思ってた。が、何にも呟けなかった。自分の乏しい言語化能力では140字は無理だった。
自分の中で消化しきれていないまま他の方の感想を読むのが怖くて、MVのコメントもXもほとんど読めていない。きっとパフォーマンスを見たらもっと頭がぐちゃぐちゃになると思うから、Mステ初披露前に今の感想を書き残したい。
※曲全体について言いたいことが山ほどあるけれど、まず金城碧海さんパートに触れさせてほしい。そうしないと先に進めない。
以下、とてつもない厨二長文、ひたすらキモいです
沼落ちの経緯
JO1を聴き始めて、ハッと胸を掴まれるパートの歌割を調べると十中八九金城碧海さんだった。顔も声も一致していない段階でこれだったので自動的に推しになった。
突然誰かに「どんなところが好きなの?」と聞かれたら、Aqua(生配信)のラスサビを聴かせようと思っていた。(その声で沼に落ちたので)
薄いグラスが割れる寸前まで微細振動しているような声だと思った。声帯の使い方が理解できなくて何回もリピートしたけど今でも分からない。
それが今「通り雨だって花になる」パートと揺れている。
「通り雨だって 花になる」
2番奨くん同パートと比較すると、奨くんはレッドカーペットを堂々かつ飄々と歩いているような歌い方なのに対し、碧海くんは、歩き出した地面の感触を一歩一歩声で表現してるように感じる。
(1番→2番の変化として、音符の切り方を対照的にするディレクションがあったのかも)
「通り」「雨」「だって」がはっきりと3部に分かれていて、発声が全く違う。
まず「通り」の繊細過ぎるビブラートで(この短い音符に普通ビブラート入る?)雨のひとしずくに気づいた時のような不安を感じて、次の「雨」から弦をはじいたような張り詰めた声で雨が強くなり、最後の「だって」で雨上がりの静寂が訪れる。そして「花になる」で音符が階段を上っていき、花が一面に咲いていく。
メロディーと歌声どちらも「通り雨」そのもので、多分言葉の意味を知らない人でも、このパートを聴けば現象が思い浮かぶかもしれないとさえ思う。
一瞬で乾いた体に染み渡って色んなものが蘇り、すぐ何事もなかったかのように去っていく。JO1の音楽を聴き始めてから私がずっと金城さんの歌声に感じてきたことかもしれない。
(私は感動するとアホみたいにすぐ鳥肌が立つイカれ体質なのだが、ここは毎回さぶいぼ大量発生地点である。しんどいくらいイボが立つ。)
「堂々と歩き出そう 口笛鳴らして」
この人は音域によって別人のように声質が変わると思っていたけど、JO1を知らない人で「堂々と」とその後サビ「その両手を」パートが同一人物であると一発で分かる人がいるのだろうか。私は絶対に無理である。
前にXで「金城さんの高音は生まれたての赤子」みたいなことを投稿したと思う。
なんというか、産まれた直後でまだ毛も生えてないピンク色の犬の赤ちゃんが、息を吸うために力の限り泣き叫んでるような「むきだし」さを高音の発声に感じる(ソロGOサビとか)。
あとは若干の舌足らず感(君のままのBメロ、やんちゃBOYのBメロとか)
(高音といえば純喜だが、河野純喜と金城碧海の声質は根っこが同じだと思っている。囁くような中低音とファルセットが特に似てる。Romanceの「また」「もう」は最初どっちか分からなかったし、Sugarのラスサビ「離せはしない」はもう碧海くんにしか聴こえない。
音が上がれば上がるほど聞き分けやすくなる。純喜さんは体の使い方というか、どこに力を入れて高音を出しているのかが手に取るように分かるため、聴き手の感情が一番乗りやすい歌声。対して碧海さんはどうやって、どこからその高音を出しているのか全く分からない。人間の声かそれ?みたいな特殊な音。「出るのか...?出るのか…?」っていうハラハラ感を毎回感じる。)
ただ既存曲でそこまでの高音パートは新規の私が知る限りほぼない。(自分の音域を超えた高音を出す時にそうなるのか?)
だから衝撃だった、ここを碧海くんが歌うんだと。
高めパートというと流星雨、Gradation、Aqua、Mad In Loveなどのサビ担当曲だと思うが、それらの声を一言で表すなら「表面張力」だと思う。決壊寸前で震える水面みたいな危うさと、触れたらこぼれてしまう儚さ。
それがこのパートで壊れた気がした。壊れたというか、ガラスが割れたみたいな。
何も纏わない、生身の傷つきやすい体のまま、荒々しいほど自由に口笛を吹きながら進んでいく。ここでいつも涙腺を揺さぶられる。多分この曲はそういう曲じゃない。なのになぜか泣けてくる。勝手に生きざまを感じてしまう。
いつもマイクを固く握りしめて、あまりに繊細な発声を必死に制御しようとするみたいに、慎重に、祈るように歌う金城さんが、ここのパートをどう歌うのだろう。こんな楽しみは他にない。
(「鳴らして」の「な」の音、実はボツテイクだけどあまりに味があったから採用されたのか、それとも自前のアレンジなのか教えてもらわないと成仏できない。Rec.動画を、Rec.動画をください。オタクの浄土が懸かってる)
とにかく、この曲がボーカルとしてのターニングポイントになるんじゃないかと勝手に感じてワクワクが止まらない。
碧海さんの発音
謎すぎる。
舌足らずかそうでないかで言ったら舌足らずの部類だと思う。でも歌詞がハッキリと聞き取れる。むしろ耳にこびりついて離れない。
本当にうまく言えないのだけど、一音一音が舌の上を転がってるみたいな…WDWGでいうと特に「堂々と」の二回目の「ど」、「歩き出そう」の「る」が、ビー玉とかビリヤードの玉を弾いた時みたいにそのまま音がコロコロ転がってくような感覚。
ラ行が特によく分からない。音の頭に常に軽くこぶしが効いている気がする(カラオケの採点で出てくる「↺」みたいなやつ)。ナ行もタ行も謎。早くしかるべき機関で解析されてほしい。
1番Aメロ「Whoa-oh」
MV公開前「この声誰!?」すぎて苦しかった。MVで答え合わせできた時の快感と鳥肌とんでもなかった。こういう何気ない?パートの耳残りがすごいこの人。「碧海くんのここ聴くためだけに来てる」みたいな曲が数えきれないほどある。でも何でそこのパートがそんなに中毒性があるのか、言葉にできない歌声なのがもどかしい。複雑というか緻密すぎる。テクニックと言ってしまえばそれまでだけど、それだけじゃない。多分適切な表現は一生見つからない。
おわり
もっともっとこの曲について書きたい。表題曲としてはあまりにも攻めすぎている。だけどこれが間違いなく最適解。だってこの曲を他グルが歌う姿を一ミリも想像できない。カバーされにくい分広まりにくいかもしれない。それでいい。一番大事なのは特異性だと思う。
金城さんについて書くだけで力尽きたので、また後日、曲全体について書きたい。まだまだ頭がぐるぐるしている。
とりあえず一旦Mステに備えます。この歳まで生きてよかった。こんなに好きになる歌声に出会えてよかった。碧海くんが歌手として生きてる時代に生きていられてよかった。いつも歌声を届けてくれてありがとう。ずっとずっと、思うままに歌っていられますように