見出し画像

意識付けで変わる【観察力】の意味すること

目の前にあるものを見ているようで見ていない


自分の会社やプロダクトのロゴを今すく何も参照せずに描いてみて下さいと言われたらどうでしょうか?

描いたあと、自社のWebサイトにアクセスして見比べてみてください。

おそらくあまり再現出来ていないのではないでしょうか。

日々業務をしている中で何度もロゴに接触しているはずなのに。

僕も弊社の「Carelyちゃん」のロゴを思い出しながら描いてみたのですが、うまく再現できずここには掲載できないレベルでした。。

なぜ見えていないのか


これはある意味当然で、人間の脳は多くのエネルギーを必要とする器官なので普段は物事を認知するためのエネルギーを節約するようにできているからですね。

もともと生きるか死ぬかの過酷な環境で暮らしていた人類がいちいち当たり前のことに立ち止まって熟考していたら死に近づきますからね。

逆に言うと、異常事態ではないまわりのことを深く「観察する」には、対象物に対して意識を向けて脳を動かす必要があるわけです。

脳を動かすとエネルギーを消費して疲れるので、多くの人は注意を向けずスルーしていまいます。

ということは、注意深く何事も観察している人とそうでない人ではその後の思考を通したアウトプットに大きな差がつくということになりますね。

どうやって観察力を高めるか


ビジネスでは課題発見力が大事とよく言われます。

実際、iCARE社では職務等級制度としてジョブグレード(JG)を8段階に定めている中で、JG4に求められるスキルレベルとしてこの課題発見力を掲げています。

課題発見力というとおそらく言葉として頻出度が高いが故に脳が当たり前のことと認識し、注意がなかなか向かわないようにも感じます。

そこでこの課題発見力を「観察力」という言葉に置き換えると少しはハッとするのではないでしょうか。

辞書によれば観察とは次のように解説されています。

①物事の状態や変化を客観的に注意深く見ること。
②《「かんざつ」とも》仏語。智慧によって対象を正しく見極めること

出所:デジタル大辞泉

仏語とあり、深淵な世界になってきますね。

観察ということの本質は何か、観察力を高めるにはどうすればよいのだろうと、改めて先日からいくつか本を読んでみました。

これらの本からのエッセンスを自分なりに整理・凝縮すると、以下の7項目となりました。

1️⃣ 知識や体験を取り入れ続ける

ビンテージものの楽器の価値はその知識がないと認識できないように、知識があってこそ観察からの気づきの奥行きが生まれますね。

2️⃣ ①に基づき、問いと仮説をもって対象を見る

対象物に対してなぜそうなっているのかという問いとその答えとなる仮説をもつ癖をつけると脳が動き出し、視点が定まりやすくなります。

特に人やビジュアル表現を観察する時は、空間だけでなく時間軸のストーリーとして仮説を構築すると思考の奥行きが広がるはずです。

3️⃣ 見る時に様々なバイアスや自分の感情の影響に気を配る

観察時に気をつけないといけないのは、バイアス=思い込み・思考の癖と理性的判断を曇らす怒りなどの感情ですね。

4️⃣ 見る角度(俯瞰、細部へのフォーカス、周縁部、要素間)を変える

下記のようなだまし絵で知られるように、多面的に視点を意識的に変えて観察しないと何かを必ず見落としてしまいます。

5️⃣ 最初の仮説とのズレを見極める

④までくると当初の仮説とのズレを発見できるはずです。それが次の観察にも活かされますね。

6️⃣ 観察結果を言語化して客観視する

人の認識や記憶は非常に危ういものなので、仮説とのズレは言葉にしてはじめて自分の中で整理でき、より客観的で妥当なものとして捉えられるはずです。

7️⃣ 言語化した内容に対しての他者フィードバックを得る

言語化までできたら、それを更に第三者に見せてどう捉えられるのかのフィードバックをもらうと、新たな気づきを得られるはずです。

なお、参照にした書籍は以下の通りです。

『ドラゴン桜』や『宇宙兄弟』の編集者を務めた佐渡島さんの著書。観察をいつの間にか邪魔する様々なメガネ(認知バイアス、身体・感情、時空間のコンテクスト)を「仮説」という意識的なメガネにかけかえることの大切が書かれています。具体的第一歩は見たものをちゃんと言葉にすること。言葉にすることで仮説が生まれます。

ミケランジェロの『ダヴィデ像』やルネ・マグリッドの『貫かれた時間』などのアート作品を題材に、知覚の技法が具体的に解説されています。アート作品を見てわかったことを細部にわたって記述し、殺人事件、失踪事件、盗難事件といった多様な状況を想定して記述した情報の優先順位付けを行う例題が掲載されています。観察と記述を通して情報の見え方や関係性が変化し、足りない情報も見えてくることがわかるよい題材となっています。

人間の眼はデータを受容しているだけで実際には90%は脳がつくったイメージを見ているため、確証バイアスや同調バイアスなどに留意するとともに、①知識を増やす、②他者の知覚を取り入れる、③知覚の根拠を問う、④見る方法を変える、といった手法で知覚を磨く必要があります。

日々「観察する」ことを意識すると変わること


観察することを意識すると、日々目にする情報の見え方が変わり、生活や業務が発見の連続で楽しくなり、更に細部を観察したくなるはずです。

同時に今までの自分がいかに見ていなかったのかを痛感するかもしれません。

観察からの気づきによりアウトプットのクオリティが上がるはずです。

会議などでは参加者を注意深く観察すると、各人の参加意識などが如実にわかるはずです。逆にこれまで自分の参加意識の低さを観察力の高い誰かに見られていたことに気づくかもしれません。

人だけでなく資料のデザインへの観察力を高めて改善すると、相手への伝わり方も変わってくるはずです。

観察力を高めることは、結局以下の弊社クレド&バリューにもつながりますね。

✅ 自分にフタをしていないか?
自分が決めた目標や限界から、もう一歩前に進んでみる。その一歩で得られる挑戦と失敗を、プロとして楽しんでいこう。
✅ クオリティは上がらないか?
質の高い仕事は、感動を生み出す。相手を魅了するほどのクオリティのある仕事を、プロとして追求していこう。
✅ 視座は上がらないか?
1つ上2つ上の立場を想定した仕事は、期待を生み出す。相手の期待値を超えるほどの視座の高い仕事を、プロとして追求していこう。


先日わがデザイン部にて商談録画を皆で視聴、観察し、気づきを共有し合う会を設けたのはこういった背景があります。

今度はマーケティング部でも2班に分かれて同様の取り組みを行う予定です。

セールス部やカスタマーサクセス部と異なり、事業会社のデザイン組織やB2Bマーケティング組織ではWebのアクセスログは頻繁にチェックするものの、個々の顧客に接する機会が限られるので、1次情報にふれる機会を意識的につくっていかないと、上滑りした活動になってしまいますね。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。少しでも気づきがあったら「スキ」や「フォロー」をください!僕もそら丸(うちの猫)も跳んで喜びます!



いいなと思ったら応援しよう!