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リードナーチャリング~6つのベストプラクティスとiCAREでの取り組み

2月からの弊社の2023年度下半期開始に当たり、これまでセールス部とマーケティング部と2つに分かれていた組織がセールス&マーケティング部と一つになり、連携を強化していわゆるカスタマージャーニーを最適化する取り組みを推進しています。

市況的にも広告宣伝費などを抑制し利益率改善が求められる中、これまで獲得した既存リードから商談を生み出して受注につなげていくことに注力する必要性もあります。

こうした中で、これまで仕組み化が遅れていたナーチャリングプロセスを整備すべく、セールス・マーケティング部内に新たにナーチャリンググループという組織が立ち上がりました。

このグループはインサイドセールス(IS)チームとメルマガ・イベントチームという2チームで構成されています。

僕はこのグループを担当することとなって、旧マーケティング部の一部メンバーと、旧セールス部メンバーとともに日々奮闘しています。

本記事では、何かと方法論と実践が日本よりも先行している海外のナーチャリングのベストプラクティスを参考にしつつ、法人向け健康管理システムを開発・提供しているiCAREのナーチャリングにおける取り組みの概要を紹介しようと思います。

―― 書くことで自らの活動の振り返りと整理となり、足りていない点などの気づきにつながるという自分のためと、弊社に興味をもっていただいている未来の社員に向けて。

1. 見込み客の声に耳を傾け、洞察を深める

ナーチャリングのゴールは、見込み客がいつでも戻ってきて、あなたの会社とのやり取りについて前向きに感じてもらうことです。

参考:7 B2B Lead Nurturing Strategies to Increase Your Conversion Rate”/Valve+Meter

見込み客の声に耳を傾ける必要がないと思っている人はあまりいないと思います。(イノベーションを起こすべく、敢えて逆のアプローチをとる企業もあるので「あまり」と記載)

ただ、スタートアップ企業で成長を急ぎ、セールス・マーケティングのKPI目標を細かく設定して活動していると、いつの間にか見込み客の事情(業界、予算取りの時期、企業内の立場、課題など)への考慮が不足し、数字達成に向けたプロダクトの押し売りになってしまいがちです。

実際、弊社でも過去を振り返ると、こうした強引なところが出てしまっていた面がありました。

産業保健、健康管理システムの領域では、人事労務、産業医、産業保健看護職、健康経営推進担当、部長・役員層と、様々な立場の方々が関わってきますので、相手の立場を深く理解したナーチャリング活動が必要になります。

大手の製造業、建設業、運輸業といったフィジカルな健康リスクが高い業界と、新興の情報通信業、エンターテインメント業界などでは課題認識や産業保健体制も大きく違います。

そこでナーチャリンググループのISチームでは、顧客理解を深め、一貫性を担保すべく2月から業界別に担当を分けました。

業界特有事情への知識と理解を深めつつ、日々見込み客からヒアリングした内容をもとに洞察力を高めています。

また業界に依存しないナレッジはメンバー間で共有し、次の活動に活かすプロセスを回しているところです。

2.リード企業をスコアリングなどに基づき分類する

各リード企業はそれぞれに応じたナーチャリングレベルが必要です。カテゴライズしたリード企業にスコアを付与することで、ナーチャリング戦略がより効果的になるでしょう。

参考:7 B2B Lead Nurturing Strategies to Increase Your Conversion Rate”/Valve+Meter

見込み客は従業員数規模に伴う課題感などで一律ではないので、コストと運用可能性を考慮してセグメンテーションしていくことはマーケティングの基本ですよね。

これまで弊社でも当然見込み客をセグメンテーションしてそれぞれに合わせてアプローチを変えていました。

今回の新組織であるナーチャリンググループでは、フォーカスすべき企業をより客観的に捉えられるよう、セグメンテーションの考え方を以下のように変更しました。

  • ナーチャリンググループが対象とする見込み客は大企業のみ(中小企業は別チームが担当)

  • 捉える視点をリード(人)単位からリード企業単位中心に

  • ISチームの担当分けをロイヤリティ区分から業界区分に

  • 見込み客のロイヤリティ度合いを区分する上で、架電ヒアリングという属人性が強くゆらぎの大きい基準から、見込み顧客の行動ログベース(セッション数やメルマガ反応)へ変更しラベリング

  • ISチームメンバーは上記行動ログベースのロイヤリティ区分に応じて担当業界企業の優先度を判断

まだまだ課題はあるものの、見込み顧客企業への解像度が高まり、寄り添ったアプローチができるようになってきていると感じています。

3.セグメントごとの課題解決につながる情報・コンテンツを開発・提供する

人により反応するコンテンツ種別は異なるので、ブログ、インフォグラフィック、動画、ホワイトペーパー、ウェビナー、ポッドキャストなど多様な形態を活用すべきです。

参考:7 Timely Lead Nurturing Best Practices You Need to Master in Today’s B2B Environment
/Seroka & Associates, Inc.

隙間時間に情報収集したい方にとって、視聴できる期間が限られるライブ配信セミナーよりホワイトペーパーのような読み物資料の方が役立ちます。

一方、プロダクト提供企業のスタンスを見極めたい人にとっては、ホワイトペーパーより質疑応答のあるライブ配信セミナーの方が価値が高いと思われます。

多重知能理論で言われるように人の脳には認知特性があるので、テキスト中心のオウンドメディア記事より、グラフィック表現に富むホワイトペーパーや耳から把握できる動画コンテンツの方が理解しやすい人もいらっしゃいます。

ホワイトペーパーを作成するのもセミナーを開催するのも手間という点では大きくは違わないので、できるだけ多様な多くの方にコンテンツを届けたいのであれば、コンテンツ形態はバリエーションを増やした方がよいですね。

また、健康管理領域でも企業によって課題とする内容(健康情報の一元化、健診業務の効率化、健康経営の推進、メンタルヘルス対策など)、業界特有事情(不規則な勤務形態、産業保健看護職の人数、拠点の多さなど)、組織内役割に応じた視点などは異なります。

こうした事情をふまえ、現在メルマガ購読者向けに、下記の切り口でお役立ちコンテンツを拡充していくべく、鋭意取り組んでいます。

✅ コンテンツ形態別

  • 読み物記事

  • ホワイトペーパー

  • セミナー

  • デモ動画

✅ 企業課題別

✅ 業界別

✅ 企業内役割別

4.顧客視点でマーケチームとセールスチームの連携を強化する

マーケティング担当者はセールスコールに参加して、その知識を直接取得する必要があります。

参考:7 Timely Lead Nurturing Best Practices You Need to Master in Today’s B2B Environment
/Seroka & Associates, Inc.

どううまくチーム間連携をはかるかは、一定規模の企業では必ず発生する永遠の課題ともいえます。

  • 目標の一部を両部共通のものとする

  • セールス部スからマーケティング部にリードの質や受注・失注情報をフィードバックする

  • マーケティング部からセールス部にリードコンバージョン情報を提供する

  • 市場や競合情報を両部で共有する

これまでも上記のような施策にてマーケティング部とセールス部の連携をはかってきましたが、ナーチャリンググループとして旧マーケティング部メンバーと旧セールス部メンバーが一つになったことで連携がよりスムーズになっていると思います。

メルマガ・イベントチームはメール配信するコンテンツやセミナーの内容や、反応者リストをタイムリーにISチームに共有しています。

amptalk(アンプトーク)を導入して架電やオンライン商談を記録しているので、メルマガ・イベントチームもいつでもHubspot上からその内容を確認することができます。

ISチームは上記コンテンツの内容をフックに架電し、反応のよかったコンテンツをメルマガ・イベントチームにフィードバックすることで好循環が起こります。

5.強引にならないように留意し、自社のケイパビリティを伝える

最初のメールで自分が何者で何ができるのかを伝える必要があります。ただしいきなり自社プロダクトのビジネス効果を並べ立てることは避けてください。
見込み客が必要な情報を手に入れるために自分たちは共に在るという姿勢を見せてください。親切さと忍耐強さが必要です。

参考:8 Lead Nurturing Best Practices to Boost Your Sales”/ProProfs
7 B2B Lead Nurturing Strategies to Increase Your Conversion Rate”/Valve+Meter

初めてホワイトペーパーをダウンロードしたり、セミナーに参加したりしたばかりの見込み客は、情報を探している段階であり、そうしたコンテンツの提供社のことやそのケイパビリティを詳しく把握できていないケースがほとんどです。

よって、メールや架電する時に、自社が何者で何ができるのかを端的に伝えていく必要があります。

また、買う側と売る側では利害関係が一致していないので、売る側は特に買い手の状況を想像することが必要です。

特に大企業向けB2Bビジネスにおいては関係する部署や人が多岐に渡り、衝動買いすることはなく、情報収集、比較検討、予算化、稟議、決裁というプロセスを経ることになります。

必要なのは、はやる気持ちを抑えて見込み客と定期的にコンタクトをとり、欲している情報を提供しつつ自社のことをよく知ってもらい信頼関係を醸成すること。その結果として、見込み顧客の予算化の準備ができた段階で自社プロダクトが比較検討の土俵にのるようにすることが極めて大事になるわけです。

6.やり方、指標を見直し続ける

効果が薄れつつある従来のやり方に固執しないよう留意してください。定期的に見直し期間を設けることが効果的です。

参考:7 B2B Lead Nurturing Strategies to Increase Your Conversion Rate”/Vlve+Meter

世の中全体とともに多様な見込み客はすべて目まぐるしく変化していく存在です。

それを自社の戦略に合わせて一定の型として捉えられるよう、セールス・マーケティングプロセスを設計し、対応するようにKPIを設定したとしても、すべてのメカニズムは永続しないですね。

普遍的に変わらない部分と、細かく見直していく部分を見極めること、そのために各種データを収集し検証し続けること。

これらが大事なんでしょうね。

最後に。

現在ISチームではパーパス実現に向けて架電と個別メールを通したナーチャリング業務を担っていただける方を募集しています。

カジュアル面談からでも歓迎です。是非下記リンク先よりエントリーください!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。少しでも気づきがあったら「スキ」や「フォロー」をください!僕もそら丸(うちの猫)も跳んで喜びます!

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