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【2023年4月】北極圏の町・ロングイェールビーン滞在記
2023年4月6日〜9日にスヴァールバル諸島・ロングイェールビーンを訪れた。北極圏の世界最北端の人口1000人以上の町には、厳しい自然環境の中でも、たくましく生きる人々の暮らしがあった。今回は、そこでの滞在を通して学んだこと、感じたことなどを残しておきたい、今後訪れる人にとって有益な情報源となればと思い、ここに書くことにした。
スヴァールバル諸島とは?
概要
唯一の有人島であるスピッツベルゲン島、バレンツ島、エドゲ島、ノールアウストランネ島で構成されている。スピッツベルゲン島には、中心都市であるロングイェールビーン、世界最北の定住地であるニーオレスン、ロシア人が暮らすバレンツブルクといった都市があり、人口およそ2500人(2022年時点)が暮らしている。しかし、この地で永住する人はそれほど多くなく、世界各地から人々がやってきて頻繁に入れ替わっているらしい。スヴァールバル条約に加盟している国の国民は有効なパスポートさえあれば、ビザなしで永住できるという少し変わったところでもある。日本も加入しているので、それができる。
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気候
ツンドラ気候に属しており、1日の平均気温は夏は5℃、冬はマイナス12℃ほどになる。これでも島の西側を流れる暖流の影響で緯度の割には暖かい方だそう。高緯度に属しているため、4月下旬から8月下旬までは白夜、10月下旬から2月中旬は極夜の時期がそれぞれ続く。
歴史
ヨーロッパ各国がアジアへの航路を開拓しようとした大航海時代の1596年にオランダ人探検家によって初めて発見された。17世紀になると、鯨油を求めて捕鯨のためにヨーロッパ各国が訪れるようになった。そして、20世紀になると炭鉱時代が訪れる。1901年にアメリカ人実業家・ロングイヤーがこの地へやってきて炭鉱を創業したが、経営がうまくいかず、1916年に炭鉱はノルウェー企業へと売却され、1925年にスヴァールバル条約が成立したことで、ノルウェーの領有権が確立された。当初、鉱夫としてこの地にやってきたのは家族を本土に残してきたノルウェーからの男性であり、劣悪な環境下で暮らし、労働に従事していた。インフラの整備も企業が担っており、民主的な自治体は成立していなかった。しかし、第二次世界大戦後から女性や家族と共にこの地へやってくる労働者も増加するとともに、民主化の必要性が増し、1971年に地域審議会が設立され、2002年には議会を伴う地域行政府が成立し、現在に至る。ノルウェー領ではあるものの、この地域行政府がこの地を統治している。現在では、ノルウェー本土と同じような普通の町になっている。
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アクセス
毎日オスロかトロムソへの飛行機がノルウェーエアシャトルとSASによって運航されている。そのため、意外とアクセスしやすい。
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行こうと思ったきっかけ
4月上旬のイースター休みの旅行先を検討する際に、ぼんやりとGoogleマップを眺めていると、たまたま目に留まったのがきっかけだった。今後絶対に行かないであろう辺境な地を訪れてみたいと思い、グリーンランドと比較したが、世界最北端という文言に興味を持ち、訪れることに決めた。
行く前に
訪問する前には気を付けておいた方がいいことがいくつかある。
ホテルと航空券を確実に確保すること
小さな町のため、ホテルの数や航空便の本数も限られているので、まずはホテルと航空券を一番最初に早めに確保する必要がある。ホテルも1泊1万円以下で泊まれるところはほぼなく、2万円以上が相場であるような印象を受けた。特に夏場は、多くの観光客がやってくるため、すぐに満室になる可能性が高いので、早めの予約が必要そう。
航空券も本数に限りがあるため、日によるがノルウェー本土との往復で少なくとも3万円はかかるとみておいたほうが良い。日によって運行ダイヤが異なるため、まずは飛行機を抑えた上で、観光プランを立てるのがおすすめ。飛行機の予約には、ノルウェーエアシャトル、SASの公式サイトから予約するか、下記サイトがおすすめ。ノルウェーエアシャトルの方が若干安いが、スターアライアンスのマイルを貯めたい方はぜひSASで。
参考:https://www.skyscanner.jp/
アクティビティを予約する
スノーモービル、犬ぞり、雪山ハイキング、炭鉱ツアー、ホエールウォッチング、氷河クルーズ、氷河の洞窟ツアー、オーロラ鑑賞、町の観光ツアーなどが各社によって開催されている。町の中心部の博物館や教会を訪れることも可能であるが、半日あれば十分に回れる規模であるので、何らかのツアーに参加すると、より楽しめると思う。季節によってアクティビティは異なるので、注意が必要。太陽が昇らない冬の時期(10-2月ごろ)は、オーロラ鑑賞、氷河の洞窟、ハイキングなどを楽しめ、太陽の昇る冬の時期(3月から5月ごろ)にはスノーモービル、犬ぞりなども楽しめ、夏の時期には氷河クルーズ、海でのアクティビティを楽しめるそう。
アクティビティの予約は、下記サイトから事前にネットで予約ができるほか、現地の観光案内所やホテルに設置されたPCからも予約が可能である。ただし、最低催行人数に達しない場合は、ツアーが中止になり、返金されることもある。日付や希望する価格帯を設定して調べることができるので、便利だった。
ロングイェールビーンでは、町の中心部を離れる際には、ホッキョクグマと遭遇した時に備えて銃を携帯する必要がある。そのため、ガイドを伴うツアーに参加するのが無難である。ちなみに、世界種子貯蔵庫を訪れるにもガイド付きのツアーに参加するのがいい。
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日程にはゆとりを持って
後述するが、悪天候の影響で帰りのフライトがかなり遅延した。特に冬場に訪問する際には、そもそも欠航になって上陸できなかったり、帰りが遅れたりする可能性を考慮しておく必要がある。その際には、おそらく航空会社が対応してくれるとは思うが、高額な追加費用が発生する可能性があるので、保険などを確認しておいた方が安全だろう。
実際に町を巡ってみた
1日目:オスロ→ロングイェールビーン
前日から寝袋で空港泊をして、8時10分オスロ発のノルウェーエアシャトル390便でロングイェールビーンへ。搭乗率はざっとみた感じ7割から8割ほどだったように思う。およそ3時間のフライトでロングイェールビーンに到着。ボーディングブリッジはなく、タラップを降りて歩いてターミナルへと入る。ターミナルは簡素な作りで、出入国審査はなく、荷物を受け取るコンベア、荷物預け入れカウンター、保安検査場、セルフチェックイン機が数台置いてあるだけであった。
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中心部へのアクセスには飛行機の出発と到着に合わせてシャトルバスが運行されている。到着後のバスは、飛行機が到着してしばらくしてから出発する。運賃は一律で片道NOK100(約1300円)で、全乗客が乗車後に運転手が席を回って支払う。現金またはカードで支払いが可能だった。空港を出発後、バスは各ホテルの前に停車するので、自分の泊まるホテルの前で降りれば良い。飛行機の出発に合わせたバスは、日によって時刻表が設定されており、町の各ホテル前を経由して空港へ向かう。時刻表は各ホテルや観光案内所で確認できるが、飛行機出発時刻のおよそ2時間前に中心部を出発するスケジュールが組まれていた。なお、出発時刻は1番最初のバス停を出発する時刻のため、最後の方のバス停では時刻表記載の時刻の約30分後くらいにバスがやってくる。
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1日目:博物館巡り
初日は、シャトルバスでホテルへ向かった。今回宿泊したのは、Gjesthuset102という中心部から2kmほど離れたところにあるホテル。ここがおそらくロングイェールビーン最安のホテルで、男女共用4人部屋ドミトリーの朝食付きで1泊約6000円だった。
ホテルを出発後は、見渡す限りの雪景色に心躍りながら歩いて中心部へ。ショッピングセンターにはいくつかのスポーツ用品店やお土産屋が入っていた。世界最北端の美容院で散髪しようと思っていたが、イースターで休みだった。ざっとみた感じ、ロングイェールビーンのたいていの店はキャッシュレス決済に対応しており、むしろ現金不可の店もあるくらいだった。そのため、基本的にクレジットカードでの支払いで済ませればいいと思う。ショッピングセンターの前には鉱夫の像があった。
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ショッピングセンターの次は、スヴァールバル博物館。大学の研究施設に併設されている博物館で、スヴァールバルの歴史や地理、動物について紹介している。アザラシやホッキョクグマの剥製も展示されていて、スヴァールバルがどういうところか学ぶことができる。
もう一つ、北極探検博物館がある。ここには北極を探検した人の記録や写真が展示されている。飛行船でヨーロッパからアメリカ大陸へ北極点を通過して飛行した記録を中心に展示されている。
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【スヴァールバル博物館】
*入場料は大人 NOK150、学生NOK100
【北極探検博物館】
*チケットは購入日を含めて3日間有効で、大人 NOK100
2日目:氷河の洞窟探検
2日目は氷河の洞窟へのハイキングツアーに参加。スノーシュー、ゴーグル、ヘルメット、ヘッドランプなどの装備をレンタル(ツアー費用に含まれていて別途費用がかかることはなかった)し、いざ雪山へ。気温はおよそマイナス7℃で、向かい風の猛吹雪でほぼ前が見えない中を歩くこと約1時間で洞窟に到着。洞窟というと、目の前に大きな入り口があるのかと思いきや、なんと入口は地面の下へと続いていた。入口の蓋を開けて、いざ中へ滑り降りる。中の方がマイナス5〜3℃ほどと外よりは暖かい空間だった。洞窟を奥へ奥へと進むと、巨大な氷柱や氷の塊が徐々に出現。ところどころ地面を這いつくばりながら進んでいくと、見事な氷河が出現した。地層のようにきれいな縞模様になっており、その美しさに感動した。風が吹き荒れているために、氷河の中に気泡が入って白くなっていたり、夏場に風で巻き上げられた砂や石が一緒に凍っていたりと、氷の中に歴史が詰まっていた。
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驚くべきは、化石を発見したことである。いつの時代のものかはわからないが、くっきりと石に植物の形が残っていて、歴史を感じた。
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これまでに地層を見て、歴史を感じることはあったが、氷を見て歴史を感じることはほぼなかったため、とても新鮮な経験だった。そうして洞窟を出ると、ずいぶん天候が回復しており、追い風に押されながら、雪山の白と黒だけの景色を多少は楽しみながら下山できた。
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夜ごはんには世界最北端の寿司屋さんのNuga Sushiで寿司をテイクアウト。The Vault Hotelの中に入っているので、いったんそのホテルの中に入る必要がある。注文したのは、握りがサーモン、炙りサーモン、まぐろで、巻物がうなぎ。わさびもガリもついてきて、久しぶりの寿司で感動しながらいただいた。もちろん、どの寿司もしっかりとおいしくて、あっという間に完食してしまった。
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3日目:ロングイェールビーン近郊ツアー
この日は、もともと世界種子貯蔵庫までのハイキングに参加するつもりだったが、参加人数が少なくてキャンセルになってしまったので、急遽ロングイェールビーンの近郊を巡るガイドツアーに参加した。
まず最初に訪れたのは、Husetという建物。ここはもともと炭鉱で栄えた頃に拠点となっていた建物で、当時はキオスク、カフェなどが入った施設として営業されており、現在はレストランとして営業されている。
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次に訪れたのが炭鉱時代に使われていた施設。第1炭鉱、第2炭鉱、第4炭鉱から掘り出された石炭を輸送してきたのを、集約して港へと送り出す施設だったのだそう。そのため、3つの飛び出した先を見ると、当時石炭を輸送するために使われていたケーブルの支柱が並んでいる。
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次は待ちに待ったスヴァールバル世界種子貯蔵庫へ。ここがおそらく世界で一番名前が知られたスヴァールバルの観光地(?)な気がする。今ある穀物などが気候変動などで消滅してしまった際に、ここから種子を持ち出せば再び栽培できるという目的で建設され、現在では100万種を超える世界中の穀物などの種子が保管されている。内部に入ることはできず、入口の見学のみ可能。内部はマイナス18℃ほどで保たれており、3つの大きな部屋に分かれているのだそう。
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最後にハスキーと触れ合った。シベリアンハスキーなどの寒さに強い犬が犬ぞりなどで活躍しているのだそう。元気にわんわん吠えたり、「い〜ぬは喜び庭駆け回り〜」といった感じだったりで可愛らしかった。
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3・4日目:復路のフライトが大変なことに
3日目の20時10分発の飛行機でオスロへ帰るために待合室で飛行機を待っていると、「こちらに向かっている機内で急病人が発生したため目的地変更を行い、乗る予定だった便が欠航になった」という旨のアナウンス。これまでに遅延は経験したことがあったが、よりにもよって初めての欠航を北極で経験することになった。指示通りにカウンターで手続きをして、この日は航空会社が手配したホテルで宿泊することになり、不意な形で北極滞在が1日伸びた。2日間ドミトリーに宿泊していたため、いきなり1人部屋を用意されただけでも十分に贅沢なのに、エクスペディアで値段を調べると1泊4万円ほどで、夕食と朝食付き、バスタブ付きの部屋を用意されており、さすがに申し訳なくなってきた。しかも全部航空会社持ちなので自己負担ゼロ。おそらくは、航空会社も保険に入っているだろうから、保険会社が全部持ってくれたのではないかと推測。
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不意に訪れた4日目の12時55分発の便が振替便として手配され、それに乗ってトロムソ経由でオスロまで向かうことになっていた。今度は順調に搭乗まで済んだものの、吹雪の影響で滑走路のコンディションが悪く、出発できず、結局出発したのは天候が回復した17時45分ごろだった。トロムソ経由ではなく、オスロ直行となり、無事に20時半ごろにオスロに到着した。正直、出発を待っている間、天候は良くなるどころかひどくなる一方で、視界も悪く、後続のSASの便が着陸を諦めて引き返して行ったことから、正直もう1泊追加になることも覚悟していた。もしそうなった場合には、航空会社がどこまで対応してくれるのか不明だったので、保険が適用されるのかを全力で調べていた。それでも、安全に運航してくれた関係者の方々には本当に頭が上がらない。正直にいうと、この帰りのフライトが一番北極の厳しさを教えてくれたように思う。ロングイェールビーンに病院があるとはいえ、設備は本土の方が整っている可能性が高いし、何よりも保険が適用されず、治療費は全て患者が支払わなければならないことになっていることもあり、急病人が発生しても本土へ引き返す方がいいという選択を取ったのかもしれない。もちろん、距離的にトロムソの方が近かった可能性もあるが。積雪と凍結した滑走路と視界不良はいうまでもなく、厳しい自然環境を教えてくれたような気がする。また、もしフライトが欠航になり、島内のホテルが満室の場合、どうやって乗客の滞在場所を確保するのかもすごく気になった。もし、空室が十分になければ、空港で一夜を明かすことになっていたのだろうか。。。
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炭鉱関連
現在の主要産業は観光業であるが、かつては炭鉱で栄えていた。そのため、町のいたるところで炭鉱関連の遺構を見ることができる。
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実は一番最初に開拓されたのは、現在の中心地の海(アドベントフィヨルド)を挟んで対岸のエリアだったのだそう。その後、現在の中心部にあたる方に石炭の採れそうな場所を見つけたことで、開拓が進んだ。
まずは、海側から見て右側にあたる炭鉱1が開拓された。現在でも山に沿ってケーブルの支柱跡が残っている。
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続いて、海側から見て左側にあたる炭鉱2が開拓された。こちらは規模が大きいために複数の入口を掘ろうとしたが、失敗してしまったそう。
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炭鉱3は初めて町の外に開拓された炭鉱で、現在の空港の近くにあり、空港からもその姿を見ることができる。ここが唯一炭鉱の見学ができるところだそう。
炭鉱4は町の東側に位置していた。特にそのほかの情報は覚えていない。。。
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炭鉱x(たしか5か6だったような気がするが、忘れてしまった)は町の外れに位置していた。ところが、両側を氷河に挟まれていたため、溶けた氷河や拡大する氷河の影響を受けて、地盤が安定せず、すぐに廃坑になってしまったらしい。
炭鉱7は現在唯一稼働中の現役の炭鉱である。ケーブルは稼働していないため、産出された石炭はダンプカーによって運ばれて、火力発電所で燃料として使用されている。
町中のいろいろ
水道のパイプが町中に張り巡らされている。水が凍らないようにどんな対策がされているのかは気になる。。。
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町に6箇所あるというFyrhus。火力発電所で発生する熱を利用して、暖房に役立っているのだとか。水道が凍らないように水が通過もしているそう。
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観光案内所。困ればここに行って相談すればなんとかなりそう。中心部にあるのでアクセスは簡単。
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唯一の公立病院。欧州健康保険カードが適用されず、治療費は患者が全額負担しないといけないらしく、高額な医療負担を求められる可能性が高い。
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文化会館。映画館、多目的ホールなどを備えた建物。
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火力発電所。ここで町の電力と暖房の熱を生み出している。燃料は産出される石炭。
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教会。もちろん世界最北端。中は誰でも入ることができ、公民館のようなアットホームな雰囲気が漂っていた。
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自動車販売店。ここでもトヨタが大活躍。町中でも多くのトヨタ車を見かけて、おそらくロングイェールビーンで一番人気のある自動車メーカーだと思う。どこか誇らしい気分だった。
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スノーモービル。冬場は雪で道が閉ざされてしまうため、移動にはこれを使うのだそう。雪の上であれば、地元の方はいたるところを走っていたイメージ。国際免許証があれば運転できるので、スノーモービルのツアーに参加してみるのもあり。
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散歩していて偶然見かけたスピッツベルゲントナカイ。このほかにもホッキョクグマ、アザラシ、セイウチ、クジラなど様々な野生動物に会えるチャンスがある。
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感想
思いがけず4日間滞在することになったが、非常に素晴らしい時間を過ごすことができ、町への愛着がものすごくわいたというのが正直な感想。どの景色を切り取っても今までに見たことのない美しく壮大なものばかりで感動的だった。厳しい自然環境や美しい景色を見せてくれた地球のありのままの姿や、そこで暮らしを営む人類の偉大さを垣間見ることができた。
うまく言葉にはできないけれど、極地には人を惹きつける何かがあるなと滞在中ずっと感じていた。その正体は一体何なのか帰ってきてから少し考えてみた。現時点ではその正体は「自分のものさしをはるかに超えて、大きなアップデートをもたらしてくれること」だと考えている。人は誰もが「これが自分にとっての当たり前だ」という価値観=ものさしを持っていると考えている。ものさしは、日常の暮らしでの経験に加えて、非日常の環境下で自分の日常を比較し、客観視することで日々アップデートされる。そして、ものさしをアップデートさせるためにもってこいなのが旅。日常を抜け出して、非日常な環境の中で五感をフルに活用して新たな刺激を受け、自分の世界を広げることこそが旅の醍醐味だと僕は考えている。スウェーデンに来て8ヶ月が経過し、ここでの暮らしもいつの間にか非日常から日常に変わった。日本とスウェーデンでの2か所での日常を通して築いてきたものさしを、いい意味で全く機能させず、大きなアップデートをもたらしてくれたのがロングイェールビーンでの滞在だった。はっきり言って、この留学中に旅行した他のヨーロッパ都市では感じなかった刺激を受けた。言うなれば、極地は「究極の非日常」だと思う。それだけの大きな刺激を与えてくれたロングイェールビーンにはぜひまた訪れてみたいと思っている。特に夏の雪が溶けた季節や、真っ暗な昼間にオーロラが見える冬場などに行ってみたい。