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どうして南カリフォルニアで「空っぽの本屋」を作ろうと思ったのか

まず場所をつくろうと思った。人が集まれる場所を。

僕は今年で45歳になる。
10年ほど前から、仕事の都合もあって南カリフォルニアに住んでいるが、関西育ちの日本人だ。

僕はこの20年間程ずっと「自分の本屋さんを作りたい」と思いを募らせていた。
それでも行動に起こすことはなかった。

「自分の本屋さんを作りたい」理由はと言えば、
本に囲まれた空間で一日過ごしたい、
というカンタンな願望だ。

行動を起こせなかった理由もカンタン。
「本だけで食っていけるか」
つまりマネタイズを思うと足がすくんだから。

本が好きな人たちも、
レコードが好きな人たちも、
雑貨が好きな人たちも、

また、
何かをどうしても集めてしまう癖がある人や、
お気に入りのものに囲まれて生きていたいと思う人たち、

彼らの中で自分の店を持ちたいと思う人は、
きっと少なくないんじゃなかろうか。

同じ理由で行動には移せない人も沢山いるだろう。

このマガジン『カリフォルニアで本屋を作る』では、
南カリフォルニアで立ち上げるの僕の本屋さん「Empty Shelf」のことを記していく。

2023年11月現在、
Empty Shelfの場所を確保するために何件かリースできる場所を交渉していて、まだ住所があるわけではない。
ホームページもまだない。
会社の登記だけは済ました。

これは成功の記録なのか、失敗の記録なのか、
それは今のところ誰にもわからない。

今後世界に本や本棚のある空間が増えるために、またその様な妄想に似た夢想に囚われている人にとって、少しでも足しになればと願うばかりだ。

名前はEmpty Shelf。場所はまだない。本棚もまだない。
スクラブル Scrabble(アルファベットの駒を並べ競うゲーム)だけ購入した。


僕が、本屋を実際に作る、という行動を起こそうと思ったのには3つのキッカケがあった。

① スコシフというブックユニットを友人と作ったこと。

② そのスコシフ名義で「シェア型」の古書店である「猫の本棚」(神保町)で一つの小さな棚をお借りして、小さな本屋さんをはじめてみたこと

③ カリフォルニアで結婚をして、パートナーが一緒にやろうと僕の背中をおしてくれたこと

このブログではそのような過去の経緯、これからの計画、そして実際にお店が完成していくプロセスを記していこうと思う。

子供たちは夢中になってイメージを組み立てたり、解体したりする。いくつもの組み合わせが可能

ブルーノ・ムナーリ『ファンタジア』萱野 有美 訳



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