【毎日三題噺】相棒 小学校 戦時中

キャラバンハート

まだ小学校に通っていた頃、学校から帰ったら家の門扉に黄色いテープが貼られていて、玄関までの短い道に点々と血が落ちていたことがある。俺はびっくりして立ち尽くしていたんだが、後ろから警察官に声を掛けられて、パトカーで警察署まで連れていかれた。警察署に着くと、今度は母方のじいちゃんがやってきて、俺を隣の県にあるじいちゃんの家に連れて行った。
車内でじいちゃんから聞いたのは、母親が滑って転んで頭を打って、病院に連れていかれたということだった。俺は後部座席で横になった。母親が死んでしまうのではないかと不安だった。それと、遊ぶ約束をしていた栗川くんが、待ちぼうけで困っているんじゃないかと思った。栗川くんにはドラクエのゲームを借りっぱなしだった。不安になったり、悪いなと思ったりで俺は静かに泣いた。泣いているうちに気がついたら寝てしまい、じいちゃんは俺をおぶって家の中まで運んでくれたそうだ。当初は母親が病院から帰ってくるまでじいちゃんの家で過ごすんだと言われていたけど、母親が元気で帰ってきても、俺はなぜかそのままじいちゃんの家で過ごすことになった。元の家に帰りたいと言ったけど、どうしても帰らせてもらえなかった。そのうち名字が変わった。けど察しの悪い俺は、中学生くらいまで、あの日父が母を殴ったのだとは気がつかなかった。
もちろん栗川くんとの約束は守れなかった。俺のゲーム棚の一番上には、GBAのカセットがひとつだけ置かれている。ドラゴンクエストモンスターズキャラバンハート。GBA本体はとっくに捨ててしまっていたけれど、借り物だから、捨てるわけにはいかなかった。

プロット

・再会する。名前でわかる。とっさに話しかけそうになるが、相手が怒ってる今怒ってる風だったのと、昔悪いことしたから気まずくって話しかけない。
・一緒に仕事することになる。サークルの演劇とかでも良いな。それの成功のために動く。
・それとなく、昔のことを聞いてみる。覚えているか、怒っているか。
・相手は覚えてない、とのことで、がっかりする。
・けど昔の楽しかったことを一緒にやってなんかこんなことあったなとなったり。ちょっとだけ仲良くなる。
・演劇の終わったタイミングか、課題を超える直前か、どっかで話す。で、見事に嫌われる。

シーン

・実家で昔あんなこいたわねと母親から言われる。そんなこいたね、と返す。噂できくとか。
・過去話の回。昔自分ちが戦時下に入り、母方の祖母宅へ避難した。そのまま転校になった。旧実家付近へは近寄らず。行きたいって言っても行かせてもらえず。DVがひどいから。
・何か大切な約束をしてて、けど破っちゃう。家帰ったら母親が血流してて、そのまま警察、おばあちゃんが引き取りにくる。転校。
・自分も相手も演劇やるなら、なんで演劇やってるのか、そういう下地になるようなものも欲しいね。

あとは過去話の設定だなあ。キャラバンハートのキャラ名が自分と相手と、ってのありそう。

作成時に考えたこと

②小学校で仲良し、自分が疎開して戦後就職で上京。そこでまた会う。嫌な奴になってるけど相棒のはず。相手は気づいてない(自分の名前が変わってる)。あと疎開するときに気まずい思いをした。言いにくい。
実家が戦争状態になっちゃって疎開するみたいに母親の実家に行った、とかでもいいな。

まあ、今回は割と気に入ってるかも。いつかこれで書いてもいい。もうちょっと設定を細かくして、メインストーリーもちゃんと考えて。けどこういう話、ありがちだけど好きだな。

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