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【三神カイリュー】先攻後攻をひっくり返すレシピとプレイング

本記事では、Expandedレギュレーションの「三神カイリュー」デッキの構築とプレイングについて、先攻時の逆転方法に焦点を当てて書きます。

※ 本記事の内容は2021年11月6日現在のPTCGOのExpandedレギュレーションに基づいています。「フュージョンアーツ」など一部のカードが反映されていませんが、日本のエクストラレギュレーションと比べて環境やデッキ構築に大きな差はないと思われます。

環境の概説

8月27日の「Evolving Skies」リリースを気に、強力なポケモンVを主軸としたデッキが台頭し、環境の上位に君臨しています。

その筆頭がカイリューVウルガモスVです。

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※ 画像はポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイトのカード検索結果を使用しています。 https://www.pokemon-card.com/card-search/

Limitlessのトーナメントデッキ使用率を見ると、2021年11月6日現在、カイリューVアルセウス&ディアルガ&パルキアGXを主軸とした「三神カイリュー」が1位、ウルガモスVをメインアタッカーとした「ウルガモスV」が2位となっており、トップメタの立ち位置にいることが分かります。

Limitlessのトーナメントデッキ使用率
https://play.limitlesstcg.com/decks?format=expanded

これらのデッキはメインアタッカーの火力が高く、相手のポケモンV・GXを簡単に一撃で倒すことができるため、順調にいけば後攻3ターン目にサイドを取りきることができる速さが強みと言えます。

このようにかつてないほど高速化した環境では、先攻後攻が勝敗に直結します。特に、速攻系のデッキに対して先攻を取ってしまった場合は、試合開始前から大きく不利に傾き、何もしなければそのまま押し切られてしまいます。

現在の環境は、【先攻を取ってしまった場合、どうやって逆転するか】が勝負のカギを握っていると言えます。

三神カイリューの概要

本題に入る前に、「三神カイリュー」デッキの概要について触れておきます。

このデッキは、高火力のワザ「ドラゴンゲイル」が持ち味のカイリューVを主軸に序盤からサイドを取っていく速攻系のデッキです。2-2-2または「オルタージェネシスGX」+3+3のサイドプランで、多くのデッキ相手に後攻3ターン目にサイドを取りきることができます。

カイリューVの「ドラゴンゲイル」で押し切る他にも、「ひきさく」による対策ポケモンの突破、アルセウス&ディアルガ&パルキアGXの「オルタージェネシスGX」によるサイド追加、クワガノンVの「パラライズボルト」によるグッズロックとワザの選択肢が複数あり、器用な動きができます。こうした点はガブギラに近いと言えます。

ガブギラと異なる点として、相手のポケモンにダメカンを乗せるギミックがいらないのでデッキの枠に比較的余裕があり、環境に合わせて様々なカードを採用できる余地があることが挙げられます。

このように、「三神カイリュー」は火力・速度・柔軟性のいずれにおいても隙がなく、2021年11月6日現在のExpandedレギュレーションでは環境を定義するデッキタイプであると言えます。

デッキレシピ

現在の環境をふまえて、先攻時の不利を克服することができる「三神カイリュー」のデッキレシピが以下になります。

【デッキコード】xxx8x8-7h9kc9-G8aa8c

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※ ポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイトのデッキ構築機能を用いました。 https://www.pokemon-card.com/deck/index.html

※ 本記事の末尾にPTCGOで利用できるデッキコードを載せています。

ポケモン(12枚)
2:クロバットV
2:アルセウス&ディアルガ&パルキアGX
2:カイリューV
2:デデンネGX
1:メリープ(SM8)
1:カプ・コケコ プリズムスター
1:クワガノンV
1:カプ・テテフGX

トレーナー(36枚)
2:アララギ博士
2:グズマ&ハラ
1:マオ&スイレン
1:グズマ
1: N
4:クイックボール
4:ピーピーマックス
4:タッグコール
3:トレーナーズポスト
3:バトルサーチャー
1:パソコン通信
1:やまびこホーン
1:フィールドブロアー
1:グレートキャッチャー
3:かるいし
2:こだわりハチマキ
2:嵐の山脈

エネルギー(12枚)
8:基本雷エネルギー
4:ダブルドラゴンエネルギー

このレシピの主な特徴としては、以下の5点が挙げられます。

メリープ (SM8)の採用
・3枚目のかるいしの採用
・2枚目のクロバットVの採用
こだわりハチマキの採用
やまびこホーンの採用

中でも、メリープ (SM8)を採用したレシピはLimitlessNoteの記事では確認できず、特徴だと思います。

これらのカードの採用理由については後述します。

基本的な動かし方

タッグコールクイックボールから展開し、アルセウス&ディアルガ&パルキアGXのオルタージェネシスGXを使ってから、カイリューVで速攻でサイドを取っていきます。

非EX・GX・Vポケモンがメインのデッキ(マッドパーティなど)、一部のロックデッキ(カビゴンLOなど)、雷弱点のポケモン(トゲキッスVMAXなど)、特殊エネルギーメタのポケモン(ドンカラスGXなど)に対してはクワガノンVを絡めて戦います。

相手がどんなデッキであれ、状況に応じたアタッカーで速攻を仕掛けることが共通した戦略になります。

より詳細なデッキの動かし方については他の記事や動画に譲り、本記事では、同じ速攻系のデッキに対して先攻を取ってしまった場合の逆転方法に焦点を当てていきます。

【本記事のメイン】先攻時の逆転方法

本記事のメインとなる部分です。

主な先攻時の逆転方法として、以下の4つのプランを紹介します。

① メリープでねむりにする
② 3ー3でサイドを取る
③ 相手のカイリューVを先に倒しきる
④ N+グレートキャッチャー+パラライズボルトで相手のポケモンを縛る

以下、それぞれのプランの詳細について述べていきます。

① メリープでねむりにする

先攻1ターン目でメリープをバトル場に出し、特性「ふわふわまくら」で相手のバトルポケモンをねむりにします

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※ 画像はポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイトのカード検索結果を使用しています。 https://www.pokemon-card.com/card-search/

Expandedのデッキの大部分はポケモンの入れ替え手段をかるいしに依存しているため、ねむりのコイン判定で裏が出れば1ターン時間を稼ぐことが期待できます。

先攻1ターン目以外にも活躍できる機会があり、後攻1ターン目や先攻2ターン目に特性「ふわふわまくら」を使ってからにげて「オルタージェネシスGX」につなげる動きも強力です。

メリープには非EX・GX・Vポケモンであるという強みもあります。対「ウルガモスV」戦では、仮にコイン判定が表でそのまま倒されたとしても、そのあと1-2-2-2のサイドプランを相手に強いることで逆転を狙うことができます。対マッドパーティ戦では、「オルタージェネシスGX」の補正込みのワザ「たいあたり」でサイドの2ー1交換を狙えます。

本記事のレシピでは、メリープの特性を使いやすくするために、かるいしを3枚採用するとともに、サポーターを使えない先攻1ターン目のドローソースを厚くするために2枚目のクロバットVを採用しています。

コイン依存ではありますが、このカード1枚を採用するだけで先攻時の勝率が改善したため、採用する価値は十分にあると思います。

② 3ー3でサイドを取る

主に対ミラー戦で使えるプランです。理想的な流れは以下の通りです。

(自分)先1:適当に展開する
(相手)後1:「オルタージェネシスGX」を使う
(自分)先2:こだわりハチマキを付けたカイリューVアルセウス&ディアルガ&パルキアGXを倒す
(相手)後2:カイリューVカイリューVを倒す
(自分)先3:やまびこホーンで前のターンに倒したアルセウス&ディアルガ&パルキアGXをベンチに出す → グレートキャッチャーグズマでバトル場に呼び出す → こだわりハチマキを付けたカイリューVで倒す

タッグチームGXを2回倒して最速勝利を目指すプランです。

必要パーツが多いですが、試合開始時の盤面と手札次第ではメリープでねむりにするよりも有力なプランになり得ます。

相手がこの動きを警戒して後攻2ターン目にベンチを全て埋めてきた場合は、Nを使って相手の動きを止めるサブプランを取ります。

③ 相手のカイリューVを先に倒しきる

ミラーマッチで使えるプランです。

一般的な「三神カイリュー」の構築では、カイリューVを一撃で倒せるポケモンをカイリューVしか採用しておらず、採用枚数は高々2枚でトラッシュからの回収手段もありません。そのため、先攻2ターン目から自分のカイリューVで相手のカイリューVを倒し続けることで、後攻3ターン目に相手の攻撃を耐える可能性をつくることができます。

先攻2ターン目の時点でカイリューVが相手の場にいなければ成立しないので、相手のプレイングに依存したプランになります。

④ N+グレートキャッチャー+パラライズボルトで相手のポケモンを縛る

主に対「ウルガモスV」戦で使えるプランです。理想的な流れは以下の通りです。

(自分)先1:適当に展開する
(相手)後1:「さかまくほのお」でバトルポケモンを倒す
(自分)先2:オルタージェネシスGXを使う
(相手)後2:「さかまくほのお」でアルセウス&ディアルガ&パルキアGXを倒す
(自分)先3:Nを使う → グレートキャッチャーで相手のベンチのボルケニオンEXをバトル場に呼び出す → 「パラライズボルト」を使う
(相手)後3:ボルケニオンEXがバトル場に縛られてワザを使えない
(自分)先4:「パラライズボルト」でボルケニオンEXを倒す
(相手)後4:「さかまくほのお」を使うが、クワガノンVを倒せない
(自分)先5:「ちょうでんじほう」でウルガモスVを倒す

複数の妨害を併用して逆転を狙うプランです。グッズロックがうまく刺さることが前提となっていますが、実際にはゼブライカエンニュートの特性で立て直されることも多く、成功率はそれほど高くありません。

まとめ

カイリューVウルガモスVの台頭により、Expandedレギュレーションでは試合前のじゃんけんの結果が勝敗に大きく影響する環境になっています。

しかし、構築とプレイング次第で先攻後攻の有利不利をひっくり返すことは可能だと思います。

本記事で紹介したメリープで眠らせるプランは運要素が強いですが、ハマった時の楽しさはひとしおです。不利な状況からどのように逆転するかが、今の環境の醍醐味だと感じています。

Expandedレギュレーションはカードプールが広く、まだまだ未開拓な構築・プレイングがあるはずです。今後も試行錯誤を続けていきます。

付録 PTCGOで使えるデッキコード

下のテキストをコピーしてPTCGOのデッキ作成ツールにペーストすると、自動でデッキが読み込まれます。

****** Pokémon Trading Card Game Deck List ******
##Pokémon - 12
* 2 Crobat V DAA 104
* 2 Arceus & Dialga & Palkia-GX CEC 156
* 2 Dragonite V EVS 191
* 2 Dedenne-GX UNB 57
* 1 Mareep LOT 75
* 1 Tapu Koko {*} TEU 51
* 1 Vikavolt V DAA 60
* 1 Tapu Lele-GX GRI 155
##Trainer Cards - 36
* 1 Computer Search BCR 137
* 3 Trainers' Mail ROS 92
* 1 Mallow & Lana CEC 198
* 2 Professor Juniper PLB 84
* 1 Echoing Horn CRE 136
* 4 Quick Ball SSH 179
* 2 Stormy Mountains EVS 161
* 1 Field Blower GRI 125
* 1 Guzma BUS 115
* 4 Max Elixir BKP 102
* 1 N NVI 92
* 2 Choice Band GRI 121
* 2 Guzma & Hala CEC 193
* 1 Great Catcher CEC 192
* 3 Float Stone BKT 137
* 4 Tag Call CEC 206
* 3 VS Seeker PHF 109
##Energy - 12
* 8 Lightning Energy XYEnergy 6
* 4 Double Dragon Energy ROS 97
Total Cards - 60
****** Deck List Generated by the Pokémon TCG Online www.pokemon.com/TCGO ******