【楽曲解説】変わりゆく夏と私
初めましての人は初めまして。
ボカロPをしている導天使と申します。
本日は、9/21に投稿した「変わりゆく夏と私」という楽曲について解説します。(4か月前ですみません、、、)
1. はじめに
この曲は、イラスト統一祭(まかぎ祭SUMMER)の投稿作品となります。
正直、9月でsummerって思ったんですけど、正直10月ぐらいまでずっと暑かったですね。。。
地球温暖化とやらなのでしょうけれど、こういう夏が続くとなると億劫になりますね。
2. 投稿の経緯
イラスト統一祭は過去二回参加させてもらっていて、
一回目がふかみ祭、二回目がゴマヒチ祭となります。どっちも暗めの曲だったので(ゴマヒチ祭に関しては合作で出したやつがもう一曲ありまして、そちらは暗い曲ではないですが)、今回は明るめの曲にしようと思いました。
というより、基本的にイラスト統一なので、このイラストからどう考えていくかというのを考えたときに、
まあ明るい曲の方が合ってるだろうなという無難な捉え方をしました。
夏で向日葵といったら、「ひまわりの約束」とか真っ先に思い浮かぶのですが、アコギのイメージが強くて、なので今回アコギを採用しました。
アコギ採用の是非については、後述します。
3. 歌詞
うざくなるほどに暑い夏が
終わり告げるときどこか恋しくて
咲いた向日葵もどこか元気を失って
涼しい風が吹き抜けていく
問答 夏にしかできないこと 即答 水浴びてはしゃぐこと
根性 光る汗かきながら 金賞 思い出に残ってた
時が経つほど遊ばなくなり
大人みたいにならなくちゃいけない
セミの声とか子どもの頃のはしゃいだ記憶
夏になると甦るんだ
うざくなるほどに暑い夏が
終わり告げるときどこか恋しくて
咲いた向日葵もどこか元気を失って
涼しい風が吹き抜けていく
問答 夏にしか見れないもの 大きくそびえ立つ白い雲
偶然出会えた遊び相手 完全夏休みの恩恵
だけど変わりゆく夏と私 最高気温の更新
もう外も出れなくなり 籠り始めたころ
変わりゆく夏と私 太陽の強い光
もう浴びたくなさ過ぎて どこで変わったんだろう
いつしか夏を嫌ってたみたい
うざくなるほどに暑い夏が
終わり告げるときどこか恋しくて
気付かないうちに夏の好きなところ探す自分がいた
それが本当の
死ぬほどに暑い夏が 本当に死なれちゃ私困るから
咲いた向日葵も続くことを望んでるから
うちら同士、似た者かもね─
今年(もっとも去年ですが)の夏は暑かったなということで、暑すぎる夏というのを一つのテーマとしました。
冒頭の「うざくなるほどに暑い夏」というところや、「最高気温の更新」といった部分に現れていると思います。
ただ、そうした酷暑に対してのネガティブな部分だけではなく、その夏が過ぎ去ることに対する未練を描き、それを向日葵と重ねる形にしました。
ちなみに、自分は冬よりも夏の方が好きなので、酷暑といえど夏の良さというのは感じています。
Aメロの
「問答 夏にしかできないこと 即答 水浴びてはしゃぐこと
根性 光る汗かきながら 金賞 思い出に残ってた」
の部分で、「問答 / 夏にしかできないこと」という区切りにしました。
メロ先で作った結果、頭の2拍分と、後ろの6拍分での区切りがあったので、その2拍分を独立させて、韻を踏む形にしました。
タイトルとなっている「変わりゆく夏と私」というのは、2番Bメロ(Cメロ)の部分からの引用になります。
2番で初出となるメロディの部分で、自分の中でも気に入ってるメロディラインのところなので、そこからうまく曲のタイトルを引用することができてよかったです。
4. コード進行
Aメロ:Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ
Bメロ:Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ
サビ前:Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅱm→Ⅴ→Ⅴ7
サビ:Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅱm→Ⅴ→Ⅰ
間奏:Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ
アウトロ:Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅱm→Ⅴ→Ⅰ
例のごとくほとんど小室進行です。それと少し、ツーファイブを加えた派生になっています。
自分の曲、ほとんどセブンスを使わないのですが、珍しくサビ前でⅤ7を用いています。
ツーファイブからサビに繋げたかったんでしょうけれど、Ⅴ→Ⅵmの繋がりをどうするか悩んだ結果、Ⅴ7を挟んだのだと思います。
他候補としては、Ⅴ#dim、つまり、パッシングディミニッシュを用いる方法があったと思いますが、当時の自分にこのアイデアがあったのかどうかという点と、ベースラインの半音上昇がこの曲に合致していたかどうかを考えると、Ⅴ#dimではなく、Ⅴ→Ⅴ7にして穏やかな変化を重視したという結果になったのかなと思います。
5. その他工夫点
間奏(後奏含む)部分において全て別のメロディラインを用いているのがこの曲の特徴かなと個人的に思っています。
曲の構成としては、
サビ→A→B→サビ→間奏①→A→C→間奏②→落ちサビ→サビ→アウトロ
という感じです。
間奏①では、サビを少しなぞった感じ。
間奏②は、コード進行は小室で間奏①と同一ですが、サビのメロディとはそこまで関係ない感じ。アウトロも同様ですかね。
個人的に、2サビ入らずに間奏入るっていう構成が、好きな構成の一つなので(参考曲:「夢魅鳥」など)、今回はそのパターンを真似してみました。
リファレンス先の方が、Cメロ→間奏への繋げ方が百万倍上手すぎるので、なんかもっとちゃんと繋げ方とか考えないとなと思いました。
ちなみに、ハモリを夏色花梨にした理由は、
本来はめろうだけで完結させたかったのですが、neutrinoって出力に時間が掛かるので、手っ取り早く作れる夏色花梨に担当してもらうことにしました。
夏色花梨&めろうの組み合わせは、ボカコレに出した「アンダーライン」以来になります。二人の声めっちゃ好きです。
6. おわりに
「おわりに」で話す内容なのかどうか分からないのですが、
イラスト統一祭って酩酊堂さんによる全曲巡回がありまして、
他の方が作られた曲を聴いたり、また自分の曲に対する反応を見たりする中で、相対的に見てすごく自分の曲がショボく思えてきて。
当時、思っていた心境なのでそのまま書き綴りますけれど。
曲制作にもそこまで時間を割くことはできなかったというのはあるのですが、すごく悔しかったというか、落ち込んだというかそんな記憶があります。
投稿祭出るの初心者かよって思われるかもしれないんですけど、マジで当時そう思ってました。
というより、むしろ投稿祭に出続けてたからこそ起こった感情なのかもしれませんね。
ネームバリューだとかそういうのも当然要因としてはあるんでしょうけれど、基本的にイラストという使われている下地が同じである+全曲巡回という公平な手段による曲の紹介という中で、視聴者さんの反応の差≒曲の良し悪しの差になるじゃないですか。なるというか、まあその傾向性が高くなるというか。
それがハッキリと現れるっていうのが、なんだかすごく難しいなと思います。
ですし、それでいて自分の曲にいいねしてくださったり、評価してくださったりしている人にも本当に申し訳ないなって思ってます。
別に傲慢なんかじゃないんですけど、単純に、受け手側の視点として、受け手側が評価した作品の作り手が、その作品に自信がないとか嫌じゃないですか。
だから、まあなるべくXだとかそういう見えるところで、あまり自身の作品についてネガティブな感情は吐露しないようにしようとは努めてはいますが、どうしても当時は少し出てましたね。
まあ、実際、あのまかぎ祭で出されていた他の曲のクオリティが高かったのは事実ですし、ネタ要素が含まれた曲とかもちゃんと笑わせてもらいました。
イラスト統一という縛りがある中で、作り手がそれぞれの個性を発揮しようと努めてきてその成果がそれなんだなっていう風に感じると、自分の中で足りなかったなと思う点も見えてきまして、
例えば、このイラストからアコギ中心の曲が増えるのは自明であったのに、その王道の道を選んでしまったとかですね。
先にアコギの是非について述べたわけですが、アコギを選んだのは半分成功で半分失敗だったと思っています。
成功というのは、イラストに合いそうな雰囲気を簡単に用意することができたこと。
失敗というのは、他のアコギ曲が多くて、自分の曲の没個性的な部分を自覚せずにはいられなくなってしまったこと。
ちょうど夏の終わりというのもありましたし、これを機に暫くの間アコギを封印することにしました。
なので、以降の曲ではアコギの曲は使われていません(※80作目「かりせんとして」まで時点)。
自分の作るメロディラインを考えたときに、やはりギターメインというよりもピアノメインで伴奏を組み立てていったほうがやりやすいなという風に思えました。
アコギも便利は便利なので、重宝していたのですが、今回の投稿祭の結果を見て、アコギに甘えていたことを自覚することができました。
ぶっちゃけ趣味としてやっているだけだし、そんな目の前の数字に固執しすぎてもっていうマインドで今は、やれているので、その曲に対するネガティブさは無いですし、何ならそうやって自分のこれからの道というのを定めてくれたという意味で、この曲、そしてこの投稿祭には感謝しています。
自分も皆に追いつけるよう頑張るという成長意欲は維持したまま、その上で曲における自分らしさって何だろうというのを追求していきながら、今後も頑張っていきたいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
導天使