【楽曲解説】インナーアクセプト(夏色花梨)
初めましての人は初めまして。
導天使(どうてんし)と申します。
今回は、5/6にニコニコ動画で公開、5/19にYoutubeで公開した「インナーアクセプト」という曲について紹介していきたいと思います。
1 はじめに
今回の曲は、夏色花梨に歌ってもらいました。
6日に投稿ということは、そうですね。
「#毎月6日はTOKYO6の日」というタグがありまして、それ用に作った曲になります。
自分の今年の目標として、毎月6日に夏色花梨に歌ってもらった曲を投稿したいというのがありまして、現在はなんとか5か月それを継続できています。
1月 リード
2月 外弁慶
3月 修了式前日
4月 幻滅的諦念
5月 インナーアクセプト←ここ
このような形になっています。
どの曲も、なんとなく雰囲気は似たような感じになっています。
詳しくは後述します。
2 今回の経緯
ということで、先述の通り5月分の「TOKYO6の日」という形で今回の曲は出そうと考えました。
自分は夏色花梨以外にも、初音ミクをはじめ様々な音源をお迎えしているのですが、キャラによってざっくりと自分の中で性格づけて、それに応じて誰に歌わせるのかを決定しています。
曲のタイトルについては、歌詞が全部完成するまで決定していませんでした。
メロディ作って歌詞を当てはめる際に、最初の歌詞である
「人を信じることがこんなに難しいのはどうして」
というところが思いついたので、それをテーマにする形で作りました。
ちなみに、余談なんですが始めはたまにはかわいい系の曲でも作ってみるかと思っていました。
というのも、今回はピアプロからイラストお借りしようと思って、かわいい花梨ちゃんのイラストがあったわけです。
なので、それを使いたいなと思い、かわいい系の曲を作ろうと思ってたら普通に切ない系の曲が出来上がりました。
自分には可愛い曲がつくれないみたいです。
3 歌詞
歌詞全文を下に載せておきます。
人を信じることがこんなに難しいのはどうして
勝手に裏切られることを恐れていて
だからそんな恐い心打ち消すために僕らは
仲良しだとか言って人に合わせるだけの
上辺だけで孤独なんて指摘 図星の表情
声に出せぬ不満 赤の他人にぶつけていく
壊れるかもしれないという懸念 渦巻いている
だけれど共に過ごした日々は揺るぎない思い出だ
この先どうなっていくかなんて知らないけど
ただ今ある縁を繋ぎ止めていたいから
嘘をついたとか本音だとか醜いけど
互いに認めるモノならばいいでしょ ずっと
人を裏切ることがこんなに容易いのはどうして
勝手に自分だけの世界に入り込む
強く願うことで膨らむ期待という風船は
大きくなるからこそ強く破裂するから
意識せずに枠の中に人を当てはめている
声に出せぬ不満 赤の他人にぶつけていく
共に過ごした時間 なぜか長いほど恐ろしい
この先どうなっていくかなんて知らないけど
ひとつ言えることは 君といる高い確率
嘘をついたとか本音だとか幼いけど
その幼稚さも全部受け止められるはず
この先どうなっていくかなんて知らないけど
ただ今ある縁は当たり前のものじゃない
嘘をついたとか本音だとか醜いけど
誰もが持つ闇 それすら受け止めて ずっと
自分は「消極的肯定」が大好きなので、無意識的にこんな感じの歌詞になってしまいますね。
そもそも、自分の中での「夏色花梨」像って
明るいけど内面めっちゃ暗い なんです。
キャラをどう作るかはそれぞれに委ねられていると思いますが、多分こういう解釈している人ってそんなにいないんじゃないかなと思います。
別に根拠があるわけではなく、自分がそうしたいからそうしているだけです。
ただ、強いて言うなら夏色花梨のデモ曲にもなってる、のぼる↑さんの「ゼロになって」の影響をそれなりに受けていると思います。
これまでの1~4月にあげたTOKYO6の日の曲を見ても、
1月・・・うまく皆を纏められない私が皆の前で涙して思いをぶちまけてどうにか進んでいく話
2月・・・外弁慶になってる自分の性格を「終わってる」と嘆く話
3月・・・修了式前日で自分だけ寂しさを感じてることに劣等感を抱く話
4月・・・友達ができてもすぐに幻滅してしまうという諦めを抱く話
外面は結構明るいんですが、内に抱えているものが結構重たい。
その対比を表そうと1~4月までの曲で試みました。
今回の曲は、それらと比較すると外面的な部分があまり出てこない感じがします。
「裏切られる」ことを恐れている自分。
それゆえに強く踏み込めずに合わせてしまうというところを描いていますが、
最後には「誰もが持つ闇 それすら受け止めて」と受容しようとします。
それは当然ながらかかわる人に対する受容の態度のことを示しているわけですが、と同時に自分自身の「闇」の部分についても受け止めようとしているという解釈もできます。
2月にあげた「外弁慶」も最後の一文は「少しでも変えていけたら」という形で、自分の性格を熟慮したうえで少しでも前に進みたいという心の表れが出ています。
一体、いつになったら彼女は救われるのでしょうか。
救われる話を書いたらそれで終わってしまう気がするので、しばらく救われないとは思いますが。。。
なお、この曲では一人称が「僕」になっていますが、単に音数の都合上です。
「私たち」だと5音必要なんですが、「僕ら」は3音で済むのが大きいんですね。
あまり、一人称に拘りはないので(曲中に一人称を複数使い分けすることはありますが)その点はご了承ください。
4 コード進行
今回のコード進行もMV上に記載がある通りです。
「ずっと小室」と記載してあります。
つまり、イントロからサビまで全部小室進行ということです。
ただ、小室進行は特にサビ前は親和性が低いため、サビ前のみ
Ⅵ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰを
Ⅵ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅲにしています。
ベースをどういう配置にしてたか忘れたので、Ⅴ→Ⅴ#→Ⅵという形になっているのかどうかは分かりませんが、サビ前の小室進行との親和性を高めるための最も簡単な手順だと思います(MV記載に分数表記がなかったので、ベースラインもⅤ→Ⅲ→Ⅵなのかもしれません)
別に、小室進行で全部作ろう!って意気込んでいたわけではないのですが、作るメロディが大体小室進行に当てはまってしまうという現象が発生しているだけです。
メロディ作る→仮でコードを打ち込む
この過程の際に打ち込む仮コードが小室進行なので(慣れてるので打ち込む速度も小室が一番早い)、そこで小室進行とマッチしていればもうコードを無理やり変える必要はないですね。
ということで、Aメロも小室、Bメロも小室、サビも小室という曲が完成することになりました。
イントロだけは最後に決めるので、そこは裁量があるのですが、Aメロからサビまで全て小室進行ならば当然イントロも小室進行にすべきだろうということで、無条件的にイントロも小室進行という形になりました。
つまり、イントロだけはコード進行から決めている形となります。
5 その他工夫点
少し前に作った曲なので正直あまり覚えていませんが、以下の点が思い当たる節です。
・1番Aメロと2番Aメロの差別化としての2番Aメロサブメロディ(個人的に好き)
・全体的に安らぐような旋律
・Bメロで下がる音程(夏色花梨って結構、高音の伸びが良いイメージがあるが敢えて低音を取り入れてみた)
・サビ前に一旦切る(後述)
Bメロですが、
1番では
上辺だけで孤独なんて指摘 図星の表情
声に出せぬ不満 赤の他人にぶつけていく
壊れるかもしれないという懸念 渦巻いている
だけれど共に過ごした日々は揺るぎない思い出だ
と、一旦区切っています。
「渦巻いている」までは低音のメロディで、「だけれど」から上昇していきます。
2番では
意識せずに枠の中に人を当てはめている
声に出せぬ不満 赤の他人にぶつけていく
共に過ごした時間 なぜか長いほど恐ろしい
と区切らずに、区切るところのメロディを省いてサビ前の上昇につなげています。
なので、2番の方がより連続的な形でサビへと繋げているといえます。
2番のBメロをばっさりカットするのも一つの手法なのですが(自分は結構その手法も好きなんですが)、今回は一部分だけカットしてBメロを構成してみました。
6 おわりに
最後になぜニコニコ動画とYoutubeとで投稿の間隔が空いてしまったのかという話を。
単純に自分の中で、ニコニコ動画の方が投稿するのが楽だからです。
Youtubeは、「個人用」と「いつ監(ゲーム実況)用」と「ボカロP用」と三つほどアカウントを持っていまして、ボカロを投稿する際にのみ使う「ボカロP用」にわざわざ切り替えるのが面倒というのがあります。
そのため、とりあえずニコニコ動画に投稿しておいて、Youtubeは後回しでいっかという思考があります。
ただ、それだとせっかく登録してくださっている方にも申し訳ないですし、Youtubeの方だけに投稿する何かも作りたいなとは思っています(そのひとつが50曲メドレーです)。
自分は「ボカコレ」アプリを多用するので、できれば自分の曲はニコニコ動画に置いておきたい気持ちが強いです。そのため、オリ曲をYoutubeのみに投稿するということはしないですが、自作曲のリメイクとかをYoutubeにあげられたらいいなあとは思っています。
あと、単純に投稿祭の重なりによって投稿頻度がえげつないことになっている時期があるので、間隔調整も兼ねてYoutubeの方では"一週間ごと"というようにある程度の裁量をもたせて決めています。
そのため、次曲もこの曲が出てから一週間後に出る予定ですのでお楽しみに。
(なお、ニコニコ動画には既に公開されていますが。。。)
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
また、次回の解説でお会いしましょう。
導天使