論理的思考能力を見るための数理的問題【東大院試対策】
こんにちは。
Submarine Riderです。
前回は「工学系研究科一般教育科目の数学の問題」
の対策法・具体的な勉強法についてお話ししました。
今回は原子力国際・システム創成学・技術経営学専攻の独自入試である
「論理的思考能力を見るための数理的問題」
についてお話ししたいと思います。
●論理的思考能力を見るための数理的問題 とは?
これは端的に言ったら「数学パズル+大学受験数学」です。
出題数は6題であり、この中から4題を選択して解答します。
問題の一例を見てみましょう。
平成31年度
第 2 問
ある暗号で「system」が「022, 002, 022, 021, 211, 112」,「utokyo」が「020, 021, 110, 121, 002, 110」であるとき, 「202, 120, 221, 120, 012, 011」で表される文字列を理由とともに示せ。
この問題は、アルファベットを逆順に三進数で表す(z=001、y=002、x=010・・・)ことで簡単に導き出せます。
ちなみに答えは「 g l b l v w 」です。(Global Viewから取ったのでしょう)
このように、数学的な知識としてn進数表記さえ知っていれば、ひらめきで解けてしまう問題が出題されています。
また、こんな問題も出題されます。
平成31年度
第 4 問
ある円 A に外接する正 12 角形の面積は別の円 B に内接する正 24 角形の面積の 4 倍であった。円 A の面積が円 B の面積の何倍か求めよ。
ただし, √2 = 1.414 および √3 = 1.732を使って有効数字 3 桁で答えよ。
これは中学生でも解ける問題です。
正n角形の面積さえ導出できればあとは数値計算を行うだけです。
正n角形・正n面体の性質を問う問題は頻出です。
変わった問題では以下のような問題も出題されています。
第 6 問
次に示す計算は八進法の加算である。R,I,S,K,C,A,H は 0 から 7 のいずれかの整数であり,異なる文字には異なる整数が対応する。各文字に対応する整数を求めよ。
R I S K
+ R I S K
ーーーーーーー
C R A S H
いわゆる「虫食い算」に近い問題です。
数学的な知識は不要で、柔軟な思考力が要求されます。
このように、ひらめきが要求される問題から数値計算まで
幅広く出題されます。
つぎは対策について考えていきましょう。
●対策方法
この課題に対しても、最も有効な勉強法は過去問演習です。
過去問は原子力国際専攻HPからダウンロードできます。
http://www.n.t.u-tokyo.ac.jp/prospective/examination/
出題傾向として最低限抑えておきたい内容は
・正多角形の面積計算
・正多面体の性質(なぜ5種類なのかの証明、面積・体積計算)
・n進法
・場合の数
・整数問題
・虫食い算
だと考えています。
基本的に使用する定理や公式は大学受験数学程度のものです。
大学受験数学の内容を忘れてしまった、という人は受験時に使った
チャートの重要事項ページに軽く目を通してから演習に手をつけましょう。
無ければメルカリで200円くらいで買えます。
また、公務員試験用の判断推理・数的推理の参考書に軽く手をつけると良いかと思われます。あくまで「慣れ」が目的なので、参考書を全て解こうとしないで雰囲気だけ掴むようにしましょう。
出題傾向こそあれど、
「毎年必ずこれが出る!」といった単元は皆無に等しいので、過去問演習を通じて慣れを作る必要があります。
慣れてしまえば恐るるに足らない問題が大半です。
しかも6題中4題選択なので、2つ解けなくても問題ありません。
「論理的思考能力を見るための数理的問題」と「工学系数学」の対策比率は1:3位で十分だと思います。
というのも、あくまで憶測ではありますが、
おそらく一題あたりの配点は工学系数学の方が高いと思うからです。
(数学は200点満点と噂されていますが、これは必要解答数の6で割れません。工学系数学50点×2 + 論理的思考能力を見るための数理的問題25点×4が妥当でしょう。)
さらに、何が出るかほぼ確定的にわかる工学系数学問題に対して
論理的思考能力を見るための数理的問題ははっきり言って水物です。
工学系数学で確実に点を稼ぐことを前提として、論理的思考能力を見るための数理的問題に取り組むと良いでしょう。
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