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工学系研究科一般教育科目の数学【東大院試対策】

こんにちは。
Submarine Riderです。
卒業論文に追われて更新が全くできていませんでした。

今日は東大工学院試験の鬼門、「工学部数学」についてお話します。

この試験は端的に言うと
「工学部で習う大学レベル数学のテスト」
です。


基本構成は
第1問:微分方程式
第2問:線形代数
第3問:複素関数論
第4問:ベクトル解析
第5問:フーリエ・ラプラス変換
第6問:確率・統計

であり、原子力国際専攻ではこの中から2問を選択して解答します。

どの単元も基本的には対策なしでは解けません。
しかし、ある程度パターン化された出題がされるので、
しっかり演習を積むことで大きな得点源とすることができます。

各単元の対策方法について解説します。

微分方程式

必ず選択するつもりで対策しましょう。
基本的な微分方程式を解くタイプが多く、
仮に難問が出題されも誘導が付いている場合が多いです。
「オイラー型の微分方程式」
「クレイローの微分方程式」
「リッカチの微分方程式」は頻出なので解法を確認しておきましょう

また、時々何の脈絡もなく定積分の問題が出題されることもありますが、
基本的には高校の数学Ⅲ程度の知識で解けます
出題意図は不明なことが多いですが得点源として利用できます。

稀に偏微分方程式が出題されることもありますが、
計算量が膨大になるため完答ではなく途中点狙いで良いと思います。

●線形代数

あまりマニアックな問題は出題されません。
深い知識はあまり必要なく、基本的な計算問題が出されますが、
いかんせん計算量が多く、好き嫌いが分かれる分野です。
苦手であれば無理に対策する必要は無いでしょう。

複素関数論

極を求める問題から留数の計算、留数定理で積分値を求める
タイプの問題が多く出題されます。
ロピタルノ定理やジョルダンの補助定理は既知として使って良い
はずなので計算量で困ることは少ないでしょう。

数年に一度の頻度で一次変換や線形写像が出題されますが、
難問であることが多いため、出題された場合は
早々に切見切りをつけてしまうことをおすすめします。

ベクトル解析

パラメータ表示された関数系に対し、
曲線の長さ、平面の面積、回転体の体積を求めさせる問題が
多く出題されます。要求される操作は基本的に微分積分・座標変換
程度のものであるため深い知識は要求されませんが、年によって
アタリ・ハズレの大きい分野なので対策の優先順位は低めで構わないと思います。

フーリエ・ラプラス変換

4年周期でフーリエ⇒フーリエ⇒フーリエ⇒ラプラスの順で
出題
されています。2020年度入試はラプラス変換でした。

フーリエ変換・ラプラス変換を利用した微分方程式・積分方程式・
偏微分方程式の解法が出題されます。証明問題は基本的な問題が多く、
証明できなくても後の設問に影響はないと考えられます。

基本的にフーリエ変換・ラプラス変換の定義式は与えられますが、
ラプラス変換表などは与えられないため、過去問演習で見かけた変換は
適宜覚えてしまった方が得策でしょう。

フーリエ変換を用いた偏微分方程式の解法、
ラプラス変換を用いた微分方程式・積分方程式の解法は過去問演習を
積んで得点源にしましょう。誘導が丁寧なのでよっぽどのことが無ければ
0点にはならないと思いますが、計算量が多いため完答は難しいかも
しれません。

確率・統計

正直この分野は対策しなくて良いと思います。
高校生でも解ける簡単な問題から、莫大な計算量を持つ
統計処理の問題まで幅広い出題範囲となっており、
年による振れ幅が非常に大きいです。
直感的に簡単だ、完答できそうだ、と感じた場合のみ
選択してもいいかもしれません。

それぞれの対策を紹介しましたが、
はっきり言ってこの6つを全て対策する必要は無いと考えています。

学問としてはこの6題は全て大学院で必要となる知識ですが、
大学院入試に合格するためだけならこの中から2つ、または3つだけ解ければ良いのです。

自分が得意そうな問題を3つ、4つだけ試験対策として勉強し、
残りは院試合格後にゆっくりと勉強すれば十分です。

事実、私も東大院試に向けては微分方程式・複素関数論・
フーリエ・ラプラス変換しか対策しませんでした。

それでも十分試験合格は可能なので、
適宜、最も効率の良いと思う対策を実施することをおすすめします。

次回は、具体的な対策方法についておはなししたいと思います!

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