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【CS業務の自動化】組み合わせでSlackでの顧客対応を効率化する方法(ChatGPTとSalesforce使ってるよ)
今回は、タイトルの通り、複数のサービスを使って、カスタマーサクセスの業務の一部となる顧客からの問合せに対して、一次回答と Salesforceへの起票、AIによる問合せ要約の仕組みを作成してみました!
※この記事では、Google Apps Script、ChatGPT、SlackAPI、SalesforceAPIを組み合わせた自動化について解説します。
※サンプルコードについては、いつか公開予定
※7/17 検証結果のスクショを追加しました!
はじめに
カスタマーサクセス業務における顧客対応の課題と自動化の重要性
現在、SaaSサービスを提供するベンチャーなどで、勢いのある職種として”カスタマーサクセス職”があります。
カスタマーサクセス業務の主な役割は、顧客が自社製品やサービスにより、成功するための支援をすることです。しかし、成長段階の事業だからこそ人的リソースの不足など顧客対応における課題が多くあります。中でも顧客の問い合わせに対応するためには迅速かつ正確な情報が必要ですが、大量のデータや複雑な業務プロセスの中でそれを実現することは容易ではありません。また、本来であれば自動化してしまう必要のあるような作業も、現場レベルでの「頑張ればなんとかなる」といった状態により、手付かずのまま業務フローに組み込まれていたりします。
※場合によっては、事業成長への貢献などで機会損失が発生するかも。
そこで、既存業務への自動化によって、カスタマーサクセス業務の効率性と品質向上を狙えるか検証します。
それぞれの技術について一言
念のため、今回使うものについて一言添えておきます。
Google Apps Script (GAS)
JavaScriptをベースとしたスクリプト言語であり、Googleのさまざまなサービスと連携することができます。
ChatGPT
OpenAIが開発した自然言語処理モデルです。大規模なデータセットを学習し、人間のように自然な応答を生成することができます。ChatGPTを利用することで、顧客の質問に対する回答や要約を自動化することができます。
Slack API
Slackの機能を拡張するためのAPIです。Slack上でのメッセージ送受信やチャンネルの管理など、さまざまな操作が可能です。SlackAPIを使用することで、顧客からの質問や応答を自動化したり、Slackチャンネルに情報を自動投稿することができます。
Salesforce API
Salesforceのクラウド型CRM(顧客関係管理)システムにアクセスするためのAPIです。SalesforceAPIを利用することで、Salesforce内のデータやオブジェクトを操作したり、顧客情報を取得したりすることができます。
カスタマーサクセス業務の自動化の仕組み
カスタマーサクセス業務の自動化には、Slack上での質問投稿の検知、、GASによる自動処理、Salesforceのケースオブジェクトへの追加、そしてChatGPTによる回答予測と要約の自動化を使用して作成しました。
例えば、私がカスタマーサクセスの業務をしていたときには、次のようなフローで、初期対応を実施していました。
![](https://assets.st-note.com/img/1686468690130-BfUHeYVDHr.png)
フローの感想はいかがでしょうか?
ぶっちゃけ問合せ内容の調査以外って、手動で頑張ってもらう作業ではないですよね?
さらにカスタマーサクセスは満足度向上にも貢献する必要があるため、ASAPに問合せ受領をする必要があり、Slackなどのチャットツールであれば素早く「質問ありがとうございます!」を送る必要があるのです。
であれば尚更、最初は人間でなくても良い気がしないでしょうか?
そうです。要は細々とした作業なんて全てサボりたいのです。
そのため、今回の仕組みでは次のような自動化機能の実装いたしました。
※商用開発でないため、一部未実装もあります。
自動化後のフローはこちらのようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1686469438116-OAUG1X9MvS.png)
このように、本来の業務である問合せの調査へ早急に取り掛かることのできるフローになっています。
上記フローについて、もう少し詳しく書きますと下記の通りです。
Slack〜GAS:
顧客がSlackチャンネルにテンプレートに従って作成した質問文を投稿します。
SlackAPIを使用して、GASが質問を受け取ります。
GAS〜Slack:
受領確認となる一次回答を投稿元チャンネルに送信します。
GASは質問をChatGPT APIに送信し、回答や要約を取得します。
GASは回答や要約をSlackチャンネルに送信し、顧客に返答します。
GAS〜Salesforce:
SalesforceAPIを使用して、Salesforceからアクセストークン取得。
質問や回答をSalesforceのカスタムオブジェクトやケースオブジェクトに記録するためのAPIリクエストを作成します。
必要な情報を抽出し、Salesforceへのデータ追加を行います。
以上の仕組みによって、カスタマーサクセス業務の一部を自動化いたしました。
下記にアーキテクチャ的な図をおいておきますので、参考までにどうぞ。
![](https://assets.st-note.com/img/1686466190066-HUJsBZM7JC.png)
検証結果!
今回はSlackで待機させているBotにメンションを送る形で実施し、そのスレッドに対してBotが受け取り連絡を返します!
その後、BotはSalesforceへの登録と、通知集約用のチャンネルへ問合せが来たことを連携してくれます!
![](https://assets.st-note.com/img/1689560321560-tzfvrpLN9z.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1689560347982-H5icxVCDQq.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1689560458529-T4xzHOqQxU.png)
今後の展望と機能拡張
リンクや担当者メンションの追加による連携強化
自動化による業務効率化と顧客満足度向上への期待
カスタマーサクセス業務のさらなる自動化の可能性
まとめ
本記事では、カスタマーサクセス業務における顧客対応の課題と自動化の重要性について考察し、GAS、ChatGPT、SlackAPI、SalesforceAPIの組み合わせを活用した自動化の仕組みについて解説しました。
カスタマーサクセス業務における自動化は、顧客対応の効率化と品質向上に大きな貢献をもたらします。GASを使用してSlackチャンネル上での質問投稿を自動化し、ChatGPTを活用して回答予測や要約の自動化を実現することで、スムーズかつ正確な顧客対応が可能です。さらに、SalesforceAPIを組み合わせることで質問の記録やケースオブジェクトへの追加も自動化できます。
これにより、カスタマーサクセス業務の担当者は負荷を軽減し、より重要な業務に集中することができます。同時に、顧客満足度の向上やビジネス効率の向上にも寄与します。ぜひ、これらの技術を活用して、顧客対応の質の向上と業務効率化を実現してください。