特定の誰かに宛てた文章を書くこと
※特定の誰かに向けた文章を書くのが苦手だったオタクが生メの返信にハマった話です。
生メとは
ドルオタ活動楽しい。
ライブ楽しい。特典会楽しい。オンファイも楽しい(オンリーファイブの略。先着で限定五枚の個別メッセージ付き写メをゲットできる。あんまり買えてない)。
そして意外なことに……と言ったらアレだけど、【生メ】がかなり楽しい。
生メール通称生メは、アイドルの書いた文章がユーザーのメルアドに直接届くサービスだ。
内容は人によって様々で、近況報告だったりライブの感想だったり。オタクの方から返信もできる(アイドルが読む前に事務所の検閲は入っているだろう、当然)。それだけと言ってしまえばそれだけの、めちゃシンプルなコンテンツだ。
類似サービスに「チョクメ」がある。
長文ならブログやnote、オープンなコミュニティならtwitter、クローズドな場ならLINE。ネットで文章のやりとりをするなら他の選択肢がいくらでもあるこのご時世、単なるメールって……と始めるまでは思ってた。
ところがこれがなかなかハマってしまった。ブログでは見せない推しの別側面に触れられるのはもちろん、それに返信するのに新鮮な面白さを感じてる。
生メのどこが楽しいのか
多分、【特定の】【こちらのことはあまり知らない相手に】【一対一で(形式的には)】【長文(140字以上の意)】を書くのが単純に楽しいんだと思う。
相手の振ってきた話題をどう広げようか。自分語りは極力抑えたほうがいいか。一人称は。改行は。相手はどのタイミングで、どういうテンションで自分の返信を読むのか――。
友達でも家族でもないたった一人の読み手のことを想定して、ああでもないこうでもないと考えながら文章を紡いでいく。今はこれが非常に楽しい。
私が登録してるアイドルの場合、届くのは一日の終り頃が多い。眠い頭のまま返信するとやらかしそうなので、ひと晩明けた通勤中自転車をこぎながら推敲するのが最近の日課だ。生メ返信を始めてから、朝が格段に有意義なものになっている。
特定の誰かに向けて文章を書くのは苦手です
……文章技術指南では「誰に向けて書くのか意識することが大事」とよく言われる。私はこれが大の苦手だった。誰かを想定して書いていても次第にその【誰か】像がぼやけていってしまう。
実際に特定の誰かに向けて書くとなるとなおさらで、頓珍漢なことを言ってしまわないか不安になる。言葉を届けたことでその人に与える影響とか感情を害したりしないかとか考えて足が竦む。
だから文章を書く際は壁に向かって話すような独り言スタイルでやってきた。twitterでも自分からはほとんどリプしない。こうして生メに積極的に返信してるのが不思議です。
ブログのコメント欄など、他のオタクのレスが見える場ではこうものめり込まなかっただろう。twitterやLINEならもっと脊髄反射でレスしてるだろう。そう考えるとメールという形式は案外性に合ってるのかも。
こっちが打ち返しやすい球を向こうがちゃんと投げてくれてるってことでもある。
それと、重要なのはアイドルからのメールが届く⇒オタクが返信する⇒と来てそこで終わりだってことだ。返信に対してアイドルがさらにレスを返す義務はない。というかできない。はず。
これは「レスに困るような文章を書いてやいないか」と常に不安な人間からすると、だいぶ気分が楽になる(だからってそれに甘えて支離滅裂な文章を送ったりしないように気をつけなきゃいけない)。
その上で、生メ以外の場――オンファイなどで生メ返信に触れたりしてくれたら、うれしくて思わずガッツポーズしてしまう。
推しに無理はしてほしくない
そんな感じで楽しくオタクしてるのだけど、アイドルの側はどうなんだろう。
ブログ、twitter、オンファイ、そしてこの生メも加えると、アイドルが日常的に書かなきゃいけない文章量は結構なものになる。いくら返信の返信が不要だと言ってもひと通り読むだけで時間食うだろうし、苦痛に感じてないといいのだけど。
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