【雑記①】ニートの頃の話
朝になったら消すかもしれない。
私は2年近くニートの経験がある。
他人からしたら特別珍しいことでもない。
悪いことでもない。
当時の私は新卒というカードを無駄にし、実家では母から心配されたり怒られたり優しくされたりしてぬくぬくと過ごした。
ハローワークに行った帰り、交差点で保険外交員の女性に名刺を渡され一緒に働きませんかと誘われたこともある。どうして私がニートだとわかったのか、元から人見知りなこともあるがとにかくこの時は人が怖かった。後ろめたかった。単純にハローワークから出てきた人に声をかけているのだろうと後で気付いた。
ハローワークで仕事を探すのは難しいこともわかった。何もしたくなかった。誰からも必要とされていないという事実も恐ろしかった。毎日泣いた。
私は偏差値50ちょっとの法学部を卒業した。
元々公務員を目指していたのだが、偏差値からもわかる通り特に勉強が好きでもなく、大学の公務員講座を受講してもあまり効果は得られなかった。
極度の人見知りと恥ずかしい思いをしたくないというプライドの高さが災いし、その手の専門学校にも行かず、試験の勉強も点が伸びず、民間企業へ就活の方向転換もせず、ニートの道を突き進んでいた。
そもそも特に興味もなく向いていない学部を選択してしまったのだと後悔もした。
おそらく文学部の方がもっと楽しく過ごせたのではないかと思うのだが、当時文学部は人気で偏差値も高かったように思う。一般入試組ではあるが選べる力がなかったのだ。
文学部を選べたとして将来何になるのか想像すると怖かったのもある。
私は迷った時になんとなくとか、楽しそうとか、自分に向いていそうとか、そういった基準で選ぶことができない。一般入試を選んだのも面接が嫌だったからだ。
就職先が決まっていない。本当に血の気が引く。
友人知人ゼミでお世話になった教授にもそのことを話さなかったと思う。そんなことが可能なのか、教授は気を遣ってくれたのか、何も覚えていない。何故か頑張って卒業式には参加した。
特に仲の良い友人たちは意図的に留年したり、卒業式に出なかったりで寂しい卒業式であったが、私はそれどころではなかった。明日からニートなのだ。
卒業式で手渡されたハガキに就職先を書く欄があったように思うが、提出もせず沈んだ気持ちのままアルバムを受け取りこっそりと帰宅した。
とにかく毎日何かから隠れたかった。
卒業後も公務員試験の勉強は継続したが、一部の公務員試験は年齢で傾斜がかかっており新卒の方がなりやすかったと記憶している。(私の脳みそが作り上げた妄想かもしれない、きっとそうだ)
恥ずかしいからなのか後ろめたいからなのか、その頃から友達の誘いはおろか、メールやLINEやTwitterなどの連絡を全て絶ち、地元でも知り合いにエンカウントしないようひっそりと過ごした。
それらは就職した今でも続いており、くだらない話ができる相手は家族しかいない。
気分が落ち込む時は大抵人と比べてしまった時なので、人と関わらない今の状況は気持ちの浮き沈みが少なく安定していて良いのだが、後ろめたさで時々昔の夢を見る。
ふとpixivで友人のブックマークを見てしまった。最近のジャンルのイラストがブックマークされていた。
LINEは通知をオフにし、リア友用のTwitterは怖くて何年もログインしていない私だが、pixivだけはそのままにしていたのだ。変わらない様子に嬉しくなった。
もう友達に会ってみても大丈夫なんじゃないか?
自分にそう問うてみるが、一方的に何年も連絡を絶ってしまったのでもう誰にも会う資格がない気がする。私は会いたいのだろうか。会える日が来るのだろうか。