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【文披31題】僕と「boy meets chocomint」(12日目・チョコミント)

「満寛って、チョコミント好きだよね」
「そうだな」
学校帰り。公園の側にアイスの移動販売が来ていて、友人の満寛と食べることにしたのだ。
僕は抹茶、満寛はチョコミントをカップで選ぶ。公園の木陰のベンチも暑かったが、座れないほどではないので並んで座る。隣で満寛が涼しそうに食べる様子を見ていたら、そういえば初夏の頃から、チョコミントのお菓子が出る度に買って食べていたことを思い出したのだ。僕は、チョコミントをあまり食べた覚えが無い。嫌いや苦手という感覚は無いはずなのだが、単純に機会を逃していた。つい抹茶などの、お茶系の味の食べ物に手を出してしまうせいもある。
「溶けるぞ」
満寛に言われ、慌ててスプーンを口に運ぶ。思ったより、しっかりお茶の味がする。
「美味しい」
「チョコミントも美味い」
見れば、満寛のアイスはもう、半分は減っていた。美味しいし、無心で食べていたら、不意に名前を呼ばれる。
「ーーほれ」
「んうっ!?」
満寛の方を向いたら、口にスプーンを突っ込まれた。爽やかですっきりするのに、甘さもある。チョコミントだと、スプーンが離れて気付いた。チョコの味も甘さも知っているのに、ミントと一緒になると、知らない味に出会った気分になる。
「……美味しい、かも」
「かもって何だ、美味いだろ」
満寛が珍しく、声を出して愉快そうに笑った。
「今度、おすすめのチョコミントのお菓子教えてよ」
「分かった。宗也は、抹茶味のやつ頼む」
「うん」
抹茶も美味しい。チョコミントも美味しい。僕は一気に、満ち足りた気分になった。

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