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ira_ken
恋と夕日(失恋小説)
落ちていく。今日も夕日が落ちていく。
そっと息を潜めるように、太陽が徐々に沈みゆく。君から受けたたくさんの言葉と思い出も、夕日とともに消えていく。
きっと僕らに必要なのは、「寂しいね」でも「死にたいね」でもなくて、「また明日」と「楽しかった」だけだった。
どんなことにも終わりがあって、それはなんだか悲劇に見えるけど、夕日を見ていると消えていく。「ああすればよかった」、「こうすればよかった」そうだと思った。今でも、もしかしたらそうなのかもね。
それでも、愛されたいから愛したなんて、そんなことできみの心もぼくの心も奪えはしなかったみたい。何が愛か、調べたいなら調べればいい。聞きたいなら聞けばいい。それ全部で愛だから。
夕日はもうすぐ消えていく。呼吸を忘れて、夜を迎えよう。今は夜でも明るいからさ、僕らはきっと眠れない。眠れないままお酒を飲んで、涙ときっぱりお別れしよう。朝がきたらまた、いつも通りに電車に乗って、ぼくらはどこかに行くんだろう。
もうきみと同じ電車には乗れないね。でも、きみと同じ世界で、少しだけぼくは、きみの視界と重なり合って生きていく。