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大旱魃・食糧危機そして大恐慌と世界戦争

「旱魃の兆しは、すでに忍び寄って来た」

 2021年2月、日本では強烈な寒波が二週間おきに南下して大雪ともなった事は皆さんの記憶に新しい現象だったと思いますが、時を同じくして、さらに南側に位置する台湾ではどうだったでしょうか。最も早いニュースは4月7日頃でしたが、実は、昨年の台風上陸回数ゼロ、期待していた雨量がなく、年を明けてもその傾向が続き、台湾北部の永和山水庫は7.8%、鯉魚潭水庫は9.4%、東部に位置する徳基水庫は5.2%と、軒並み貯水率10%を切る緊急事態となってしまい、台湾の中ではかなり厳しい取水制限が施行された。およそ56年振りとなるこの大旱魃はラ・ニーニャ現象の終わりとエル・ニーニョ現象の始まる丁度その合間に発生した事になる。日本で言えば徳島県と高知県の県境に位置する早明浦ダムなどが貯水率60%を切ると取水制限、30%を切ると断水と行ったイメージだが、10%を切ったら恐らく水力発電も困難だし上水利用も不可能に近いと思われる。

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