韓国ドラマ「ナビレラ」〜それでも蝶は舞う〜
Netflix。このドラマ本当に本当に良かった!
全12話。バレエという題材で老人と若者の、しかも若者が老人を教えるという設定はすごい。原作は漫画らしいが、実写のドラマで違和感なく観せられた。恐るべし。
このドラマを「おじいちゃんと若者の心の交流」という言い方じゃ生ぬるい。
ほとんど恋愛ドラマ。お互いを思う気持ちが強く美しくて泣ける。
冒頭は主人公ドクチュルの同級生の葬式。そして古希祝いの席。
70歳のドクチュルは同期生も家族も自分を「人生のあがり」に位置付けていることにやるせなさを覚える。
家族を改めて眺めると、生きたいように生きられず不仲な子供達と、色々がうまくいかない孫娘。医療ホームに入居した親友は、やりたい事をやり残した、お前はちゃんとやれと言って亡くなった。ドクチュルは自分がやり残した事を考える。
幼い頃やりたかったのに出来なかったバレエ。
通りかかったビルの一角、バレエスタジオがあり、そこでドクチュルは無心に踊るチェロクを目にする。その踊る姿に心を奪われ、何度も通う。そして、とうとうチエロクにバレエを習う事になる。
子供達や妻は「その年でバレエなど恥ずかしい」と大反対。やめさせようとするが、ドクチュルの意思はかたく自分の意思を押し倒す。
一方のチェロクは孤独に生きている青年だ。人との交流は苦手であり、ドクチュルに教えろというコーチの命令が面白くない。
ドクチュルにバレエをやめさせようと厳しく当るが、ドクチュルも負けていない。チェロクの課題を必死にこなして行く。
こうしてドクチュルのバレエ修行が始まる。そして同時にチェロクのバレエのマネージャーをやると決め、あれこれ世話を焼く。
チェロクの父との確執、チェロクを目の敵にしている友人を知り、ドクチュルはチェロクを助け、見守り、信頼関係を築いていく。
後半ドクチュルの、家族にも隠している驚きの秘密が明かされ、その中、バレエ公演で二人が踊るクライマックスに突き進んでいく。
ドクチュルとチェロクはバレエで繋がり、踊る事で心を伝え合うシーンが何度も出てくるが、その度、涙が出て困った。ここで泣かせるぞとわかっているのに泣く。途中から抵抗するのを諦め、ティッシュを抱えた。さあ来いだ、もう。
お互いを思う心はひたすら真っ直ぐで温かい。
いくつになっても夢に向かって進むことの素晴らしさ。努力は裏切らないし、世界を共有出来る人がいれば幸せだ。心から信じ会える人と出会えたら、そのパワーは最強だ。
ドクチュル役のパク・イナンは1945年生まれだから役の年齢より年上。真面目に生きてきた正しい心根の高齢者として、とても良い味を出している。
そしてチェロク役のソン・ガン!顔の小ささ、手足の長さ!身長186センチ。魅力的な顔立ちであり、信じられないほどのプロポーション。
Netflixドラマ「恋するアプリ」で900倍の難関を突破した俳優と紹介を読んで、なるほどと思った。お父さんが器械体操選手、お母さんがピアノ教師とのことで、なるほどバレエシーンは躍動感に満ちてカッコいい。
この二人のみならず俳優陣が良かったし、素敵なドラマでした。目が腫れた。冷やさないと。