#ぽこピーの回覧板 in滋賀 4泊5日山盛り聖地巡礼レポ
——2024年2月3日
🍃🥜:リアルイベントツアー「ぽこぴーの回覧板」開催決定!!
🪿:うおおおおおおおお!!札幌もある!!ありがてぇ〜〜!!
※🪿……札幌出身札幌在住。本記事の筆者。この春から大学3年生。最近は長谷川白紙を愛聴。
🐧:うおおおおおお!!俺は滋賀と札幌応募しようかな
※🐧……大阪在住。🪿の高校時代からの友人。この春から大学4年生。NNT。
🐙:札幌楽しみ!!リアルイベントって何やるんだろう
※🐙……札幌在住。🪿🐧の高校時代からの友人。この春から修士1年生。唯一の運転免許持ち。
🪿:あれ、「in滋賀」って、春休み期間中ですね……?
🐧🐙:!?!?
いやなんでまだ大学3年生なんだよ。
本記事の旅行には🐧によるVlogもございます。
是非併せてお楽しみください。→【近日公開予定】
1日目
新千歳空港→神戸空港
4月3日㈬、回覧板開催3日前。
札幌の自宅で朝5時半に起床し、電車を乗り継いで新千歳空港へ。
途中、🐙と合流。10日ぶりくらい。
朝8時25分、新千歳空港出発。
漫画を1冊40分かけて2冊読み、もう1冊分を退屈に過ごした10時25分、神戸空港に到着。
神戸は寒くはないが、空には灰色の雲が広がっていて、少しだけ雨が降っている。
🐙:おぉ、エスカレーター右側だ
🪿:解せぬ……
前言撤回、海からの風が吹きつけると寒い。
たこ焼き8店舗を食べ比べ @大阪 道頓堀
そういえば神戸空港に着いたら連絡がほしいと🐧が言っていたのを思い出す。
🪿:着陸を報告
🐧:起きた。雨ヤバスンギだけどたこ焼きどうします? 大荷物だし
🪿:持ち込めるカラオケボックスとか入ります? 拠点確保して、買い出し2人、とか?
🐧:になるかなぁ。12時に難波の駅に集合で
🪿:カラオケ勝手に予約した。カラオケ集合でもよくってよ
電車に乗って大阪は難波まで向かう。🍃:知らない接続詞ですね…… ※助詞
神戸を駆ける車窓の風景は、瓦屋根であるとか遠くに見える海であるとか、そもそも高架電車に普段乗らないことから来る特別感であるとかはあれど、東京その他にはない神戸らしさみたいなものを感じられる素養は自分にはないようだ。
神戸の途中からは地下鉄で大阪へ。
時々、関西弁が耳をくすぐる。
12時、道頓堀のカラオケボックスに入室。
🐧:すません、忘れ物誤認で遅れます
❓:ボクヲワスレテルヨ
🪿:😠
❓:ボクヲワスレテルヨ
カラオケボックスで仮眠を取りつつ、「【大阪】たこ焼き愛好家が道頓堀の名店たこ焼きをガチで食べ比べすっぞ!!!【食べ歩き】」を見ながら、この後食べるたこ焼き全8種のラインナップと店の位置を確認していく。
12:30頃
🐙:🐧会津屋(かいづや)だけ買ってこれん??
🐧:ok
🐙:会津屋だけ難波の駅の方にあるっぽい?
🐧:あいー。先食っててもらってもちろん構わない
🪿:🐧が来るまでたこ焼き買わずに待機してますわ
🐧:アザンス
🪿:オレが荷物守するんで残り7軒、買ってきてほしいんですね。1430に脱出すれば[次の目的地]には間に合うんで、たこ焼き&ドンペンの時間はありそうやね
🐧:ダイヤの乱れが酷すぎる。会津屋寄って混んでなければ13:20には着く
🪿:り
13:30頃
🐧:確保
🪿:おめ!
🐧:すぐ着く
🐧が会津屋のたこ焼きを引っ提げて到着。
🪿とは川崎で共通の知人バーチャル女性の誕生日を祝って以来約1ヶ月ぶり。
🐧:お久しぶりです
🪿:お久しぶりです
🐙:お久しぶりです
🐧:元気?
🐙:寝てた、ここで
🪿:とりあえず会津屋だけ食って、買い出しですね
🪿🐧🐙:いただきまーす
会津屋のたこ焼きはソースのかかっていない、「坊主」と呼ばれるスタイル。(ソースは🍃)
一つひとつが小さな、ふんわりとしたたこ焼きだ。
動画での紹介順を何故か一撃で暗記したため、会津屋のたこ焼きを食べながら頭には朧気に⑧という数字が浮かぶ。
独自路線のたこ焼きということもあり(厳密にはこれがクラシックらしいが)、1つ目らしくないものを食べたな、と思う。
🪿:さて、それじゃ残り7店。
🐙:おれ橋の向こう側にある「たこ八」「くくる」「あっちち本舗」行きます
🪿:(②③⑦ね……)
🐧:じゃあ俺はそれ以外の近くのやつを
🪿:オレは本部に残って荷物見てるんで、それぞれ並び始めと買い終わりを報告してくれれば
🐧🐙:了解
🪿:それでは
🪿🐧🐙:散!!
〜買い出し中〜
🐙:味付けは?
🪿:動画のスクショ送ります!
🐧:現金ない
🪿:本部で貸します!
🐙:雨強い
🪿:オレの上着どうぞ!
🐧:袋ない
🪿:本部で貸します!
兄妹も両手いっぱいにたこ焼きを買い集めたんだろうか、なんて考える。
🐧:全部買いました、戻ります
🐙:くれおーる並んでます
🪿:了解
14:23頃
🐧:1曲歌って待ってるか。
🪿:どうぞ
🐧:♪おはようございナース
14:45頃
🐙:お待たせしました
🪿:いえいえ、お疲れ様です
🐧:15分で急いで食うぞ!
🪿🐧🐙:いただきます!
実食。
ただの一つとしてハズレがなく、それぞれにしっかりと特徴がある。
🪿のお気に入りは🍃🥜と同じく「わなか」か。初めて大阪を観光する身には、王道路線のたこ焼きが嬉しい。マジで全部それぞれ美味くて、お気に入りなんて気分でしかない。
🪿🐧🐙:ごちそうさま!
次の予定に向けて足早にカラオケボックスを後にする。
外の雨が強くなっている。
次の予定が迫っているため、ドンペン観覧車はまたの機会に。
ぎょうざ湯でサウナ&町中華ディナー @京都 夷川餃子なかじま
15時過ぎに電車に乗り込み、次の目的地、京都にあるぎょうざ湯に向かう。
【最強】中華料理屋の中にサウナ!?噂の『ぎょうざ湯』が神すぎて即リピート予約しました。【京都】
予定を20分ほど過ぎており、16時の予約に間に合わないため、一本電話を入れておく。利用時間が短くなるだけなので特に問題はないといった対応だ。
3人並んでは座れない絶妙な混み具合の電車に揺られながら、過ぎていく時間をもどかしく思う。
電車を降りて外に出る。
街の景色はまさに京都である。
見れば桜も咲いている。
大きな荷物を引きながら観光客の間を縫って、鴨川に架かる橋を渡り、川沿いを歩いていく。
🐧:修学旅行を思い出すな
🐙:それこそ修学旅行で泊まった宿がすぐそこだよ
🪿:そうなのか
🐙:飯が不味い宿ね
🪿:修学旅行ではあんまり一緒に行動しなかったんだっけ
🐧:そうだね、ほとんど。でも夜一緒に歩いたよね
🐙:今ここにいない友達と5人で
🐧:校長も誘おうとしたやつね
🪿:フラれましたねぇ
🐙:鴨川沿いも歩いたしね
🪿:僕ら出会ってちょうど7年ですが、修学旅行はその内の1.5年経った頃ですね
🐧:1.5年か、すごく短く感じるな
しみじみとそしてガラガラと川沿いを歩いて、16時20分、目的地のぎょうざ湯に到着。
お店の外観の撮影は退店時に回して、速やかにお店に入る。
暖簾をくぐるとまさに動画で見た景色。壁に並ぶメニュー、🥜が座った座敷に心が躍る。
そして店の奥に案内される。ご飯屋さんの奥の扉を進むとそこに貸し切りの風呂があるのだ。
動画で紹介された光景の一つひとつに歓声を上げる3人。
しかし20分の遅刻を取り返すべく手早く脱衣を済ませる。洗い場は4つあるので待機者を作ることなく洗体も済ませる。
まずは露天のお湯へ。小雨の降る中、温かいお湯が移動で疲れた身体に染みる。サウナを前に既にここで極楽といった気分だ。
そして身体も温まったところで、ついにメインのサウナへ。
サウナ室内にはちょうど3人分の座る場所があり、小さな音でヒーリングミュージックがかけられている。動画にも出てきたぎょうざの形のサウナストーンをジロジロ眺める。
温度は91℃ほど。セルフロウリュをすれば体感温度は一気に上昇する。サウナ室内の時計を睨みつけながら、3人全員しっかりと汗をかいて外に出る。
シャワーで軽く汗を流し、水風呂へ。男3人でも肌を触れ合うことなく入れる広さはある。なにより十分な深さがあるのがありがたい。
タイミングを見て水風呂を出る。
外には椅子が二脚しかなかったが、🐧は横になりたいと風呂の縁に落ち着く。
1セット目からしっかり整う。椅子の上で動きたくない🪿をよそに、🐧と🐙がドリンクメニューを見ている。
🐧:さっき遅刻した分、ここの飯と飲み物奢るから好きなもん頼めよ
🐙:そんなん大丈夫だって
🐧:いや、その方が気が楽だから
🪿:まあじゃあ、全額じゃなくて、ね
🐧:うん
メニューにはアルコール類もあり、それも魅力的だったが、本格的に動けなくなる、とセーブする。
🐧と🐙はオロポ、🪿はオロカルをインターホンで注文する。
各550円。今見たら動画では450円だった。
まだまだ椅子の上で動けずにいるうちにすぐ飲み物が到着。
乾杯の音頭はいつもの内輪ネタ。
ヤバい、マジで気持ちいい。
冷たいオロカルをセットの最中に。
すっきりしたところで2セット目へ。
🥜がサウナレポで座ってた席を意識して座り位置はローテーション。もちろん胡座をかいて座る。
ちょこっとカメラも回しながら改めてサウナを楽しむ。
水風呂、謎のボタン。
押すと冷水打たせ湯。阿鼻叫喚。
飲み物片手に外気浴。
🪿:オロポもちょっと飲ませて
🐧:いいよ
(飲み物交換)
🐧:オルカルの方が美味いな!
ちょっと時間ヤバいかもと言いながら3セット目もこなし、そろそろ退室時間。
急いで服を着て髪を乾かす。
脱衣所は3人で使っても特に狭さを感じない。
タオルもレンタルできて、🥜感動のアメニティもあって、最高のサウナだ。
17時20分、再び扉を通って中華料理屋ゾーンに戻ると、店にはちらほらお客さんが。
入店時はランチ営業とディナー営業の間の時間でお客さんがいなかったが一転、厨房からは鍋を振るう音も聞こえてくる。
🥜が動画で座っていた店の入口側の座敷には既にお客さんがいたので、店内奥側の座敷でテーブルを囲む。
🥜が動画で頼んでいたのはランチメニューの餃子定食だったが、ディナーの今回は「おひとり様セット」を3人前注文。定食と同じく餃子をメインに数種のおつまみとドリンクがセットになっている。
餃子にも種類があり、にんにくありの「ぎょうざディープ」2人前とにんにくなしの「ぎょうざフレンチ」1人前を注文。但し、食べ比べをした記憶がない。
ドリンクは🪿と🐙がバイスサワー(シソとリンゴの味)、🐧がアイスキャンデーサワーのザクロ味。
🪿🐧🐙:乾杯!いただきます!
まず先に出されるあて盛りから。
どれも美味いが特に美味いのが、🥜も食べていた肉ポテ。しっかりとした味付けで、ちびちび食べながらさっぱりしたバイスサワーを飲む。
続いて餃子。
あっさりめの餃子で、サウナと隣り合わせてもしつこさのない味わい。たれをたっぷりつけて食べても美味い。
料理の一つ一つに舌鼓を打ちつつ、18時20分頃、料理を平らげた🪿はすっかり“怠く”なっていた。
移動の疲れと、たこ焼きの大食い早食いと、サウナと、中華と、酒と。
予定ではこの後、中華のサカイ本店に行って、冷やし中華(冷麺)を食べに行くことになっている。お店は20時30分まで。
🪿:ここからちょっと歩いてバス乗って、なんですが、どうします?ホテルに行く道から一旦逸れて、って感じなんだけど
🐧:明日のこともあるし、サカイは最終日もし行けたらって感じか?
🐙:アリだね
🪿:アリですね
🐧:じゃあここでデザートも頼もうかな
アイスキャンデーのザクロ味と、この日お店にあったもう1種、青りんご味の2本と、ほうじ茶杏仁豆腐を注文。残念ながら杏仁豆腐は品切れということで諦める。
🪿🐧🐙:ちそさま!デリシャスパーティー!
時には潔く予定を諦めてスマートな旅にするのも肝要なのだ。
会計を済ませて外に出る。店の外観を写真に収め、また懐かしく川沿いを歩いていく。
ホテルにチェックイン @滋賀 ホテル琵琶湖プラザ
食事を終え、ホテルへの直行を決めた一行は、大きな荷物をガラガラと引き摺り、また🪿の元カノの話と左足も引き摺りながら、川沿いを駅に向かって歩いていく。
川沿いの桜がよく咲いていて、夜桜の下で写真を撮る。
これで満足。京都を後にする。
電車を乗り継ぎ、一行はついに滋賀県の土を踏む。
守山駅で降りて、そこからさらにバスに乗る。
20時30分、降車ボタンを押して、真っ暗な道端で荷物の大きな3人がバスから降ろされる。
バスが去ると、風が吹くのを感じ、そして水の音が聞こえた。
目線をやると、黒く大きな琵琶湖がそこにある。
🐧:琵琶湖だー!! foooooo!!
突然のブチアゲ。でも、わかる。
🐙:神秘的だ
🐧:怖い。全然怖い
🪿は自分が琵琶湖を見て何を思ったのか、もう覚えていない。
バス停からすぐ近く、琵琶湖大橋の東側にある、ホテル琵琶湖プラザにチェックインする。
部屋の鍵を受け取り、翌朝の朝食券3人分を買って、部屋に向かう。
部屋は広い。
部屋の窓からは、🍃が見たラブホの光がすぐ近くに見える。
風呂にはさっき入ったし、と、明日に備え、この日はなるべく早く寝ることに。
2日目
ビワイチ @滋賀 サイクリストの聖地碑
4月4日㈭、回覧板2日前。
見出しでネタバレしている通り、この日こそがこの旅で最も大きなイベントの日である。
【150km】初心者がチャリでびわ湖1周したら過酷すぎて全身おかしくなりました…【ビワイチ】
【150km】運動不足のド初心者はチャリでびわ湖1周することができるのか?【ビワイチ】
朝6時30分、スマホのアラームで起きる。
🐧と🐙とカビゴンを起こす。旅行の時にみんなを起こすのは🪿の役割だ。
スパッツを穿いて、高校のジャージの短パンを穿いて、エアリズム着て、大好きなバンドのTシャツを着る。
ちょっと恥ずかしい格好の3人で、一旦ホテルの1階ロビーへ。ロビーに案内がある近隣のタクシー会社に電話をかける。
ここからレンタルサイクル店までのタクシーの予約をしたいのだが、どこも予約がいっぱいだという。
一応歩けない距離ではないので、歩いて向かうことにする。
タクシー配車アプリもサービス圏外なので、滋賀旅行の際にはタクシーの手配に是非注意してもらいたい。
気を取り直してホテル最上階の朝食バイキングへ。これからの運動に向けて、カロリーを摂取することが要求される。
パンを中心に腹に入れていく。
窓の外には、昨夜はただ巨大な黒だったものが、琵琶湖として広がっている。
これを見飽きる旅か。
ホテルの朝食会場を早々に後にし、後でコンビニに寄ることを固く決意しながら部屋に戻る。
荷物はなるべく軽く。
8時30分、コンビニで追加の朝食としてのおにぎりと携行食を買い、9時オープン・予約のレンタルサイクル店に向けて歩き出す。
🪿:おお、ピエリ守山!
🐧:明るい廃墟
🐙:横に広いな
🐧:桜も咲いてる
天気は前々からの予報通り曇り。雨さえ降らなければ、というつもりだ。
9時、レンタルサイクル店に到着。自転車に乗り慣れている🐧はロードバイク、🪿と🐙はクロスバイクをレンタルする。おしり保護のためサドルカバーにも課金する。ヘルメットは付いてくる。
お店の人にサドルの高さを合わせてもらい、簡単なレクチャーを受けて、駐車場で軽く跨って漕いでみる。
行ける……!行けるぞ……!
お店の案内板によるとこの日の日没時間は18時11分らしい。
流れる季節の真ん中でふと日の長さを感じるが、札幌から西方へ来たのだから長くて当たり前かと思い直す。ちなみに調べたところ実際の日没時間は18時21分だったらしい。じゃあ短く感じとけよ。
レンタルサイクル店から放たれた3人はレンタルサイクル店から目と鼻の先の「サイクリストの聖地碑」へ。
浮かれた記念写真を撮影する。
時刻は9時40分頃。ついにビワイチが始まる。
桜の季節。今やるビワイチが一番気持ち良いから。
まずは予定調和のコース間違い。行き止まりを見学してから、ビワイチのコースへ。
基本的には低速コースを選択して行くつもりだ。
うん。行ける。
というのは、北湖一周150kmが、ということではない。
少し回想に付き合っていただこう。
——あれは今から約1か月前、3月7日のことだ。
🪿は知人のバーチャル女性の誕生日を祝うため、札幌から川崎へ向かっていた。
羽田で飛行機を降り、一緒に彼女の誕生日を祝う🐧と合流するべく、荷物を引きながら空港の到着ロビーを急ぐ。
片手で引く荷物によって、踏み出す足が進行方向との間に角度を持ったためか、左膝の関節を伸ばしたような、そんな瞬間があった。
それでも気にせずその日は過ごせたのだが、翌日翌々日と川崎の商業施設内を練り歩いたりクラブで朝まで踊ったりしているうちに、左膝の調子は悪化の一途をたどり、川崎最終日の3月10日には通常の歩行すら困難になっていた。
その後札幌に帰ってからも、左膝は徐々に痛みを感じなくはなっていったものの、長時間の歩行や階段の昇り降りの後には川崎最終日と同等の痛みがあった。
ビワイチは元々去年の秋にやろうという話が持ち上がったこともあるくらいで、今回の滋賀遠征が決まったと同時に真っ先に決まったイベントだった。
日々左膝の調子を🐧と🐙に報告し、ビワイチの決行を予約の都合がつく直前まで保留していた。
それでもビワイチをやりたいという思いは強かったし、決行日までに治癒するという希望も捨てきれなかった。
左膝は見た目には異常がなく、安静にする以外の処置はないことはわかっていたが、最終判断の直前には整形外科を受診し、ビワイチを決行する手立てを探った。
医師は「長時間のツーリングは難しいだろう」と言った一方で、「続けられなくなったらリタイアしなさい」と、実際にやってみて限界まで自転車に乗ることは認めている様子だった。
これを根拠に🪿はビワイチの決行を決めた。
途中リタイアとなって🐧と🐙に迷惑をかける不安だけは残り続けたが。
結局、左膝は良くならなかった。
歩行は依然ぎこちなく、この旅の間も、たこ焼きの買い出しではカラオケボックスに残り、京都の川沿いも足を引き摺って歩いた。ホテルからレンタルサイクル店までの道もそうだ。
痛みはある。それにどれだけ耐えられるか。そう思っていた。
——そして今、痛みは全くない。
左膝はその曲げ伸ばしに伴って痛みを感じるが、自転車を漕ぐ上での膝の動きは曲げ伸ばしではなく、言うなれば“大曲げ小曲げ”であり、膝を伸ばしきる瞬間がない。痛みを感じる線を越えることなく足を動かすことができる。
勿論、膝に負担をかけないように意識する必要はあるし、漕ぐ以外の動作でも膝を伸ばさないように意識する必要はあるが、自転車は歩くよりも断然楽だ。
ホテルの朝食会場で調剤薬局でもらったカロナールも飲んでおいたし。
望外に膝に痛みがないことを🐧と🐙に伝える。
気持ちがいい。
左手には母なるぽこピーの母、マザーレイク・琵琶湖が広がっている。
3人で縦に並んで走る。
大きな魚をつつくトンビとカラスを見たり、マイアミ浜に反応したり、試しにローソンに寄ってみたり。
🪿の自転車は思うようにスピードが出ないけれど、着実に150km走破に向けて漕ぎ続ける。
歩道に引かれた低速コースを進んでいると、約15km地点、長命寺の辺りで、途中で並走していた上級コースとの分岐が現れる。
右は上級コースで、左は低速コース、ではなく、“サブルート”と書いてある。
自分らが行くべきは少なくとも上級コースではないし、進路は常に左を選んでおけばすなわちそれが琵琶湖沿いを行く道なはずである。
私たちはサブルートに進むことを選択したが、結論から言うとこれは失敗だったかもしれない。
サブルートは湖沿いを走るコースであり、車通りの少ない道を進むコースではあるが、山道であり、アップダウンのあるコースである。
この頃少し晴れ間が出てきた中で桜の美しく咲く場所があったり、琵琶湖を眺められたり、野良猫に出会えたり、沖島をすぐ近くに見られたり、と観光ルートとしては満足だが、体力を削られることは間違いない。
そしてこの20km地点で琵琶湖を近くで眺めるために一度自転車を降りた後、自転車に乗り込む際に右のふくらはぎが攣った。
伸ばして、飲み物を飲んで、よし大丈夫とまた走り出す。
停まるなどで運動に緩急をつけると足は攣る。
こんなもの、攣ってからの勝負だろう、と思う。
約25km地点、🍃も立ち寄ったコンビニに立ち寄る。
時刻は12時10分。遅い。時速10kmペースだ。150kmを温泉休憩含め15時間で完走した🍃の平均ペースと最初の25kmで並んでいる。
コンビニでは🍃に合わせて3人仲良くウィダーとマーブルチョコを購入。マーブルはこれで品切れ。
ウィダーを一気に流し込み、マーブルも少しだけ食べようと筒を傾けたら半分近くが口に入ってしまう。まあ別にいいのだが。
🪿の遅すぎるペースに合わせるのは🐧と🐙、とりわけ普段自転車に乗らない🐙にはそれが体力を消耗させる大きな原因となっていた。
🐧と🐙はある程度🪿との間の距離を稼いでから走り出すことにする。ウィンターズ&ピキハイよろしくチェックポイント制を採用することとし、🪿は一人、先にコンビニを出る。
途中、分岐ルート選択の相談の連絡をしたり、🍃が座ったベンチを探したりしつつ(結局見つけられなかった)、一人で走り続ける。
約38km地点で再びコース選択の相談のため🐙に連絡をすると、どうやら🐧と🐙はいつの間にかお互い気付かないうちに🪿を追い抜いていたようで、すぐ行った先のコンビニで休憩中だと言う。
13時30分、🐧と🐙と合流する。お互い同じ低速コースを選び続けていたはずなのに、何故追い抜かれていたのかはわからない。
ここは3人で出発する。今度は🪿が置いていかれる形で差が開いていく。
仕方がない。体力的なことではなく、左膝を庇っての走行では出せる速度に限界がある。
14時15分、約45km地点である道の駅に到着する。やはり時速10kmペースである。
次のチェックポイントは約61km地点の道の駅。
3人同時に出発し、🪿はまた殿を務める。よく言えばね。
14時37分
🐧:豊公園手前分岐アリ。ワイは低速に行く
A FEW MOMENTS LATER
🐧:何百メートルか歩かされるから、🪿🐙は絶対に高速に行け
🪿:はい
🐧の忠告を有難く受け取る。左手には豊公園という、長浜城という近年再建された城を持つ公園があるらしい。低速コースはその中を走るために途中歩くことになるのだろう。
ここは上級コースであっても歩道の中にも自転車道が用意されている。スピードのでない🪿は歩道のコースを進む。
公園の終わり頃、短い区間だけ車道を走らされるが、それは低速コースとの合流直前だからであるようだ。
車道に出て、左から現れた低速コースに復帰するべく、横断歩道のある位置で歩道に戻る。
その小さな段差で前輪が滑り、転んでしまった。
ゆっくりと自転車と一緒に歩道に倒れる。
両膝両手を地面に擦る。
特に左膝はしっかりと擦りむいているのがわかる。スパッツに穴を空けてしまった。
血が出ているだろう。
歩行者の邪魔になるので自転車を起こし、すぐに低速コースを走り出す。
風が強い。
何もない道が続いた。
約50km地点から約61kmのチェックポイントまで、本当に何もないのだ。
景色のほとんど変わらない、ざらざらとした走り心地の道で、無心でペダルを漕ぐ。
14時55分
🐧:向かい風で全然出ませんねぇ。ちょっと足攣りそう
🐧と🐙とはメッセージでやりとりしているが、あまりまめには確認できない。
何もない道では立ち止まる理由もない。
下手に止まると足が攣る。
あ、ほら。
15時18分
🪿:申し訳ないですけどノロノロやってたらひだりふくらはぎ攣ったので伸ばしながら報告
15時31分
🐧:ワイと🐙ここです(マップ画像) ギャップ10km。チェックポイントまで行って補給しやす
15時43分
🪿:残り4.3km。あまりに何もなく辛い道だ。
🐙:辛い
🪿(ここでスマホを閉じて走り出す)
🐧:その先に、聖地あり
🐙:🍃が休憩していた場所
本当に心にくる道。
道の前にも後ろにも歩行者もサイクリストも全く見当たらない。
塞ぎ込むように真下を見つめてペダルを漕いでいると、この先で道路工事をやっているから、と止められる。
車道のコースを走るか、反対側の歩道を走るかと問われ、「じゃあ歩道を」と答えると、交通整理をして渡らせてくれる。
自転車を停めたり発進させたり。
これ自体単純にしんどいし、足が攣るのが怖い。
何とか渡った先の歩道は、ビワイチのために整備されていないため道幅が狭く、舗装も丁寧ではない。
16時15分、チェックポイントである約61km地点の道の駅に到着する。
🐧と🐙が労いの言葉とともに迎えてくれる。お待たせして本当に申し訳ない。
空腹感を感じる。
道の駅の売店で飲み物と太閤焼(ここに来て大判焼きの新たな呼び名を得てしまう)と黒豆羽二重餅を購入。
🐧と🐙は18時の閉店が迫る奥びわ湖ロッヂを目指すということで、また先に送り出す。
寂しいが仕方ない。🪿は18時には間に合わない。
2人がいなくなってから太閤焼を食べたらそれで満足してしまう。黒豆羽二重餅はカバンに押し込んで、痛み止めを飲み直して道の駅を出発する。
またすぐに低速コースと上級コースの分岐が現れる。今度の低速コースは右側に折れる。琵琶湖から離れていく格好だ。ただ目の前の表示に従って進むとまた右に曲がる。来た道を戻っているような気分で、疑心暗鬼に陥る。道はあっているのだろうか。最終的にどのようにして琵琶湖の周りに復帰するのだろうか。わからないが今はただ目の前の表示に従って進むしかない。
畑の間をジグザクに進む。琵琶湖は見えない。
ついに田園風景の真ん中で足を止めてしまった。
それによってまた足が攣る。
風が冷たい。
寒い。
吹き付ける風でペダルが重い。
心が折れていた。
17時10分
🪿:🪿、寒い風強い辛いで心終わった。
またTwitterにも書き残す。
17時13分
🪿:八方塞がり。
🪿:寒いのもどうしようもないし遅いのもどうしようもないし。どうしようもないけどどうしたらいいわけ?
今で60km余り。まだ全体の4割ほど。
一体何時ゴールになるんだ。
寒い。Tシャツにウィンドブレーカー1枚のみ。これ以上どうしようもない。
リタイアってどうするんだろう。
もう60kmも来てしまった。どうやって60km戻るんだろう。
タクシーだってないのに。
🐧と🐙はそれでも続けるだろうか。
終わったのは心だけなんだよな。
辛いが身体はまだ動く。
でも、ここからも長時間、陽が落ちていく知らない街でこれまでの1.5倍以上の時間を、自転車で走るのか。
退屈だし、辛いだけだ。
寂しい。
立ち止まったのは合計5分程だろうか。
ただ走り出す。
心は持ち直していないが、走ることにしたので走り出す。
人のいない道を、大きな声で歌いながら走る。
考えなくても次の歌詞が口をついて自然に出てくる歌を探して歌う。
楽しい。
退屈は克服したかもしれない。
歌いながら漕ぎ続け、18時6分頃に奥びわ湖ロッヂを通過する。
日没とされる時間が近づく。
湖北のこの当たりはビワイチのコースが住宅地を縫っている。こういう景色は少しおもしろい。
18時40分頃、ふと寄ろうとしたコンビニで🐧と🐙に会う。
奥びわ湖ロッヂでの休憩分と合わせて追いつくことが出来た。
とにかく寒いのでコンビニでカップラーメンとホットスナックを食べる。
🐧と🐙がここからは一緒に走ろうと言ってくれる。
ありがとう。
コースを外れたすぐ先には道の駅があるが、もう営業時間は終わっている。
このままコースを進む。ここが折り返し地点だ。
日の落ちきった道を3人で走り出す。
琵琶湖の北の天辺にいる。
また黒い塊になった琵琶湖が遠く先まで続いている。
見上げれば息をのむほどに星が綺麗だった。
あれがオリオン座、とはっきりわかる。
「見上げりゃ輝いてるオリオン座」
この景色から生まれたんだろうか。
ここからの道も何もない道が続く。
アップダウンこそないものの、ずっと山と琵琶湖に挟まれた道を湖岸線に沿ってくねくね進むのみ。
時折琵琶湖の方から鳥が水に潜る音が聴こえたり、カエルの鳴き声が聴こえたり。
この辺が🍃が猿に襲われた場所かな?なんて言っていたら、山の方から猿の鳴き声みたいな音と、木から落ちたような物音が聴こえてきた。
🪿:今の猿かな
🐧:猿っぽかったね
🐧と🐙は後にこの区間についても、何もなく辛かったと語っていたが、🪿には会話があるだけで楽しかった。
風もやっと穏やかになり、路面も走りやすい。
時々くぐるトンネルで響く声が素直に楽しい。
ここまで来ればもう戻るよりも進む方がゴールに近いのだと思うと、前に進む気持ちも軽い。
完走を確信する。
20時20分、約90km地点でコンビニ休憩。
ここまで10時間40分かかっており、時速8.4kmペース。残り7時間ほどかかるペースだ。
午前3時半ゴール。走りきれないということはないが、情けない。
休憩と補給を済ませ、コンビニを出る時、
🐧:ケイデンスが低いかも。もっとギアを下げて秒速2回転でやってみよう
🪿:わかった
残り60kmだ。膝を壊す気でやることにする。
走り出す。
ギアを軽くして足を回す。
こうすると、左膝が庇いきれない。
これまではなるべく左膝で踏ん張ることがないよう、ほとんど力をかけずに右のペダルが上がるのを待ってから、主に右足でペダルを漕いでいたが、毎秒2回転となるとそうはいかない。
街頭のない真っ暗な道をひたすら進む。
風がないのだけが幸いだ。
おしりも手のひらも、痛みに気付いてしまってはいけない。
そういえばさっきのコンビニで見た時計が20時を過ぎていた。前に薬を飲んだのが16時過ぎだったはずなので、また飲める。
21時9分。自転車を停めて薬を飲む。
胸ポケットに逆位置のタロットカード。
🐧:時速15km出てます
終盤に来てこれまでで最大のペースだ。
スピードを意識しながら漕ぎ続ける。夜の湖畔も綺麗なものだ。
🍃が利用した温泉に着く。
勿論日帰り利用は終了している22時過ぎ。やはり時速15kmペース。
再び漕ぎ出す。
途中、チェーンが外れてしまって🐧に直してもらうアクシデントもあったが、🍃が紹介した神社、🥜が寄ったコンビニイートインなどのチェックポイントを踏破していく。
黒豆羽二重餅は1+1が2になる味がした。
長めの休憩を挟んで23時30分、残り25km。
幹線道路を往くトラックのスピードに肝を冷やしながらも着実に進んでいく。
住宅街の間を縫っていく。
歩道もない閑静な道。
先導する🐧と🐙は後ろをついていく🪿のペースに合わせて付かず離れずの距離を保ってくれている。
もうすぐ終わる、という実感が出てくる。
まさか走りきれるとは思っていなかった。
それには膝の怪我もそうだが、それ以外の理由もあった。
3月27日、インターネットを騒がせた存在がいた。
その名も「篠澤 広(しのさわ ひろ)」。
『アイドルマスター』シリーズの新作ゲーム『学園アイドルマスター』(『学マス』)の登場キャラクターとして発表された彼女は大きな話題を呼び、🐧や🐙を含む、アイドルマスターに疎い身内のコミュニティでも話題となった。
それには同時に公開された彼女のソロ楽曲が長谷川白紙による楽曲と思われるということもあったが、それ以外にも理由があった。
寧ろ世間を騒がせたのは彼女のセンセーショナルなヴィジュアルであろう。
身長159cm、体重41kg。BMIにして16.2。
その骨ばった四肢を好意的に受け取る者も、そうでない者もいた。
創作上のキャラクターとして、その人並みならぬ体躯は大きな注目を集めた。
一方で、🪿のBMIは15.0を割り込んでいる。
自分より痩せた人間とは直接対面した経験がない。
これには特定の疾患あるいは精神的な問題などの原因はなく、至って健やかに生活しているので心配は要らないのだが、ただ体質的に🪿はずっと痩せていた。
体型は🪿の大きな特徴の一つであったから、身内のコミュニティでは篠澤広が🪿と結び付けて話題に上げられた。
その内、篠澤広はShino Sawahiroと呼ばれ(🪿しか呼んでいない)、その存在は一人歩きし始めた。
これだけBMIが低いと当然筋量にも乏しい。
遺伝的にも運動はさっぱりで、運動習慣もなく体力もない。
🪿は自分が最もビワイチに向かない体躯の持ち主である、と考えていた。
自分にビワイチが走りきれるとは考えにくかった。
それが今、ビワイチを完走しようとしている。
夜の暗い住宅地を駆け抜けていく。
JRの駅が度々現れるようになる。
明るい看板が見えてくる。
動画で見て予想していたより何倍も小さな市街地が見えてくる。
大きな道路の両側に看板が並んで、店が並んでいる。
洋服屋、車屋、パチンコ店、ラーメン屋、神社、寺院、中古車センター、陽の射す部屋。
🐙:琵琶湖大橋過ぎてるわ!
動画で何度も見たから、その場所に来ればわかると高を括って走っていたらいつの間にか南湖の周回ルートに乗っていた。
マップを確認しながら引き返すと、琵琶湖大橋への曲がり角の店には工事の柵が立てられている。
ぶつぶつ言いながら、琵琶湖大橋に向けて道を曲がる。
琵琶湖にかかる大きな橋は明るく輝いている。
緩やかだが長い上り坂が待ち構えている。
ギアを最も軽くして足をとにかく回す。
立ち漕ぎの🐧と🐙がぐんぐん上っていく。
🐧は後半をほとんど立ち漕ぎで走破した。
膝を伸ばせない🪿は立ち漕ぎができない。
ゆっくりと橋を上っていく。
視界が高くなってくる。
ひたすらに漕ぐのみ。
橋の頂上で🐧と🐙が待っている。
橋の頂上には、眺望の案内板が設置されている。
ついに終わる。
写真撮影をして、ついにゴールのサイクリストの聖地碑に向けて、橋を一気に下っていく。
一度見たホテル周辺の景色。
朝、この道を歩いてレンタルサイクル店に向かった。
26時20分、実に16時間40分かけて、琵琶湖北湖一周150km、ビワイチを達成した。
自転車を降りる。
🐧:ビワイチ達成!!
兄妹の動画にあった通り、この日も誰かがいたみたいだが、🐧が大きな声で牽制する。
真っ暗闇に包まれたサイクリストの聖地碑とBIWAKOモニュメントと一緒に記念撮影をする。
さて、ホテルに帰る。
自転車で。
Q.「あなたにとってビワイチとは?」
「琵琶湖を見飽きる旅」と動画を上手く落とした🥜の答えが大好きだった。
一方で、ビワイチを終えた🪿に実感と共に思い出されるのは、🍃の「挑戦」という答えだ。
自分のこれまでの人生にも勿論「挑戦」はあったが、このビワイチは唯一の苦手への挑戦だったと思う。
この挑戦には今までにない“成功”の実感がある。
ビワイチの完走を勲章として掲げたい気分だ。
「いちばんわたしに向いてなさそうだから」
これはShino Sawahiroがアイドルを目指した理由として語っているものだ。
学マス、やってみようかな、と思った。
帰りにコンビニに寄って、少量の酒とカップラーメンを買ってホテルに帰る。
0時を過ぎるとフロントに預けた鍵が受け取れないってなんだよ。
乾杯をして、ビワイチ完走を労い合う。
🪿:いやー、自分の人生、「挑戦」は色々ありましたけど、このビワイチは唯一の苦手分野での挑戦だったと思うんですよね
🐙:Shino Sawahiroじゃん
🪿:うわ、一瞬でオチ言われた。最悪だ
午前4時前、明日の動きを確認して各々眠りにつく。
3日目
自転車返却・レンタカー移動 @滋賀 守山
4月5日㈮、回覧板前日。
朝8時過ぎ、🐙を起こし、バスに乗ってレンタカーを借りに行ってもらう。
🪿は再入眠。
🐙もレンタカーでホテルに戻り再入眠。
朝11時、🐧を起こし、2人で3台の自転車を返しに行く。
左ふくらはぎと右ふくらはぎと右ももが痛い。左ももはやはり庇われていたようだ。
しかし、意外と歩ける。特に、自転車を押していると幾分楽だ。
自転車を無事に返却し、ビワバイト3000を自腹で購入する。当然だが。
電話でホテルの🐙を起こし、レンタカーで迎えに来てもらう。🐙も満身創痍ながら運転は平気そうで安心する。
ビワバイトで乾杯。
車に乗り込んだ3人は、一路信楽へ向かう。
透明な麻婆豆腐で昼食 @信楽 ちょっと中華な食堂 alo
次の目的地は信楽にあるちょっと中華な食堂 alo。
【秘伝】山奥に透明の麻婆豆腐が存在するらしい…!?この目で確かめに行きました!!【創作中華】
お店はここからは車で50分ほど。
現在時刻は12時。
aloは予約ができないお店で、動画のコメント欄には
「お昼ぐらいに着いてもう本日の料理は完売しましたって言われて泣く泣く帰ったから、行く際は結構早めに行かないとダメですよ〜」
とあったので、なるべく早く行きたいところだったが、流石にビワイチの翌日、ビワイチも予想より時間がかかったこともあり、予定より遅い移動に。
それでもまだ13時到着予想。近隣には他の目的地もあるので、料理にありつけることを祈ってお店へ向かう。
栗東ICから高速道路に乗り、信楽ICを目指す。
信楽は🥜曰く「かの有名な山奥」。
元々は滋賀県信楽町だったが、平成の大合併で甲賀町らと合併し、現在は滋賀県甲賀市信楽町としてその名を残している信楽は、甲賀の市街とは独立し山間部に位置している。
山を抜ける高速道路を進むと、信楽ICの案内が見えてくる。
「信楽IC ETC専用」
ETC専用?
この車はレンタカーであるため、一般レーンから高速道路に入っている。
信楽ICでは降りられない。
とりあえず通過するしかない。
車中で調べてると、「滋賀県の名神瀬田西ICと新名神信楽ICをETC専用に 3月18日から(京都新聞)」という記事が出てくる。どうやらついこの間から信楽ICはETC専用になったらしい。
信楽ICの次、甲南ICで一度降りる。
🪿:ここから信楽に下道で行く方法はないっぽい?また栗東まで戻ることになりそう
🐙:もしかしたら財布にETCカード入ってるかも。🐧探してくれるか
🐧:……あった!
🪿:ナイス!
なんなんだ。ETC専用って。
予定をさらに少し遅れ、信楽ICで降りる。
山に囲まれた場所に畑が広がり、その中に民家が点在している。
細い道を進むと、駐車場を示す看板に辿り着く。
駐車場には空きがあるが、果たして。
現在の時刻は13時30分だ。
車を降りて、店へと歩いてく。
全身ボロボロの3人が足を引き摺りながら看板の写真なんかを撮る。
先に店に向かう里の民の姿があったが、その人がこの道を帰って来ない、ということはまだやってるんじゃないか、と期待しながら真っ白な暖簾をくぐる。
店に入ると空いていたテーブル席へと通される。
よかった、営業している。
綺麗な内装を見回しながら、店員さんを待つ。
そこまでは作ってない、でお馴染みの紙製の小さなメニューもある。
注文は当然決まっている。
3人は全員、麻婆豆腐定食を注文する。
再び内装を見回しながら、間に合ってよかったね、などと話していると、料理が到着する。
動画で見た麻婆豆腐だ。
強い香りがする。これは花椒だ。
🪿🐧🐙:いただきます!
麻婆豆腐にスプーンを入れる。
トロトロというよりもモチモチというほどの粘度がある。
口に運ぶと、手加減のない辛さを感じる。
🥜の言う通り、この見た目ながら米が進む。
副菜もおいしい。
🥜が食べていたものだと大根餅があった。美味い。
一つひとつの味がしっかりしており、創作中華らしく新鮮な体験が一鉢一鉢にある。
🐧:ウフマヨってなんだろう
そう言ってググって、
🐧:へー、そういうのがあるんだ
と、スマホの画面を見せてくれる。
そんな一幕があった。
このnoteを執筆するにあたって動画を見ていたら、
🥜:翡翠ソースってなんだよ? 気になってYouTubeで調べたんだ
🍃:聞けよ店員さんにw
というやり取りがあった。
なぞる旅だ。
そして、これは動画とまるで同じ着眼点になってしまうが、やはり器がかわいい。
3人の器もそれぞれ違う。
🪿:そういえば、僕らは知ってて来てるから、目の前に出されたこの透明な麻婆豆腐をそういうものとして受け入れてるけど、それって麻婆豆腐側からしたらちょっと甲斐がないよね
🐧:初見だったら絶対びっくりするもんな
感動ともに完食する。
食べ進めてみるとボリュームもかなりある。女性なら食べきれない人もいるのではないかというくらい。
普段なら撮らない完食後の器の写真も撮る。
動画に倣ってコーヒーと杏仁豆腐も追加で注文する。
出された器がまさに動画に登場したものであることに気付き、一層記念写真の撮影に熱がこもる。
ちなみに定食のお皿を見返すと、🐧が2ヒット。🪿と🐙は0ヒットだった。
杏仁豆腐も予習の通り、2層仕立てのクリーミーな味。
こだわりのコーヒーもおいしい。唯一普段からコーヒーを愛飲する🐧もかなり気に入った様子だ。
🪿🐧🐙:ごちそうさまでした!
お会計の際、店員の女性に「ピーナッツくんですか?」と声をかけていただく。
以前は地元のお客さんが主だったが、動画の反響で色々なとこから来てくれる、と嬉しそうに語られる。
遠くは佐賀や佐渡島からも、というのに乗じて
🐙:札幌から来ました
と言う。
是非、「遠くは札幌からも」と言われに行ってください。
🐧と🐙はマイヤンジャージを着ているし、写真を撮る際にはマスコットキーホルダーを出すこともあった。
”どう見ても”、の私たちは声もかけやすかったことでしょう。
イベントでは何をやるんでしょうね、と🍃🥜の活動にも注目してくれているよう。
厨房の奥から店長さんらしき男性にもご挨拶をいただき、非常に丁寧な店だったと思いながら白い暖簾をくぐって外に出て、ゆっくりと引き戸を閉じる。
引き戸が開く。
「お客さん、カバンこれ違いますか?」
🐧:僕です、すいません
セカンド昼食・たぬきバーガー @信楽 澤善
腹ごしらえを済ませ、すっかり満腹の3人が次に向かうのは、ぽんぽこちゃんねる初期の動画「共食い!!たぬきバーガーを食す巻【バーチャルYouTuber】」に登場する、窯元 澤善。
え、満腹。
aloから田舎道を進むこと5分、お店に到着。
しかし、これは、営業しているのか?
動画にはあった「お食事館」の看板もない。
開いとる店やったら開いとるけど、閉まっとる店やったら閉まっとるからなぁ。
車を降りて確認してみると、やはり営業していないようである。
定休日ではないはずだが。
外から写真だけ少し撮らせてもらい、澤善を後にする。
「犬が逃げたらしいよ」「甲賀忍者ブラックコ」など、好きなシーンの多い動画だっただけに残念だ。
胃袋は守られた。
『KidsRoomMan』MV撮影地見学 @信楽 陶芸の森
澤善から車で10分、県立の公園・陶芸の森に到着。
陶芸作品などの屋外展示が鑑賞できるこの公園は「ピーナッツくん - KidsRoomMan (Prod. nerdwitchkomugichan)」に主なロケ地として登場する。
山の斜面に作られた公園の最奥の駐車場に車を停めると、さらに斜面の上の方に、MVに象徴的に登場する石造りの作品らしきものが見える。
まずはMVを確認して、この公園で撮影された思しきシーンを整理していく。
車を降りて、やはりボロボロの身体を引き摺って坂道を上る。
星の広場。
あった、このモニュメントだ。
近くで見ると意外と高さがない。しかし中は想像よりも広い。
ここで、着ぐるみを着て、なんて考えながらモニュメントをしげしげ眺め、記念撮影をする。
その他、MVに登場する景観を探しながら公園中を散策する。
公園はちょうど桜が見ごろだ。
MVには陶芸の森以外で撮影されたであろうシーンもいくつかある中で、冒頭などに登場する吊り橋については陶芸の森で撮影されたものと考えていたが、どうやら公園内にMVに登場するような吊り橋はないようである。
一通り公園の散策を終えて車に戻る。
吊り橋はこの公園ではなかったのか。
そう思いながら、🐙の思い付きでこの近くにそれらしき吊り橋がないか調べてみる。
あった。すぐに見つかった。近い。
現在時刻は16時30分。次の予定あるいは日没まではまだ時間がある。
急遽、その吊り橋を見に行くことにする。
『KidsRoomMan』MV撮影地見学その2 @信楽 保良の宮橋(玉桂寺)
三度田舎道を進むこと10分、その吊り橋は突如として目の前に現れる。
カーブを曲がり、駐車場に向かう道の上を橋が渡されている。
駐車場に車を停めて橋の下まで行くと、橋への案内板がある。
案内板の示す方に行くと橋を渡ることができる。
吊り橋は今🪿たちがいるお寺側と、反対側の無人鉄道駅を結ぶように架けられている。
橋の下には川があり、その先の線路の上を通って駅へと道が続いている。
橋を渡ってみる。
揺れはするが、足元から真下は見えないし、特段高いところが苦手でなければ平気だろう。
無骨な鉄板とワイヤーで作られた橋で、正直これと言った見応えのあるものではない。
しかし、ここでも着ぐるみで撮影に臨んだ🥜のことを想像せずにはいられない。
陽が落ちてきて図らずもMVと近しい条件になった中で記念撮影をする。
たっぷり1時間ほど楽しんだ吊り橋を後にする時だ。
🐧:明日の朝に就活関連の用事入った
🪿:あら
本格麻婆豆腐ディナー @水口 湖南飯店
見出しでネタバレになることは受け入れるしかない。
次の目的地は、「【至高】町の中にある中華屋さんで大好物の本格麻婆豆腐を食しに行く!!【町中華】」から、甲賀市は水口にある湖南飯店。
水口も信楽同様、水口町が合併により甲賀市水口町となった地域。守山の方から街並みが続いており、甲賀市の中では比較的栄えている印象のある地域だ。
吊り橋からは峠道を超えて30分ほど。
信楽は甲賀市の他地域とは少し離れているため、水口の辺りに来てやっと、「動画で見てイメージしていた甲賀」に近い風景を見る。
車で少し休憩をしてから、予約していた19時に入店する。
店に入ると予約席に案内される。小上がりだ。
履物をぎこちなく脱いで席に着く。
例によって注文は決まっている。
旅程の都合でランチ営業に来ることができなかったのは残念だったが、ディナーメニューの夜定食でも🥜が動画で食べていた陳・麻婆豆腐を食べることができる。
本日2食目の中華、2食目の麻婆豆腐。本旅行3食目の中華。
3人全員、陳・麻婆豆腐を注文。選べる点心(からあげor水ぎょうざ)も良い感じに注文する。
🥜 - サラダ + 点心。
店内は賑わっていて、一階の席は見渡す限り満席。
しかし料理は特に待つことなく運ばれてくる。
鍋によそわれた麻婆豆腐が、動画にあった通りまさに”ぐつぐつ”と音を立てながら目の前に。
鍋敷にはレタスが。
🐧:3分の3で敷いてあったらそれはもうそういうものですね
🪿:4分の4だよっ
🪿🐧🐙:いただきます!
まずは麻婆豆腐から一口。
肉と豆腐の味がしっかり感じられる。
あまり辛くないのかも?と思ったところで後から辛さが来る。
🐙:昼の麻婆豆腐とは麻辣の両極端という感じ
🐧:aloがマーで、ここがラーね
美味い。
米が進む。
高菜の漬物でも米が食えてしまうのに。
お口直しにスープに手を伸ばす。
甘い。一見ただの卵スープだが中にコーンが入っている。
麻婆豆腐、水餃子、スープがどれもお店独自の味を極めている一方で、唐揚げは王道路線の味付けになっているのがまた良い。付け合わせの野菜と合わせてあっさり食べられるので、箸が止まらない。
しかし辛さは知らず知らずの間にどんどん効いてくる。
🪿は辛い物を食べてもそこまで汗をかく方ではないが、じわじわと汗が出てくるのを感じる。
そこに卓上のラー油をかけて食べてみる。
なるほど美味い。より塩味が増すような印象だ。
🥜がこのラー油を主人公だというのも頷ける。
ただ、それだけラー油を加えると麻婆豆腐の味は大きく変わる。
🪿としてはそのままで食べた方が辛さと具材の味がしっかり楽しめるという印象で、ラー油は一口単位で味変に使って食べ進めたい。
湖南飯店の一人前もしっかりとしたボリュームがあって、食べ終わると胃袋は限界に近い。
しかし、動画には続きがある。
メニューを見ながら、🥜自身も記憶が霞んで何を頼んだか覚えていないデザートが杏仁豆腐であることを特定し、注文する。
本日2食目の中華、2食目の麻婆豆腐、2食目の杏仁豆腐。
杏仁豆腐も大きい。
昼間のとはキャラクターの違うシロップ漬けの杏仁豆腐だ。
満腹だったはずが、フルーツと交互にどんどん喉を通っていく。
しかし今度こそ限界。ディナーメニューにアイスコーヒーが見当たらなかったことを体のいい言い訳にする。
🪿🐧🐙:ちそさま!プルルルルルルル!
さて完全に満腹の一行。次の予定は家系ラーメン。
席から立ち上がれないまま考える。
食えるのか?
それでも🪿は次の予定を諦めきれないほどに楽しみにしていた。
移動しながら胃の容量が空くのを待つことにして、とりあえず予定通りラーメン屋に向かうことにする。
20時に退店。
目指すラーメン屋がある大津市に向けて高速道路を走行中、閃く。
🪿:今から一旦あがりゃんせ行くのどうですか?
🐧:結構アリ
🐙:行きますか
あがりゃんせは元々、翌日の回覧板終了後に行く予定だったが、別に何度行ったっていいし、眠気はあるが体力はないという今にぴったりの案だ。
温泉&サウナで腹ごなし @大津 スパリゾート雄琴 あがりゃんせ
途中、コンビニでの休憩も挟みつつ、21時40分頃、スパリゾート雄琴 あがりゃんせに到着。
駐車場の夜桜が綺麗に咲いている。
正面の玄関をくぐるといきなり、動画にも登場する天下一品の屋台のフィギュアがお出迎えしてくれる。
イラストの再現度の高さに、写真撮って見ながら描いたんだろうな、と気付けるのも、実物を見たからこそだ。
靴箱に靴を入れる。
靴箱の鍵を持ってフロントに向かう。
フロントでは店員さんがまず鍵をスキャンしてくれる。施設内での支払いはこの鍵に記録され、退館時に精算機で支払うシステムになっている。
入館料はナイトキャンペーンで税込み1200円。フェイスタオル・バスタオル付き。安い。
暖簾をくぐり男湯の脱衣所へ。暖簾をくぐった先の通路にはあがりゃんせを訪れた著名人の写真が飾られている。写真は性別に関係なく並んでいたが、この写真は男湯の利用客しか見られないのだろうか。脱衣所でロッカーに荷物を預け、いざ浴場へ。
まず洗体を済ませてから、露天風呂へと向かう。
風が身体を冷やす。
琵琶湖を一望できるお湯を求めて、浴場を奥へ奥へ進む。
あぁ、真っ暗だ。
当然である。陽はとっくのとうに沈みきっており、目の前の琵琶湖は三度漆黒である。
とりあえず湯に浸かる。
気持ちがいい。
ビワイチの完走からまだ一日と経っていない身体だ。
聖地巡礼の心持ちとしてのメインはサウナだが、まずは温泉で身体をほぐしたい。
あがりゃんせには非常にバラエティに富んだ浴槽が用意されていた。全部で10種類以上あるだろう。
浴場内を一通り見て回ってから、ついにサウナに入る。
表には高温サウナ、と書いてある。
サウナ室はとても広く、空いている。席は最大で三段目まである。
サウナストーンのすぐ近くの席につく。
そこは二段目までしかなかったので二段目に座る。
ロウリュをすることはできないため、湿度・体感温度はあまり高くない。
7分ほど入ってしっかりと汗をかき外に出る。
シャワーで汗を洗い流してから水風呂に浸かる。十分な深さがある。
水風呂を出て、露天風呂に向かうドアを開ける。
屋内にも椅子はあるが、涼しい風の吹く外にもたくさんの椅子が用意されている。
椅子を軽くお湯で流してから横になる。
整う。
目を閉じて全身に風を感じる。
右から吹く風は琵琶湖から吹く風だ。
もう一度琵琶湖を望む。
やっぱ琵琶湖暗ぇわ。もうダメだ。
暗い。
整いが落ち着いたところで2セット目に入る。
まず浴場入口のウォーターサーバーで水を一杯飲む。
2セット目は昨年12月にできたバレルサウナに入る。
🥜が動画を出した当時はなかったものだ。
1セット目は一人でこなしたが、ちょうどよく🐧と🐙と合流し、一緒にサウナ室内へ。
当然広くはないが、先客は一人のみだった。
バレルサウナはさっきのサウナ以上にドライだ。
サウナ内の窓から琵琶湖が見える。はずだ。暗くて見えない。
いまいち温まった実感は得られなかったが、熱さに耐えかねて外に出る。
バレルサウナ横には水風呂はなく、代わりに冷水シャワーが用意されている。
冷水シャワーに入る。シャワーは羽衣が作れないし、髪の長い🪿は髪を濡らすとシャワーを出た後も冷水を保持することになるので苦手だ。
椅子に横になる。
1セット目ほど深く整うことはできないが、それでも外の風で身体を乾かすのは気持ちがいい。
水を飲み、再び高温サウナで3セット目を始める。
今度はサウナストーンからは離れ、三段目に座る。
かなり長めに時間を取ってからサウナ室を出る。
水風呂に浸かり、外に出る。
空を見上げながら、色々なことを考える。
23時30分、閉館時間の30分前になり、閉館を知らせるアナウンスが流れる。
それまでかかっていたお琴のBGMが一転、蛍の光に変わる。
🪿が横になっているすぐ隣の壺湯に🐧が入っているので、🪿もそのひとつ隣りの壺に収まる。
空を見上げながら考えていたことを今度は🐧相手にアウトプットしてみる。
いつもよく聞いてくれる良い友人だ。
🐙もさらに隣の壺に収まっている。
耳に流れてくる蛍の光に、ふと歌詞が浮かぶ。
🪿:会社でおしりを丸出しにする
🐧:あぁ あぁ おしりを出さなきゃよかった
浴場を後にし脱衣所にいる間も、絶えず無限ループで蛍の光は流れ続ける。
服を着て髪を乾かしロビーに出る。
精算機で支払いを済ませて靴を履くとき、それでもしゃがみ込むと足が痛む。
結局退館までの30分間、音楽に合わせておしりを出し続けた。
車に乗り込み、次の目的地を確認する。
もう心配は要らない。
いざ、ラーメン屋。
クイズ クイズ ザ・深夜 @大津
生きとし生けるもの、全て深夜に狂う。
ということで、一晩の深夜の行動のその後を予測するクイズ、
『クイズ ザ・深夜』。
……の、撮影の裏側に迫るクイズ、
『クイズ クイズ ザ・深夜』
三問全問正解したら経費でカメラ。
あがりゃんせから車で約30分。
まず最初の目的地は横浜家系ラーメン 魂心家。
現在時刻は0時30分。正真正銘深夜だ。
食券を購入し、席に案内されるのを待つ。
注文するのは動画と同じ味玉ラーメン醤油。
🪿と🐙が硬め・普通・少なめ、🐧が硬め・濃いめ・少なめ。
勿論ライスも食べる。これは義務。
🪿🐧🐙:いただきます!
美味い。
今更説明不要の家系ラーメンだ。
普段は硬め・濃いめ・多めにするところを深夜にビビッて硬め・普通・少なめにしたが、特に不満はない。
太めの麺を胃袋に流し込んでいく。
深夜に食うラーメンが1番うまいですからねぇえーーyeah★
んーーnya🐈★
🪿🐧🐙:🙏
超満腹だ。苦しい。
この後の予定に備えてコンビニでストゼロを買っておく。
車の後部座席でぐったりしている🪿をよそに、車は走り出す。
次の目的地は海だ。🍃:琵琶湖だろしかし詳細な場所は明かされていない。
ヒントとして、琵琶湖の観光船、うみのこかミシガンの停泊する場所であることが指摘されている。
またその次の目的地がラウンドワンであることも考慮して候補地を絞り込んでいく。
この近くにはラウンドワンは一つしかない。
地図を睨む。
あった。
📍ミシガンクルーズ(大津港/琵琶湖汽船)
これだ。
早速車での進入を試みる。
しかしどうやら入れないようだ。
諦めて通りに戻ると目と鼻の先にラウンドワンがある。
近いな。
順番が前後してもいいか、とラウンドワンに向かう。
駐車場に向かう途中、前方に船が停泊してるのが見えたんです。それでぼくも
🐙:そこ歩いて行けんのかな
🐧:行けそう
🪿:(満腹)
車を降りて一度駐車場を出る。
行ける。船の近くまで歩いて行ける。
そして、動画に登場した時計も発見する。
間違いない。ここが海だ。
深夜にラーメンを食べて火照った身体を潮風に晒す。
風をあつめて。
第1問
ここで第1問。
この日、港には動画に実際に登場した船も停まっており、船体に書かれた名前を確認することができました。
さて、あの船は実際には「うみのこ」or「ミシガン」どちらだったでしょう?
クイズ クイズ ザ・深夜。
正解は、「ビアンカ」でした。
この日、港に停まっていた船は二隻。
うみのことビアンカだ。
動画に映っていたのはシルエットからしてビアンカだろう。
港に到着したのが1時30分。
潮風にあたりながら、記念撮影をしていて気が付く。
動画で時計が示していた時刻、1時47分が近い。
おれはI dont know
その時を待とう
時計をばっちりカメラに収める。
ちなみにこの時計は2分ほど早いので、巡礼者には注意されたい。
撮影を済ませ後ろを振り返るとラウンドワンが明るく営業している。
随分とコンパクトにロケ地が位置しているのが面白い。
この様子じゃこのラウンドワンの建物内に証明写真機があるのでは、なんて考える。
港を後にしてラウンドワンに入店する。
第2問
ここのラウンドワンは2,3階がスポッチャ、4階がボウリングのフロアになっています。
🥜はどちらのフロアに先に行ったでしょう?
クイズ クイズ ザ・深夜。
正解は、「スポッチャ」でした。
そして恐らく🥜は4階には行っていない。
動画に出てくるボウリングのシーンは、スポッチャ内のミニボウリングで撮影されたものだろう。
しかし、ラウンドワンで遊び慣れていない3人がこの時そんなことを知る由などない。
ビワイチ完走からまだちょうど24時間しか経たない身体では、端からロデオやサッカーなどをやる気はない。
ボウリングを1ゲームだけやって帰ろう、と4階へ上がる。
ここではソロきつ選手権も兼ねているため、ボウリング場内では単独行動をする。
それぞれ自動受付機に向かってボウリングを1ゲームだけ始める。
店員さんに一緒の席じゃなくて大丈夫ですかとお声がけいただくが、空いている様子だったので、別々の席で遊ばせてもらう。
まずはボール選び。動画で登場した色味のボールを探すが見当たらない。それも当然、🥜がやったのはミニボウリングなのだから。諦めてそれぞれ1ゲームを消化する。
ボウリングだってとてもできるような身体じゃない。
楽しいのかもよくわからないまま1ゲームだけでボウリング場を後にする。
ボウリングに関しては正直ソロでもそこまでキツくない印象だ。
外に出て、虚無になる。
広い外の駐車場にはやはり車がほとんど停まっていない。
さて、順番は前後してしまったザ・深夜。残すは絶対不採用証明写真の撮影とポケモンごっこだ。
ただどちらのロケーションも場所を特定する要素があまりに乏しい。
場所の特定は諦めて、ホテルの方に戻りながら道中のコンビニでシャボン玉を購入して、どこかで適当な証明写真機に入ることにする。
ラウンドワンからすぐ近くのコンビニへ。外には証明写真機もある。
しかし証明写真機はどうやら動画に登場したものとは違う機種のようだ。
店に入ってシャボン玉を探す。
あった。
動画で登場したものと全く同じものだ。
シャボン玉を買って車に戻る。
シャボン玉はどこか公園にでも行ってやればいい。それこそホテルの近くにはサイクリストの聖地碑もある。
ホテルの方向に車を走らせながら考えるのは証明写真機のことだ。
湖畔とラウンドワンが直結していたことを知るという経験から、撮影時の🥜の足跡を読み取るように考えてみる。
コンビニに証明写真機があったからと言って、動画のネタとして証明写真機を使おうだなんて考えるだろうか。
それこそやっぱり、証明写真機はラウンドワンのところにあったのではないか。
いまいち決定的な結論に達しないまま考えていると、泥臭く行動した🐧が結果を出す。
🐧:この先に証明写真機があるらしい
🐧はGoogleMapで証明写真機を検索してみたらしい。すると、無味乾燥にも「証明写真機」として登録された場所が近くに表示される。
🪿:そこな気がするな。証明写真機がそれ単体で目立つような感じで存在するからこそ動画のネタになったんじゃないかな、とちょうど考えてた
🐙:それで、それはどこにあるの?
「証明写真機」はラーメン屋とラウンドワンの間にある。
説得力が増す。
到着する。
なるほど、証明写真機がぽつねんと野晒しで置かれている。
車を降りてカーテンをめくる。
背景が青い。
機体のプリント例を見ると、台紙の模様が同じだ。
確信する。
ブース内の補助線も動画に映り込んだものと一致する。
見つけた。
明確に撮影者の息吹を感じるこの一連の流れに3人は興奮が治まらない。
撮影は1枚900円。動画の頃からは100円値上がりしている。
一人ずつブースに入って絶対不採用証明写真を撮る。
白目を剥く都合上、プレビューの確認や画面操作が難しい。
3人で協力しながら、ストゼロを構えて写真を撮影する。
ただ、画角に関しては後から顎と頭頂部の設定ができるので、大雑把に撮ってから調整ができる。
印刷されて出てきた台紙のデザインが動画の撮影当時とは変わってしまっていたのは残念だ。
第3問
この証明写真機では、上手に撮れているか、撮影した写真をAIが確認してくれます。
当然、絶対不採用正面写真はNG判定になるのですが、AIがNGとした項目はどれでしょう? 次の内からすべて選んでください。
①顔の位置
②口が開いている
③目つぶり
④人が写っていない
クイズ クイズ ザ・深夜。
正解は、④のみでした。
「顔の位置」「口が開いている」「目つぶり」については「OK」だそうだ。
絶対不採用証明写真も撮影し、ザ・深夜、残すはポケモンごっこのみ。
証明写真機の確信的な特定に舞い上がった3人は、改めてポケモンごっこの撮影地特定に乗り出す。
畢竟、その撮影地はシャボン玉を購入したコンビニの駐車場らしかった。
唯一の手掛かりである街灯も、形のよく似たものがコンビニの駐車場にある。
しかし、車通りの多い道路沿いであったため、今回はここでのポケモンごっこを見送ることにする。
4時20分。ホテルの駐車場に着く。
他に人もいないのでここでポケモンごっこをする。
充実した深夜になったなと振り返る。
食事も風呂も済ませてあるので、部屋に帰ってすぐに眠りにつく。
4日目
4月6日㈯、ついに回覧板当日。
朝7時40分。🐧を起こす。昨日急遽決まった就活関連の用事のため、一人守山駅近くのコワーキングスペースに行くのだ。
二度寝されるが無事に送り出し、🪿も二度寝をする。
本格担々麺をすする @守山 中華麺飯 點心
11時、今度こそ起床。
11時30分頃
🪿:まだホテルにいるけど、あとどれぐらいで出たらいいかなー?
🐧:今終わった
🪿:あ、了解。まだホテルにいますが、なるはやで出ますわね
🐧:アザス
🪿:待ちの間にチケット発券とかしといてくれたら良いかと
🐧:そうっすね。コンビニで発券してきます
12時頃
🐧:発券完了。一階席の真ん中あたりかな
🪿:あと10分で着きます
🐧を拾ってさらに10分。
到着したのは中華麺飯 點心。
【話題】みんな大好き!町の中にある中華屋さんで本格坦々麺をすすりに行く!!
ランチ営業の予約はできないお店で、回覧板当日のお昼時ド真ん中ということもあり、多少の待ちは覚悟していたものの、駐車場にも空きがあり、待つことなく席まで通される。
待合室にも憧れがあったが、動画で🥜が案内された席の隣の、窓に簾のかかったよく似た様子の席に案内されてうれしい。
当の席は二人席なので実質最も良い席だ。
この旅4食目の中華。例によって注文は決まっている。
黒ゴマ担々麺を3人前頼むと、店員さんが「ランチは半チャーハンがつけられます」と案内してくれるので、勿論3人とも半チャーハンをつけてもらう。
店内は自分たちが入ったすぐ後に満席になった。
お客さんの中にはグッズを身にまとった里の民らしき人もいれば、そうでない様子の人もいる。
お店は滋賀県の中では比較的人の多い地域にあるが、お店の隣が空き地になっているのもあり、目の前の道にはのどかな雰囲気が漂っている。
動画の通り窓から差し込む光が綺麗だ。
店は忙しそうに見えるが、注文から10分ほどですぐに料理が到着する。
🪿🐧🐙:いただきます!
まずは担々麺から。
あぁ、美味い。
麺をそのまま啜るとサラサラとしたスープの香りがよく楽しめる。奥にはダシの味わいも感じられる。
肉や具材を絡めるようにして口に運ぶと、コクの感じられる奥深い味わいになる。
味のバランスが非常によく取れている。
黒ゴマ担々麺に求めるのはこのコクと刺激の絶妙なバランスなのだ。
これは今水を飲んだら絶対に美味い。
しかし、最大出力のために水ではなくチャーハンを挟む。
ちゃんとパラパラになったチャーハンだ。
味付けはあっさりしているが、旨味がちゃんとあり担々麺の味に負けていない。
そしてまた担々麺に戻る。
動画に倣って追加で餃子を注文するのだが、この旅では既に2食も食べてきた麻婆豆腐に、比較の意味でも興味が湧いてくる。
餃子と麻婆豆腐を追加注文する。
綺麗な焼き色が付けられた餃子と、これまたこれまでの2店とは全く見た目の違う麻婆豆腐が運ばれてくる。
たれを少しつけて餃子を口に運ぶ。
優しい味だ。美味い。
メニューを見返すととても品数が多いのだが、担々麺、チャーハンに加えてこの餃子を食べて、この店の味の方向性がよくわかった気がする。
麻婆豆腐も一口。
うん。深みのある味の上にしっかりとした辛さもある。美味い。
🐧はここでも汗を吹き出させている。
最後にまた坦々麺のスープを飲み、ついに水を飲む。
すっきり冷たい。
外はまだ明るいが叫び出す。
🪿🐧🐙:ヤーーーーーーー! ごちそうさまでした。
お会計を済ませ店を出る。待合室どころか店の外までお客さんが列をなしている。
里の民のようだ。
さすが回覧板当日。
そのため自由に外観の写真を撮るのは憚られたが、混み合う前に店に入れた幸運を再認識する。
次の予定も時間が決まっている。行こう。
次の目的地に向けて買い出し @草津 ドン・キホーテ
次の予定の前にまずは買い出しだ。
動画を見ながら必要な物品をリストアップしていく。
となれば向かうべきはドン・キホーテだ。
道中、現れたなごやか亭に反応しつつ、車で30分、ドン・キホーテ草津店に到着する。
外には餃子の無人販売所がある。動画に出てきたものとは違うようだが。
売り場は2フロアに分かれるが、まずは1階を進む。
明確な目的が存在する自分たちに、ドン・キホーテの”順路”は煩わしい。仕方のないことではあるが。
レジ直前の飲料コーナーで、目的の飲み物たちを物色するが、ズバリそのもの、というものはほとんど見つからない。あったのはペットボトルのコーラとCCレモンくらいか。
これも仕方がないので、それっぽい缶の飲み物を選ぶ。
ワインも、恐らく同じシリーズだろうというものは見つけられたが、全く同じものはないようだ。見た目重視で最も近いものを買い物カゴに入れる。
この階の分の会計をまず済ませてから、次に2階に向かう。
目当ては”お札シューター”だがこれも見当たらない。
小さなお札が飛び出るクラッカーがある。むしろこれしかない。ないよりはましだろうとこれを買って店を後にする。
🐙がお手洗いに行っているので、この間に🐧とセリアに立ち寄る。
目的はA4のクリアファイルだ。
回覧板に関する案内として🍃がA4のものを持ち帰る準備をしてくるようにとアナウンスしていた。
入店し、文具コーナーに直行すると、ウィリアム・モリスデザイン(所謂”Bokeh柄”)の商品が展開されていた。
実際に店頭で見るまでそれがセリアの商品であることは忘れていたが、これは好適とBokeh柄のクリアファイルを購入し、ホクホクで車に戻る。
時刻は14時15分。次の目的地の予約時間に丁度いい時間だ。
『Drippin’ Life』MV撮影地見学 @湖南 貸しスタジオ
守山と甲賀を行き来する際に通過していた街、湖南市。
その外れの斜面に造成された住宅街を登っていく。
15時。予約していた貸しスタジオに到着する。
ここは「ピーナッツくん 『 Drippin' Life 』Official Music Video / Album "False Memory Syndrome"」の撮影が行われたスタジオだ。
ノリで応募した回覧板のチケット当選後、滋賀観光遠征の計画を話し合った際の最大瞬間風速は、
🪿:Drippin' Lifeのスタジオって滋賀なのかな?
と言った時だった。
調べると、間違いなくここだろうというスタジオはすぐに見つかった。
これは”キモい”旅行になってきたな、と言い合いながら予約をした。
管理のスタッフさんに自由に見ていいと言っていただき、早速敷地を見学する。
ただし、母屋の2階は準備中とのことで、そこだけは入れないという。
入口の門から石畳のスロープを登ると広い庭がある。
庭には池があり、池を橋で渡った先に母屋がある。
庭には桜の木が植えられていて、ここでもちょうど満開だ。
庭にはプールや小さな芝庭もある。
どれもMVに登場する風景だ。
母屋の玄関を入るとすぐにLDKがある。
ソファやテーブルもMVに登場するものが置かれている。
LDKを出てシャワールームを見に行く。
ここはMVに出てこない。MVに出てくるバスタブも見当たらない。どうやら浴室は2階にあるようだ。
クラッカーも買ったので浴室が見られないのはすこし残念だが、気を取り直してベランダに出る。
ベランダとLDKの間には大きな窓があり、そこからベランダがよく見える。
そのベランダからは湖南市の街並みが一望できる。
街を野洲川という大きな川が貫いていて、川に沿って植えられた桜が桃色の線を引いている。
このベランダに出て一層、あのDrippin' Lifeの撮影地に来たという感動が押し寄せてくる。
一通り見て回ったので、あとは時間いっぱい記念の動画や写真を撮る。
テーブルの上にドンキで買ってきた飲み物を並べてみたり、ソファにあの頃はなかったグッズを並べてみたり。
MVの撮影時には咲いていなかった桜の下で記念写真を撮る。
自分だけの思い出を残す。
3人が思い思いに写真を撮るなどして楽しんでいたその時、🐙が偉大な発見をする。
🐙:そこの離れの中にお風呂があるわ
🪿🐧:!!
離れの中にも入ることができる。
スタジオの残り時間は長くない。🐧が急いでクラッカーを取りに行く。
これで一通りMVに出てきた場所を見て回ることができたんじゃないだろうか。
3人でバスタブに収まり、クラッカーを発砲する。
降ってくるお金のrain。
面白くて急死。
スタジオの原状復帰をして1時間の見学を終える。
”キモい”旅行に大満足してスタジオを後にする。
帰りがけ、行きの車窓からは上手く撮れなかったフレンドマートの看板の撮影に成功する。
ぽこぴーの回覧板~in滋賀~ @大津 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール
🪿:マジでなにやるんだ
🐧:マジでなにやるんだ
🐙:マジでなにやるんだ
マジでなにやるんだ。
17時半。駐車場に車を停め、ホールへと歩いていく。
滋賀には3日前からいるが、ほとんど里の民と出くわすことがなかったため、突如上昇した里の民率にたじろぐ。
正直、馴れ合い禁止現場の方が居心地は良い。
ホールに入るとさらに多くの里の民が。
会場の規模感を初めて感じ取る。デッカいデッカい。
チケットを手元に用意して、入場整列を受ける。
”気合いの入った格好”にまたたじろぐ。
🪿も黄色い服を着ているんだ、気を強く持つ。
ブバブボのポスターに感動して、入り口のアーチに感動していたら、
入場時に立派すぎる回覧板を手渡されて大感動する。
回覧板がちゃんとしすぎている。
A4のカバンと言われて、回覧板の”モノ”があるのだろうとは思っていたが、ペライチのフライヤーのようなものを想像していただけに、🍃のサービス精神の高さを感じる。
ありがとう。
ホワイエを進むと、等身大のフィギュアが目に入る。
さらに大きな感動で胸が苦しくなる。
ネタバレがないようにここまで来れてよかった。
🍃と🥜の等身大フィギュアの間には澄んだ琵琶湖が輝いている。等身大さんとの邂逅は2回目でも慣れない。寧ろ感動は大きくなった。
開演前に物販に寄れたらいいなと思っていたが、列はホワイエを遠く曲がった先まで続いており、整列のスタッフさんは今並んでも開演には間に合わない旨を通知してくれている。
気付けばもう開演10分前になっている。
席を確認して座る。
一階席下手の前方から2ブロック目、中央側の通路から三人並んで座る。
座席のおおよその位置は発券時に🐧に聞いていたが、実際に座ってみると間違いなく良い席だ。
絶対的にも相対的にもステージが近い。
配られた回覧板を読んだり、回覧板と一緒に配られたフラッグについて意思表示に使うんでしょうねなどと話したりしながら開演を待つ。SEの1曲に某探偵事務所の案内動画を思い出す。
マジでなにやるんだ。
突然、チャンチョによる影ナレが始まる。
聞き漏らすまいと会場全体が静かに耳を傾ける。
チャンチョから開演前の注意が説明される。
間違いなく今この場で読み上げている息遣いだ。会場の空気に呼応しながらチャンチョがその役を務める。
チャンチョの影ナレが終わると客席の照明が落とされる。
チャンチョが直前に言った通り、非常口の案内も消灯したな、などと思う。
しばらくした後、SEが「ワンダーナイトギミーナイト」に変わるとなぜか客席は手拍子をし始める。
その後でSEの音量が上がり、完全暗転する。いよいよ開演だ。これは演者の意図するタイミングだったのだろうか。
「お気楽KING」のイントロとともに緞帳が上がり、舞台セットの前でスポットライトを浴びる着ぐるみの🍃🥜が現れる。
目の前に確かに表れた2人の姿に、気を抜いたら泣きそうになる。
お気楽なナンバーから2人の「みんなを喜ばせたい」という思いが伝わってくる。
そして改めて、会場の大きさを自分も感じる。
自分はぽこピー展が札幌に来た際に空っぽの着ぐるみを見てはいたものの、今日が🥜を直接見るのは2回目、🍃についてはこれが初めてだ。
やっと見ることができた、なんてありきたりな感動だがそれも一入だ。
ウーファーから低音がしっかり出ていてうれしい。
座った位置は左右の音響がバランスよく聴こえる中でのちょうど最前と言えるくらいの位置だろう。
セットでは中央に高く掲げられた看板が目を引く。
電飾で彩られたその看板は「NUTS TO YOU!」を彷彿とさせる。
電球が規則的に明滅するのを目で追いながら、ふとこれが3DCGではなく実際にそこにあることに動揺すらする。
そして、いつもの和室を思わせるパネル部分には、ワクワクと安心が共存している。
なんてキュートな塩梅なんだろう。
歌い終わって音楽が止まる前にガンガン喋り出すいつもの🍃の締まらなさに、よく知った感覚を覚える。
続く「言の葉のうた」について
🍃:宝物の曲です。マジで
本当にそうだ。おめでとう。5年以上経つけど。
サビで
🍃:みんなも!
と言われて出そうとした声が震えていることに気付いて歌うのをやめる。
オレは泣かない。
回覧板の開幕を宣言し、2人がはけていく。
幕間に映像が流れる。
ただただ、「良い」としか言えない。
2人のこのテイストが好きなんだ。
これからもツアーとして続くイベントを象徴する映像としてこれが作られたことがうれしい。
かわいい、明るい、懐かしい、面白い、優しい、楽しい。
タンタンタラリロ。
幕間映像が終わってスクリーンにはいつもの3Dの2人の姿が映し出される。
いつもの和室、背後の窓には琵琶湖。
いつにも増してライティングが柔らかい。
向こうから客席の様子は見えているらしく、双方向のコミュニケーションが成立している。
入場者特典の回覧板について
🍃:ぽんぽこ”お得”好きだからさ、なんかみんなにいっぱいプレゼントすることになったw
🥜:顧客想いすぎるだろ!
首がとれるほど頷く。
🥜:「ぽこぴーの回覧板」って、何するかわかってないでしょみんな
わかってない。わかってないのに滋賀まで来た。わかってないから滋賀まで来た。
そこで本日のおしながきが発表される。
企画タイトルが5つ並んでいる。
冒頭の2曲も、幕間の映像も、今のこのトークも、おしながきには含まれていない。
YouTubeの生配信で見るようなやりとりが目の前で繰り広げられている。
身一つで作り上げられるこれを見に、これだけの人が集まっている。
それは間違いなく2人のパーソナリティについたファンだ。
おしながき1つ目の企画、「拍手デシベル選手権」がぬるっと始まる。
客席の拍手の音量を計測し、各開催地で記録を競うという、いきなりガバガバすぎる企画。
ヴァイオリニスト🥜の演奏に対してスタンディングオベーションで拍手をする流れになる。
🥜がエアヴァイオリンで音頭をとる。
立ち上がって拍手をする。
このバカバカしさに実際に全身を使って乗っかれるのが本当に楽しい。
そしてガバガバすぎる計測。あんたらの声が余裕で大きいよ。
でもこれは本番として認められなかったらしい。
オレたちに余力なんてあんのか?
もう一度、🥜のエアヴァイオリンから入る。
立ち上がって拍手をする。
素晴らしい演奏だ!と思いながら立つと良い。楽しいから。
まるで逃げるかのようなスムーズさでおしながき2つ目の企画、「里のジャッジ」に移る。
このコーナーでは、2人が「ラップバトル」「声量」「1分トーク」で競い、その勝敗を観客が旗を揚げてジャッジするという。
元々は観客がスマホで回答するクイズ企画をする予定だったが、会場の電波状況が悪いため変更になったらしい。
早速まずはラップバトルから。おさらいとして過去のヴァーチャゥラップバロゥの映像を振り返る。
全部諳んじられるぞ!
流れ始めたのは、初対戦時の動画だ。
驚いたのは🍃が🥜のパンチラインを覚えてたこと。ライム読み?
そして呂布カルマは全く覚えてなかったこと。「切り抜きでよく見る風呂さん」、程度の記憶ももうないらしい。
おさらいの動画鑑賞は途中まででまことに残念。ya。
🍃:これ全部ピーナッツくんが考えてたんですよ、実は。
🥜🪿:知ってるわ!
🍃:🥜の自作自演で、私はただの”藁人形”
🥜:”蝋人形”?……蝋人形でもないわごめんなさい。”操り人形”だ
🍃:”操り人形”、そう
🥜:嫌なんだよなぁ、毎回。ぽんぽこさんが間違ったところをもう一回僕が間違えるのホント嫌なんだよ
🪿:😢
というわけで、いきなり即興ラップバトルが始まる。
🥜のフリースタイルが見られる興奮と、🍃の人生初フリースタイルに対する不安が入り混じる。
ラップバトルでよくある、じゃんけんで勝った🥜が後攻を🍃に譲る一幕もありつつ、司会のチャンチョのコールでビートが流れる。
先攻を買って出た🥜がビートを聴かせながら小節数も提示する。どうせ先に指定しても🍃には特に意味がない。
探り探りdisを繰り出す🥜。
受ける🍃からは無理なくdisが出てくる。🥜は音楽やってるようで、寝てる。
8小節。🍃も完璧にビートを乗りこなしている。
🥜は果敢にも韻を踏みに行くが、なかなか言葉が出てこない。
🍃がアンサーで直前のパンチラインに返してから、「うだつ?」と戻すところが如何にもバトルの仕草で面白い。
8小節×2が終わる。
終わってからバチバチに煽っていく🍃。
ただ、今のバトルじゃ🥜も「終わった後に喋んなお前」とは言えない。
ジャッジ。
🍃の完勝。
🥜:勝者ぽんぽこ!
しっかり締めてくれる。
2戦目は声量勝負。
両者得意種目じゃなさそうなのがいい。
早速🍃から。
🍃:こんにちにんにん、ぽんぽこだよー!
ちゃんとセリフで言ってくれる。
会場を🍃の声が鋭く駆け抜ける。
メタいが、セットのすぐ裏にいるんだな、思う。
はっきりぽんぽこだよーって言うともはや語呂悪くすら感じる。ぽれおー
続いて🥜の番。
🍃:お前セリフじゃないのは、セコだぞ?
🥜:いやいやそんなん誰も言ってませんから
兄妹すぎる。
それでは🥜の大声。🍃がカウントダウンをする。
🥜:ダアアアアアアアアアア!!!!
会場中に🥜の声が届けられ、同時に笑い声が起きる。
ジャッジ。
どっちとも言えない感じ、らしい。
会場にいると票の様子がわからない。
いつでも自信満々の🍃は緑が多いと言い張るが。
🥜が折れて🍃の勝利と相成る。
勝利を決めた勢いのまま雄弁に
🍃:三本勝負だからさ、もういいよね?
と、3戦目の「1分トーク」を嫌そうにする。
🥜が問答無用で3戦目に進もうとするのは、演者としての矜持か、「1分トーク」への自信か、2敗に対する悔しさか。
3戦目の1分トークへ進む。
先攻を🍃が買って出る。
早速トークへ。
エピソードトークをしっかり話して45秒。残り15秒になって不意に出てきた
🍃:身バレするかもしれないわぁ
の言葉に噴き出す。
土俵際で勝ちを手繰り寄せる🍃のスタイルに感動すら覚える。
間を置かず後攻の🥜のトークへ。
お得意のグダグダ芸で笑いを拾いに行く。
ジャッジ。
🪿はドローのように思うが、里のジャッジは🥜勝利だったそう。
🥜が辛くも一勝を持って帰り、コーナーは幕を閉じる。
続いての企画は「聖徳ぽこピー」。
画面に表示されたQRコードを読み込むと、サイトから2人に宛てたコメントが書けるらしい。
🪿のスマホは電波を捕まえられず、読み込めない。
会場参加者のほとんどがアクセスできない。
🥜:ahamoの人~
🍃:ahamo繋がんないよな、ここ
🥜:おい!やめろ!
罠だ。
会場参加者は実際にマイクを受け取って2人に質問ができるという。
🪿は特に質問する気はないが。
質問と回答は割愛するが、動画に関することなど、2人の口から知られざるエピソードも語られる。
2人の裏での会話は関西弁で再現される。
🍃の発言として🥜が言った「来れへんた」は滋賀弁だ。
「聖徳ぽこピー」のコーナーが終わり、2人は休憩すると言って画面は占い師チャンチョのソロに。
おしながきにあった「チャン様のお告げ」だ。
占いではなく、「集団催眠」が始まる。
聞いているとどうやら録音ではなく、生らしい。
彼(込み入ってるなぁ)は休憩できないのか。
そして満を持して占いのコーナーへ。
スクリーンの奥からただならぬ妖気が無料で垂れ流しにされている。お得だ。
11位から星座をカウントアップしていく。
🪿はてんびん座で9位。
チャンチョ:今日ちょっと、手相占いに行ったら、手相がありません、って。犯罪者ですか?って、言われるでしょう
占いたらい回し。
🪿はチャン様の無軌道カウントアップ大好き。
4位は挙手制、3位は該当者なし。
かに座の12位が既定路線なのも好き好き大好き。
子どもの泣き声(?)も拾い上げてくれるチャン様。
無言でチャンチョが帰ると、🥜1人の和室に間髪入れずガチ恋さんが入場する。
とうとう彼は休憩がなかった。
ガチ恋さんを迎えて始まったのは「ご当地がち恋ちゃん in滋賀」
滋賀県にある国内唯一のハバネロ専門店「ハバネロ館」が、キャロライナ・リーパーを使用して作った商品「死神シリーズ」のチョコレートをこの場で実食するという。
大魔獣ちゃん:イベントでやることですか?
用意したチョコレートは「死神」と、さらにそれより辛い「ドラゴン」。
会場の声を受けて、(勿論)「ドラゴン」を食べることに。
当人も困惑するほどのハイテンポで早速実食する。
ガチ恋さん:スタッフちゃんも是非。いっぱいあるから。道連れよ。笑うなんて許ちゃない
行動が甲賀流忍者さんとはまるで違う。
いざ実食。
口に入れてすぐ
大魔獣ちゃん:あぁダメだ
と言って口から出してしまう。
ガチ恋さん:おいおい出すなよ。お前舐めてんのか?
直後、しゃっくりをしだす大魔獣ちゃん。
笑いが止まらない。
これが生で見られて本当にうれしい。
「うぉっ」という迫真のしゃっくりに一層笑いが込み上げてくる。
気付けば隣でガチ恋さんは白目を剥いて硬直している。
スタッフも全員「ヤバい顔」をしているらしい。
食べきった2人は「休みます」と言い残し、画面からその姿を消す。
イベントでも普段の配信のような温度で進行していくのが愛らしい。
誰もいない和室に星屑サラウンドが響いている。
嵐のようにガチ恋さんが去っていく。
と思えば、新衣装に身を包んだ2人が和室に戻ってくる。
うーん、可愛い。
あれ、🍃っていつから可愛くなったんだっけ。
前はぶるんぶるんで伸びてたのに。
🍃:そういうのVtuberに言っちゃダメなんだよ
🥜の全身を見せてくれる。
この時は靴の前後が逆に見えたが、どうやら膝が曲がってめちゃくちゃ前に出ていたっぽい。
Made in さえき。ありがとう。
ここで2人からのサプライズで、来場者に抽選でささやかなプレゼントがあるという。
座席の下に紙が置かれている人が当選者らしい。
残念ながら🪿たちの座席の下にはないようだ。南無。
🍃:結婚式の二次会みたいだね。結婚式の二次会やりたいと思って、今回ね、
🥜:あ、そうだったの?
🍃:「ぽこぴーの二次会」っていうネーミング(案)もあったよね
🥜:あ、ありましたね
GAYAの結婚も匂わしてたしな……
話題が尽きたのか、ぎこちなく会話が止まる。
🍃:いやー嬉しい、来てくれてありがとう。あ、遠くからの人を聞くやつやろうよ
🥜:たしかに!
結構、遠いぞー、僕ら。
まずは滋賀県民の方に手を挙げてもらう。
かなり多い。同じ滋賀県民として応援している人も多いんだなって、そんなことが可視化される機会も今までなかったんじゃないか。
続いて遠く、飛行機で来た人を募る。
旗を振って応える。
これも結構いる。
🥜:北海道いるかな、逆に。
逆に、とは次の回覧板開催地が札幌だからだろう。
🍃:北海道いる?
大きく旗を振って応える。
自分の視界では他に旗を振っている人はいない。(配信で見たところ他にもいましたね)
🍃:わーいるー!やばーい!
🥜:すごーい!
🍃がこっちに手を振ってくれる。うれしい。
はるばる来た甲斐があった。本当に。
そんなことを考えていると、あら、雨が降ってきた。
洗濯物を取り込みに行った2人が着ぐるみを着てステージに帰ってくる。
歌っているのは『はなとなり』。これで泣いたら負けだと思ってる。
あれ、🥜が可愛くないな、と思って見ていたら、首の下に隠れていた赤いスカーフを出し始める。その違和感か。
泣かずに『はなとなり』を乗り切る。
雨の件を🍃が🥜を揶揄うように振り返る。
🥜に同情する。まだツアー1か所目だぞ。
曲が続く。始まったのは『TwinTurbo』。
低音がよく出てる。
スタンディングじゃないことがもどかしい。
椅子の上で踊る。
オレは音楽が好きだ。
曲が終わると、🥜がなんだか可愛くなかった理由が語られる。
着ぐるみが新しくなって手足が伸びたらしい。
言われて気付く。
めでたくはあるので祝福しておく。
🍃が『TwinTurbo』を雑に歌いながら🥜に近寄る。
🥜は可動域が広がった右手で🍃の頭を殴る。
可愛い。でもみんなこれが好きなんだろうなというところにちょっとモヤる。
ここで、みんなで写真を撮ることに。
バッチリ写れる。
そのあとは観客の写真撮影タイム。
2人は自由にしゃべり続ける。
ポーズも取ってくれる。
飛び出し坊や、撃ち抜いてあげる、撃ち抜いてあげる(🍃)。すっとやれぇ。
続いて『グミ超うめぇ』。
の、前にシンガロングの練習。
今更要らないさそんなもの!
と思ったが、グミ食ってこなかったのでダメ出しを食らう。
始まる『グミ超うめぇ』。
気持ちいい。一緒に歌えてうれしい。
🥜:なんと次で最後なんですよ
🍃:はやい!本当に最後。アンコールとか今日ないんだよ
🥜:ないですね
🍃:ごめんな。でも最後ぉ、マジこの琵琶湖ホールで歌いたい曲があんだよなっ
🥜:そうそう、お前らの魂に、ぶつけたい言葉があんだよなっ
🍃:琵琶湖ホールでしか歌えねぇ、この想いがよっ
🥜:最後の最後まで、感じ取ってくれよなっ
シャムロックか。
始まった曲は『儚くも永久のカナシ』。惜しい。
過去に何度かYouTube生配信でUVERworldを歌った時みたいなクオリティの歌だ。
そこに2人がやりたいようにやってる回覧板の精神を見る。
曲も終わり、いよいよ回覧板も終わる。
🍃:気を付け、礼
🥜:あらしたぁ!
なんだそれ。
最後に客席の中を2人が歩いて退場するという。
どうやら、🪿の席のすぐ隣の通路を🍃が通ってくれるらしい。
通路をゆっくり進みながら🍃が近づいてくる。
ついに🪿のところに来て、握手をする。
とても強く握り返してくれる。
背後に通り過ぎていく🍃と、反対の通路を上がっていく🥜を、身体をひねって見送る。
感謝の言葉を何度も口にして2人が歩いてく。
こちら側も当然、その丁寧すぎる対応に感謝の気持ちでいっぱいだろう。
2人が退場すると、スクリーンにスタッフロールが流れる。
SPECIAL THANKSにYAGI HIGHLEGの名前がある。
幕間の映像の音楽はヤギハイ作曲だったのだろうか。
客席の照明が点く。
退場に際してスタッフの方が呼びかける。
このあと、2人が外でお見送りをしてくれるという。
お見送りを希望の方は席で待機、とのことだ。
そんな、やりすぎだぜ。と思いながら、当然席で待機する。
待機せずに帰っていく人はほとんどいない。
スタッフの方が、会場の席ごとに決められた順でお見送りのための列に観客を誘導する。
席での待機中、緞帳が上がってバラシ作業中のステージの様子が見える。
これが今度は札幌に来るのだろう。
40分ほど待ったが、そんな時間を苦に思うはずはない。
スタッフの方の指示で席を立ち、ホワイエに続く列を進む。
廊下の先に、パーテーションで区切られたブースを発見する。
そこから紅潮した里の民が吐き出されている。
自分たちの番が近づくと、まず手前に🥜が見える。
立ち止まらず進むように、との案内がある。
スマホをポケットにしまって、かけるべき言葉を考える。
🪿:楽しかったよ!また札幌で!
🥜:おー!札幌!
🍃:札幌で会おう!
力強い言葉とともに、🍃はまた手を握ってくれる。
やりすぎ。
列はまだまだ続く。
2人の温かさを感じ続けるイベントだ。
いや、回覧板の前からずっと、2人は温かい。
物販で最小限のグッズを確保し、等身大フィギュアとの記念撮影をする。
窓から見えた琵琶湖はすっかり暗くなっている。
琵琶湖ホールでやるべきことは済んだはずだ。
2人のお見送りを待つ列はまだまだ続いているだろう。
改めて感謝と尊敬の念を抱き、琵琶湖ホールを後にする。
夕食は🥜オススメ近江ちゃんぽん @草津 ちゃんぽん亭
🍃の過剰なサービスにより時刻は21時を過ぎている。
ホテルの方向に車で30分ほど行ったところに、駐車場があり、遅くまで営業している近江ちゃんぽんの店を発見する。
食券を買って席に着いても回覧板の余韻は当然冷めやらない。
周囲に里の民らしきお客さんの姿はない。
ちゃんぽんを啜りながら、兄妹について徒然なるままに語り合う。
滋賀という町の大きさを知ると、🥜が語った「(活動していてよかったことは)Vtuberの波に乗れた(こと)」という言葉以上のことはないことがわかる。
ホテルの最寄りのコンビニで酒のつまみを買う。
部屋に戻るともう日付は変わって遠征最終日。
ストゼロとワインを空ける。
明日は朝イチで風呂に行くことにしていたので、そのまま床に就く。
5日目
琵琶湖一望サウナにリベンジ @大津 スパリゾート雄琴 あがりゃんせ
4月7日㈰、回覧板翌日。遠征最終日。
朝9時起床。10時のホテルチェックアウトの支度をする。
🐧:家の鍵ないんだけど知らない?
🪿:知らねーよ
🐧:うーん、どっかで落としたか……?
暫定的には忘れ物がないことを確認してチェックアウトを済ませる。
車に乗り込み、琵琶湖大橋を渡る。
目指すはあがりゃんせ。
琵琶湖一望にリベンジするのだ。
再び桜の咲き誇るあがりゃんせに到着する。
日曜日なので多少の混雑を覚悟していたが、特に居心地を損なうような混雑ではない。
慣れた顔して靴を預ける。
鍵番号にも拘ってみる。
フロントで先日より少し高い入館料を承服して脱衣所に進行する。
各々こだわりのロッカー番号に陣取る。
知った場所になれば多少の個人行動にも不安はない。
24時間以上着た黄色い服を脱いで浴場に向かう。
浴場に入ると、スタッフの方が11時からロウリュを行うことを告知している。
現在時刻は10時45分。
洗体と入浴をしながらその時間を待つ。
時間の直前にサウナ室に入ると既に多くのお客さんがロウリュが始まるのを待って空間を埋めていた。
3人で入口近くの僅かな空席に収まる。
🪿にとっては初めての、熱波師によるロウリュだ。
大きな団扇を持った2人の熱波師の挨拶に拍手を送るサウナ室の雰囲気に今ひとつついていけない。
サウナストーンにじょうろでアロマ水がかけられる。白樺の香りだという。
団扇で仰がれサウナ室内の空気が循環すると、白樺の香りが届く。
熱波師の音頭で軽いストレッチを挟む。
続いてサウナ室の一人ひとりに熱波師が正対し、その大きな団扇で扇いでいく。
自分の番だ。会釈があって、扇ぎ始める。
単に熱いのとは違う刺激がある。
動きのないサウナ室の中ではその感触が新鮮だ。
終わるとまた軽く頭を下げて、熱波師は隣の🐙に目を合わせる。
一周が終わると、もう一度ロウリュをして、もう一周扇いでいく。
2度扇いでもらったところで、時間的にも頃合いと見てサウナ室を出る。
手桶で汗を落として、水風呂に入る。
約15度の冷水にじっと浸かりながら、喉奥の感覚を待つ。
水風呂を出て、一昨日とは違って明るい外に出る。
椅子に横になって、首を右に向けると遠く琵琶湖が見える。
ただじっと琵琶湖を眺める。
遠い琵琶湖に動きはない。
ただ淡く空と続く琵琶湖がある。
琵琶湖と一体になれるサウナ、をこの身で体験する。
裸で風に当たるに丁度いい気温だ。
サウナルーティーンから逸脱してただ休む。
その内に、良い友人に恵まれたな、なんて考える。
このnote、勿論🐧🐙も読むのだが。
あ、これからもよろしく。
露天風呂の中で最も琵琶湖のよく見える位置にある浴槽に浸かっていると、🐧と🐙が来る。
時刻は11時40分。
🐧は聖地としてマッサージチェアを使いに行ったり、ドクターフィッシュの足湯を利用したりしたいという。🪿はそれよりかは、もう少し浸かってましょっか、という心持ちだったので、12時30分に入口集合、とすることに。🐙も🐧について出て行く。
元々12時頃にはここを出ようと言っていたが、この後には予約時間がある予定は特になかったので、目を瞑る。
一人でお湯に浸かってぼーっとしていたらいつの間にか12時25分になっている。
慌てて72番のロッカーに向かい、新しい服を着て外に出る。
2人はまだロビーにいてドクターフィッシュの順番待ちをしていた。
であれば、と脱衣所に戻ってドライヤーで髪を乾かす。
3人合流したついでにロビーの売店を眺めていると、滋賀限定と書かれた土産品が結構売られていることに気付く。
今日このあと滋賀の土産を買うべき場所についてはまだ決めかねていたので、ここで買っておくことにする。
家族や友人への土産の他、3人でお揃いの飛び出し坊やキーホルダーを買う。
この旅の最後の食事も中華 @湖南 餃子の王将
あがりゃんせを出た一行は再び甲賀市方面へ走り出す。
結局時刻は13時を過ぎている。
晴れ渡った守山の街並みの向こうに、綺麗な三角形をした山が見える。妃の中へ。あの山について、昨日の朝🐧を迎えに行く車内で🐙と話したことを思い出して、改めて🐧にも話す。
🪿:あそこに見える綺麗な山さ、🥜がいつかの動画で絶景を撮りに行くって言って登って山だったりしないかな
調べてみると、どうやらそうらしい。
旅行の計画の際は、行きたい聖地を挙げただけで特に網羅的だったわけではない。
ここにはまだまだたくさんの聖地がある。
ホットな聖地として、”古民家”のことを考える。
それらしいものは見つからない。
そして改めて切望する聖地、「2024」のロケ地のことを考える。
ビワイチで琵琶湖畔の景色を一通り見た今ならおおよその場所はわかるかも知れない、と映像を見返す。
あれ、見覚えがある。確かに見覚えがある。
どうやらロケ地はサイクリストの聖地碑の辺りだったらしい。
自覚的ではなかったが巡礼はできたから良しとしようか。と言い聞かせるように繰り返す。
1時間車で走り、目的地に着く。
【絶品】最推しの町中華「天津飯」が1番うまい店は何回行っても満点笑顔になれます^^
駐車場で車を降りると、看板にどこかで見たことある名前を見つける。
「伊賀の里モクモク手づくりファーム」
最初期の動画で🍃が訪れてソーセージモデリングを行った場所だ。
ここから近くはない。
動画の通り、怪物みたいな外観に目を丸くしながら入店する。
内観はそれ以上だ。
高い天井、外からよく見える厨房。それだけじゃない、はっきりと言葉では言い表せないエキゾチックな雰囲気がある。
何だこの王将は。
デカい、とかそういう話じゃない。デカいはデカいけど。
ウェイティングシートに名前を書く。
少ししてボックス席に通される。
席に着いて早速小さな目標を達成する。
お冷のグラスだ。
注文は当然3人同じ天津飯セット。🐧と🐙は大盛りにする。
日曜の昼過ぎ、お客さんはいずれも地元の人だろう。いや、観光先で餃子の王将に行くことなんてないのだけれど。
店内には小上がりもある。この王将……何か変——?
料理が運ばれてきて、動画と見比べながら写真を撮る。
🐧:大盛りにしない方が再現度高かったな
🪿🐧🐙:いただきまーす!
旅先でこんな感想はおかしいのだが、知った味だ。
高校の部活の練習の後、決まって食べた味なのだ。
🐧も🐙もそれぞれ部活は違うが。
🪿🐧🐙:ごちそうさま。負けたよ
店を出る。時刻は14時40分。
あがりゃんせでゆっくりしすぎたか、時間に余裕はない。
しかし道を少し戻って酒屋さんへ向かうことに。
土産の地酒は欠かせないだろう。
これを約30分のタイムロスとして、3人はこの旅最後の目的地に向かう。
甲賀市街観光 @甲賀
旅の最後、ついに甲賀の最奥(ではない)、甲賀駅の方に足を伸ばし、甲賀の街並みをこの目に焼き付ける。
ドローンを飛ばした山、うどんを踏んだ桜の木、50m走の畦道はどこだろう、なんて雑念と共に甲賀の道を進む。
そこは畑の広がる場所。
本当の田舎だ。
のどかで何もない。
曇り空が一切侵されることなく広がっている。
大変に満足した。
帰ろう。
神戸空港→新千歳空港
これから神戸でレンタカーを返し、神戸空港から飛行機に乗って帰る。
大阪府某市に住む🐧は神戸まで行かず今甲賀駅から電車に乗って家に帰った方が早い。
でも、寂しいじゃん。と説得し高速道路に入る。
神戸へ向かう。
17時にレンタカー返却は厳しいか。
休憩のためにサービスエリアに寄る。
現在地は大阪で、既に某市は通り過ぎている。
結局🐧はSAから徒歩で出るルートを見つけ、ここで降りることに。
次はGW、ぽこぴーの回覧板 in札幌 で会おう!
🐧:いやー鍵はもう、かけ忘れててほしいな。交換になったらいくらかかるんだろ……
サービスエリアでレンタカー屋に一本電話を入れて再び走り出す。
レンタカーの遅れは問題ないようだが、飛行機の時間が迫る。
飛行機の出発は18時10分だ。
高速道路を降りて、給油する。
レンタカーを無事返却し、時刻は17時30分。
走って空港行きの電車に乗り込む。
空港到着は17時58分。
保安検査上の締め切り時間は過ぎることになる。
電車が空港に着いても走る。
痛い痛い足を引き摺って大荷物で走る。
保安検査上に到着したとき、寛大な措置を受け、優先の保安検査上を通過させてもらう。
慌ただしくはあったが、結局通常の搭乗列の後ろに続く形で搭乗できた。
他の乗客には迷惑をかけなかったのでどうか許してほしい。
もうあがりゃんせで長風呂はしません。
20時5分。
新千歳空港に着陸。
電波が戻ったスマホに🐧からメッセージが来ている。
🐧:〜Happy End〜
🪿:あぶねぇって
旅の最後、言葉数少なに電車に揺られる。
帰りの電車は🪿が先に降りる。
それじゃ、また。お疲れ様。
終わりに
🐧:最高の景色を見せ続けてくれる二匹の人生にぐっと迫り、彼らの生きる現実のかけらを体感することで、更に感謝とリスペクトの念を深めることのできた旅行だったように思います。
二匹の足跡を辿っていくうちに、彼らのバックボーンがどんどん鮮明になっていきました。滋賀(甲賀⦅原宿⦆)という地から発信している二匹がどれだけ制作にカロリーをかけているのか、どれだけの覚悟・熱量で活動に取り組んでいるのか、ということに改めて思いを馳せる機会になりました。到底推し量り切ることなどできっこなく、二匹の偉大さを身に染みて感じました。
言うまでもなく、回覧板は最高でした。二匹が情熱と愛情を惜しげもなくサービスしてくれて、こちらが気後れしてしまうほどのあたたかさを与えてくれました。このあたたかさが二匹の魅力の根源であるということを再確認すると共に、こんな二匹に応えないなんてウソだろ、と心の底から思わせてくれるイベントでした。🍃🥜、本当にありがとう。チケット安すぎないか。お得すぎるぞ。今後の活動もツアーもがんばって。体壊さないでね。今後とも末永く応援させてもらいます。
僕なんかよりよっぽど🪿のほうが、比較するのもおこがましいほど文章が上手ですし、何よりここで書きつくしてしまうとVlogのコンテンツがなくなってしまうので控えめに留めておきます。
また、友人に恵まれていることを改めて実感できました。こんな旅程を立てられる友人なんて人生でそう何人も得られるもんじゃない。この密度で関わることのできる友人たちに感謝したいです。今後ともよろしくね。
就活は終了しました!!!一年以上積んでる旅行も今回の滋賀旅行もVlog出します!ぜひ見てね!
🐙:(シピーツ中)
🪿:膝完治しました✌️
ご精読ありがとうございました。
もし本レポを気に入っていただけましたら、ご感想とともにSNSにシェアなどしていただけますと、🪿の承認欲求が満たされます。
🪿
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