AnimagiC に参加 1.
8月4日日曜日、ドイツマンハイムで開催された AnimagiC に参加してきたので、その備忘録を残しておこうと思う。
本イベント20年以上の歴史があるドイツでも指折りの日本アニメ、漫画、ゲームの総合イベントで、2017年からマンハイムの Rosengarten で開催されている。ドイツで日本の漫画やアニメBlu-rayを販売している企業の出展に加えて、同人作家による即売会やアニソンアーティストによるライブもあり、コミックマーケットとアニソンライブイベントが組み合わさったような盛りだくさんのイベントだ。近年は8月初頭に3日間行われているようだ。マンハイムはテュービンゲンからもアクセスしやすく、今年は好きなアーティストであるTRUEさんが出演されるということもあり、事前にネットで58€のチケットを購入して当日を楽しみにしていた。
7月末から9月頭まで、Tübingen - Nürtingen 間の線路で鉄道工事をしているようで、この間は代替バスでシュトゥットガルトに出る必要がある。朝5時にテュービンゲン中央駅からEVバスに乗り、ニュルティンゲンを目指す。こんな早い時間なのに、バスの利用客はそこそこいて、座席は半分以上埋まった。駅前ロータリーを出たバスは、テュービンゲン南側からアウトバーンに入り、快調に飛ばしていく。路線バスが普通にアウトバーンを走るのが面白い。空は徐々に明るみ始め、辺りの田園が姿を現し出す。テュービンゲンからシュトゥットガルトまではほぼこのような田園地帯だ。1時間ほどでニュルティンゲンに到着し、すぐにMEXに乗り換えてシュトゥットガルトを目指す。30分ほどでシュトゥットガルトに到着し、ボタンを押してドアを開けようとすると、反応がない。近くにいたおばあさんがそのドア kaputt と声をかけてくれたので、別のドアから下車した。
ICEが来るまで45分ほどあるので、いつものようにシュトゥットガルトのYorma'sでチョコクロワッサンとトマト、モッツァレラチーズ、レタスが挟まったサンドウィッチを購入してICE内でモーニングと決め込むことにする。ホームに黄緑色のボディが目を惹くベルリン行きのFlixTrainが停まっていた。いずれあの電車に乗ってベルリンに行くこともあるだろう。ICEの2等車両に乗り込み、車両の一番後ろの席が予約されていないようだったので、座ってチョコクロワッサンを食べ始めた。ICE 772 は 7時24分にシュトゥットガルトを発車。ほぼ定刻通りで安心する。ドイツ鉄道は時間帯によって同じルートでも料金が変動し、早朝や夜遅い電車は基本的に割安である。今回も節約のために朝早い電車にしたが、空いていて快適、かつ仮に遅れたとしても何とかなる時間なので良い。8時1分に定刻通りにマンハイムに到着。
マンハイムは昨年夏にドイツを訪れた際に一度下りたことがあった。立派な駅舎で、駅前の通りは道幅がとても広く、日本の地方都市を彷彿とさせる。会場の Rosengarten は駅から歩いて10分ほどなので、会場まで時間はまだあるがとりあえず向かってみる。会場に隣接したフリードリッヒ広場には、マンハイム名物の高さ60mの給水塔が聳えている。給水塔の裏手には美しい庭園が広がっており、噴水と池の周りがよく手入れされた花々で彩られている。この庭園から東南東の方角に大通りが真っ直ぐに伸びている。Google マップを見ると、マンハイムの街は京都や札幌のように碁盤の目状によく区画整理されているのが分かる。庭園を横切り、会場に到着した。
Rosengarten は 1903年にオープンした多目的施設で、ここでアニメイベントが行われるとは思えないほど立派な造りをしている。建物の外には既に入場待機列がいくつもできている。列に並んでいるのはほぼヨーロッパの方々に見え、アジア系の人の姿はほとんど見受けられない。紫色の AnimagiC オフィシャルTシャツを着ているスタッフに、どの列に並べば良いのか尋ね、案内してもらう。コスプレで参加している人も多く、最新の作品のものも見かけ、時差のなさを感じる。30分ほど待機すると建物のドアが空き、中に入ることができた。まずここで参加者であることを証明するリボンを手に巻いてもらう必要があるらしい。スタッフの方に手伝ってもらいながら、手首にリボンを巻き、専用の器具で金具を付けて留める。これが終わったら、建物を出て実際の入場待機列に並ぶという流れのようだ。よく見ると、入場待機列の人たちの腕には既にリボンが巻かれていた。もっと早く来ているのか、それとも複数日参加で前日などに既に手続きを終えているのかはわからない。
列はじりじりと前に進んでいき、10時を少し過ぎた頃、東側の入り口に到達。入り口では簡単な荷物検査が行われる。今日一日用に1Lのペットボトル水を持参していたが、どうやら持ち込みできるのは0.5Lサイズまでのようで、やむを得ず入り口で回収してもらった。中に入ると、様々な企業ブースの出展が目に入る。日本の漫画のドイツ語版やアニメの限定グッズが売られており、ファン垂涎のアイテムもあるかもしれない。2階に上がると、Nintendo が大きなブースを構えていた。周りにはフリーでプレイできるようにモニターも沢山並べられている。自分はアニメも好きだがゲームの方がより好きなので、日本のゲームもドイツで受け入れられているのが嬉しい。ドイツのスーパーでも見かける日清のカップそばのブースもあり、そのブースでもらえる日清の真っ赤なショッパーを持って歩いている人も多く見かける。レコードショップには80年代のシティポップ作品も数多く取り揃えられている。シティポップが世界的に流行っている噂を耳にしてはいたが、実際に売られているのを見て本当に流行っているのかもしれないと思う。適当にレコードを漁っていたら、日本ではほとんど売り切れている MOTHER2 のレコードを発見し、55€とそこそこ値段は張ったが即決で購入した。家に飾っておくだけでも気分が上がる。特に何か買う予定もなく来たが、思いがけぬいい出会いがあって嬉しくなる。
会場内には企業出展ブースの他に、数多くのイベントホール、コンサートホールがあるようだ。TRUEさんのライブは16時45分からだが、少しコンサートホールを視察してみる。中は結構広く、2階にも客席がありかなりの人数が入りそうだ。混む前に昼食を済ませようと思い、移動する。Rosengarten から空中通路を通って別の建物に入ると、大きな会議場のようなスペースが開放されて昼食会場になっている。Rosengarten をフルに活用するとご飯を食べるスペースは取れなさそうなので、このように隣接した建物を利用するのは上手いやり方だなと思う。Soba Nudeln mit Ente というメニューがあり、そば、鴨ときたら鴨南蛮に違いないと踏んで注文すると、想像とはだいぶ異なる一品であった。汁はなく、焼きそばのような麺とめかぶ、鴨肉、紅生姜、豆、にんじん、たけのこ、パプリカが混ざった混ぜそばのようなもの。カオスボウルだが、味は結構おいしくぺろりと平らげた。他にもたこ焼きやラーメンが売られており、AnimagiC では日本食も楽しむことができるのがウリのようだ。