写真嫌いがコスプレのカメコに挑戦した話(後編)

こんにちは、サブロクです。前編に引き続いて、今回は撮影会当日どのように撮影を進めたか、そしてどのように「ずっと嫌いだったけど、写真って楽しい!」と思うに至ったかという話をしていきたいと思います。

前編をお読みいただければわかる通り「お前のことを完全に許したわけじゃないからな!」のセリフに代表されるような、不倶戴天の敵と共闘するようなテンションで私は嫌いなカメラを構えることに決めました。だいたい上の一文で状況説明は完了しておりますので、前編を読まなくてもこのままお楽しみいただけます。

前編はこちらからご覧ください。私の写真に対する恨みつらみと、撮影会当日に至るまでについてにご興味のある方はどうぞ。

機材リスト

・Nikon D90
例の2009年のモデル。写真の画質は問題ありませんでしたが、ビデオ撮影に関してはiPhoneの方が画質が良かったです。ひょっとしたらオートフォーカスの設定によるのかもしれませんが……(これは純粋に反省点なので、次回があればリベンジします。)


・Nikon AF-S DX NIKKOR 18-105mm f/3.5-5.6G(キットレンズ)
風景もポートレートも撮れる、という触れ込みのキットレンズ。元持ち主の父親に「そんなによくない」と言わしめたレンズですが、今回はこの1本で撮影しました。


・Nikon AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G(中古単焦点レンズ)
私が中古で買ったレンズ。F値が1.8まで解放できるので、上のレンズに比べて背景が綺麗にボケます。後述する理由とうまく活かせる構図が思い浮かばなかったので今回は使用していません。


・レフ板
折りたたみの白/銀のものを買って持っていきましたが、時々三脚に立て掛けて使ったくらいだったのとお借りしたスタジオにもあったので必要だったのかはわからないです。


・リモートスイッチ
たまたまカメラバッグに入っていたのをスタジオで発見。(おさがりでもらって5年目にして初めて気付いた。)カメラにコードで接続し、遠隔からシャッターを切ることが出来ます。ジャンプの撮影で使った気がするのですが、この辺り記憶が曖昧になってしまいました。


・iPad
撮影の休憩中など、大きい画面で写真の確認ができたら便利かと思って持参しましたが、撮影後でしか使っていません。写真加工、SNSでのシェアまでスムーズに移行できて便利でした。


・SDカード読み込み用のアダプタ
Apple純正のアクセサリ。iPadにSDカード内のデータを読み込むことが出来ます。


・三脚
スタジオの備品その1。三脚を自前で用意するのは難しいなぁと思っていたので、とてもありがたかったですね。


・撮影用のライト
スタジオの備品その2。カメラの露出をあまりいじらずに済みました。ただライトがあるとは思っていなかったので、私の光源の扱い方の勉強不足が目立ちました。これも反省点です。


・脚立
スタジオの備品その3。本撮影会のMVP機材。筆者の背が低いのもあり、カメラ位置の視点の調節に大活躍でした。もう2度と脚立を足蹴にはできない。

当日の動き

白背景スタジオを、17:15〜22:15の5時間お借りしての撮影会でした。

【〜20:10】
はんぺんさん
→アンジョーのウィッグ調整、つきみさんの仕上げメイク、ご自分のお着替え、メイクの仕上げ
つきみさん
→お着替え、BGM選択
サブロク
→機材のセッティング、つきみさんのベースメイク
【20:10〜21:45】
撮影時間
【21:45〜】
片付け、撤収

【〜20:00】
はんぺんさんがアンジョーのウィッグを整えている間は、私がつきみさんのベースメイク(基礎化粧品→下地→ファンデーション→コンシーラー→眉毛を消す)の担当です。正直自分の化粧にすら手間取る有様なので、他の人に化粧を施すのはなおのことうまくいかなくて、ずっと緊張していました。はんぺんさんにバトンタッチした後はカメラのISO感度やホワイトバランス、露出のコントロールをして画面の色味と明るさを調整していました。この作業、地味に苦手です。

準備の時間中はMZMやつきみさんセレクトのVtuberオリジナル曲を流しつつ、そして準備も終わった頃アップロードされたばかりの「hero_」を3人で見ました。そのときにはお二人ともMZMそのものだったので、「推しと一緒に推しの新曲聴いてる!!!!」と感動でめちゃくちゃになりそうでしたが、撮影が控えていたのですぐスンとして臨んだ記憶があります。

【20:10〜】
撮影時間が2時間足らずだったため、単焦点レンズに切り替えての撮影は選択肢から外しました。取り替えにかかる時間が勿体無いのと、試し撮り程度しかしていないレンズを終わりの時間を意識しながら使うよりは、使い慣れたレンズで数とった方がいい写真が出来るだろうなと思ったからです。(せっかく用意したから……で行動するとあんまりいいものも出来ないですしね)
同じ理由で、撮った写真も一眼の液晶で共有することにしました。これはこれで、スムーズに構図について相談できてよかったです。

ある構図を撮るのに以下のようなステップを踏みました。

①誰かからの構図の提案

②撮影

③液晶確認、構図・イメージの擦り合わせ

④修正して撮影
(※満足の行くまで③と④を繰り返す)

この過程が本当に全部楽しかったですね。ある程度推しのイメージを共有しているメンツなので、「あの動画のあのシーンやろう」とか「脚立のぼってもっと上から」とか話し合って写真を撮ってを繰り返しているだけでも楽しかったです。また、「MZMじゃん!」という写真が撮れると自然と笑みがこぼれます。

この写真が撮れたとき、全員が最高のパフォーマンスをできたなと嬉しくて嬉しくて仕方がなかったのを覚えています。

なにより、お二人の表現力の発露を誰かに見てもらえる形で残しておきたいという気持ちが瞬間的に湧き上がりました。

この感覚が今回で一番の大きな収穫です。きっと今までの私は、カメラマンと被写体を敵対関係として捉えていたのだと思います。でも、実際のところはその逆で、一緒に作品を作る仲間なんですよね。それに気づけて、ほんとうにほんとうによかったと思います。最後の方は「まだ時間があれば撮っていたい!」と悔しく感じていたほどに楽しかったです。私はこの2時間もない時間のうちに写真のことが、しかも人の写真を撮るのが大好きになってしまいました。

振り返れば

撤収後に入った居酒屋で、SDカードから読み込んだ写真をiPadで映しながら3人で感慨に浸りつつお酒を飲んでいました。異口同音に、けれどそれぞれが別の理由で「幸せだねえ」とつぶやいていたのが印象的でした。
もちろん時間をおいて「絵コンテ描いて持っていけばよかった」とか「あの写真の構図をもう何枚か撮っておくべきだった」とか色々な反省をするのですが、そのあと自然に「次こそは」と燃えている自分がいます。

なので、だれか、撮影会に誘ってください。こんな素人でもよければですけれど、ノリノリで「行きます!」と即答しますので。

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