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アブラって、悪者?

揚げ物や、お肉の脂身などはお好きですか?

「大好き!」

「胃もたれするから、苦手・・・」

なんて、意見は分かれるかもしれません。

でも、街中に溢れる「からあげ屋さん」を見ると、やはり皆「アブラが大好きなんだなぁ」と思います。

私達ヒトがアブラが好き♡というのには、理由があります。

それは、アブラは私達にとって非常に重要なエネルギー源となるからです。


1.これぞ、アブラパワー!

さっきから、「アブラ」とカタカナで書いているのに違和感を感じていらっしゃる方も多いかもしれません。

なぜなら、「アブラ」には2種類あるからです。

「油」と「脂」です。

「油」は、常温で液体のアブラ (サラダ油、オリーブ油、お魚の油EPA, DHAもこちらになります)

「脂」は、常温で固体のアブラ (バター、ラード、ココナッツオイル等)

なので、ここでは総称して「アブラ」と書かせていただきます。

 

私たちの身体を動かすエネルギー源は主に2つあります。

一つ目は、「糖質エネルギー」主にご飯や、パスタ、パン等を食べて摂取できるエネルギー源です。

二つ目は、「脂質エネルギー」こちらは、お肉やお魚の脂身、バター、オイル、ナッツ類に多く含まれるエネルギー源です。

 

二つのエネルギーを分かりやすく、燃料タンクに例えます。

 

「糖質エネルギー」の方は、すぐにタンクから取り出しやすく、速やかに燃料として使いやすいメリットがありますが、タンク容量が最高でも2000kcalしか蓄えられません。

ヒトが一日に消費するカロリーが1500kcal ~ 2000kcal なので、すぐにタンクの燃料は枯渇してしまいます。

一方「脂質エネルギー」は、体中の脂肪細胞に蓄えられている燃料タンクです。タンク容量はなんと、40000kcal 糖質の燃料の20倍もの燃料を蓄えられます。

この燃料が燃やされないと、結局身体の脂肪として蓄積されることになります。

私達人類の歴史から考えると、常に飢餓という生命危機に接して過ごしていたのです。

今度いつ食べられるかわからない・・・。だから脂肪としてエネルギーを貯蔵できるのです。

本来私達の身体は、脂質エネルギーメインの生き方の方が適しているということです。

現在私たちの周りに溢れている糖質過多の食事と、生活習慣病やアルツハイマー病等の増加は「糖質エネルギー」に頼りすぎている結果なのかもしれませんね。

 

2.良いアブラ、悪いアブラ

では、普段の食事に「アブラ」を追加して大量に摂ればいいのか?

と思われるかもしれませんが、「アブラ」にも、身体にとって良いアブラと悪いアブラがあります。

「アブラ」は正直いいまして、本当に難しいのです。

現代のアブラは、精製されてしまっていて、一緒に栄養分もそぎ落とされていってしまっています。

良いアブラは、「できるだけ加工されていないもの」がいいでしょう。

色んな種類のアブラを偏りなく摂るのも大切です。

 

良いアブラ

・昔ながらの「圧縮絞り」で作られているアブラ(ビタミン、ミネラル等の栄養価が残されています)

・オメガ3(脂肪酸)を豊富に含んでいるアブラ(亜麻仁油、えごま油、魚の油等、私たちの細胞膜に柔軟性を与えてくれます)

・ココナッツオイル(酸化しにくいオイルとして加熱には適しています。)

・アボカド(低糖質で、食物繊維も豊富。上質な脂質を含んでいます。)

・牧草牛の肉、乳製品(オメガ6とオメガ3のバランスが適している。天然のトランス脂肪酸、栄養素が豊富です。)

悪いアブラ

・人工的なトランス脂肪酸(液体の油に人工的に水素添加したもの、マーガリンやショートニング等)

・酸化した油(揚げ物など揚げてから長時間経ったもの、フレッシュでない油等)

・食物油脂(安価なパーム油が使われていることが多いです。多くの加工食品に潜んでいます。)

・サラダ油やキャノーラ油(一般的に売られている物は精製され加工されてしまっているので栄養価もなく、摂りすぎは注意です)

上記の「悪いアブラ」は、摂りすぎは身体の炎症を招き、また「良いアブラ」は身体の炎症を抑える働きがあります。

 

3.ケトジェニックダイエット

 先日とあるグループミーティングで知り合いになった70代の男性。

ご自身の自己紹介に「がんサバイバー」と仰り、胃を全摘されているそうです。

ご自身の食生活、生活習慣を多くの方に知ってほしいと仰ってました。

お話する時間は5分程と非常に短かったのですが、その男性は「ケトン食」を実践していると仰ってました。

「ケトン食」簡単に説明しますと、糖質をできるだけ摂取しないで、タンパク質と脂質を大量に摂取する食事法です。

タンパク質は身体の材料となりますし、脂質エネルギーその中でもケトン体は脂質の中でもとても沢山のエネルギーを作ってくれます。

がん細胞は、糖質を好んで増殖しますので、がん患者の方でこの「ケトン食」を実践されている方も多いのです。

健康な方もダイエット方法として、この「ケトン食」でダイエット=ケトジェニックダイエットを実践されている方もいらっしゃいます。

通常の「糖質制限ダイエット」では、確かに痩せやすいのですが、同時にエネルギー不足となりがちです。

ダイエットに一時的に成功しても、また糖質を摂ってしまいますとリバウンドしてしまいます。

一方、ケトジェニックダイエットですと、脂質エネルギーにうまく切り替われば、多くのエネルギーが産生でき、より元気に健康的になれるのです。

しかし、脂質をエネルギーにするのって、ちょっと大変だったりします。

そもそも、「油もの苦手・・・」と言う方は、脂質を分解する胃酸や胆汁酸が少なかったり、脂肪酸を細胞内に取り込むのに必要なカルニチンの不足の問題があります。

私自身は、どちらかというと脂質をエネルギーにするのに苦手な体質なんです。

食物繊維を豊富に摂って、腸内細菌に「短鎖脂肪酸」をつくってもらうなんて言うことも可能です。

脂質のお話も面白いですよ!

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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