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環境問題について考える その1

 最近、オゾンホールと反捕鯨運動について考えていたら、なんとなくある答えにたどりついた。

 オゾンホールの拡大防止のためのフロンガスの規制や反捕鯨運動というのは、かつてイギリスの首相を務めたマーガレット・サッチャーさんによる他国への、というよりも日本に対するの経済活動及び南極洋における資源開発への牽制ではないか、ということだ。


<オゾンホール>

 Wikipediaを見たらオゾンホールは極地に発生する季節性の現象だと書かれていて、もうほぼ答えが書いてあるのだが、これだと話が終わってしまうので、もう少しうんちくを入れてみたいと思う。

 まず、オゾンホール問題の概要を説明します。

 僕が小学生くらいの頃だから、約30年前はオゾンホールの問題がかなり騒がれていて、国語の教科書とかにも載っていたと思う。しかし、最近はめっきり聞かなくなったので、今の若い人は知らないだろう。

 当時騒がれていたオゾンホールというのは主に南極上空のオゾン層の穴のことである。
 オゾン層に穴が開くとどうしていけないのか。
 それはオゾン層は有害な紫外線を吸収してくれるので、そこに穴が空いてしまうと有害な紫外線を直接浴びてしまい、皮膚がんや遺伝子異常や緑内障や白内障が増えてあら大変!ということだった。
 そこでオゾン層に穴をあけてる悪いやつは誰だ!という話になるのだが、フロンガスが犯人とされた。フロンガスは安定した物質で人体にも比較的無害であり、使い勝手が良く、また比較的安価なため、当時、さまざまな用途で広く用いられていた。
 そんな便利なフロンだが、裏の顔はオゾンを壊す悪い奴なのだ。
 フロンは人類の敵である。
 そして世界的なフロンガスの規制が始まった。

だいたいオゾンホール問題の概要はこんな感じである。 

そういえばオゾン層は地表に持ってくると3mmの厚さしかありません、とかいうのもあったな。なんだそれ。

・オゾンとはなにか

 オゾンホールの問題を理解するために、まずはオゾンについて知っておかなければならない。オゾンとは酸素分子(O2)が強い光や放電により分解し、発生するものである。

割と正確なオゾン発生の絵

 酸素分子(O2)が紫外線や放電などの強いエネルギーを受けると酸素原子(O)に分解される。酸素原子(O)は非常に反応性が高い物質なので、酸素分子と結びつくとオゾン(O3)になる。
 オゾンは大変不安定な物質で、すぐに酸素分子(O2)と酸素原子(O)に分離してしまう。
 上のオゾンの絵で3個並ぶうちの右側の酸素原子は片手でしがみついているだけだが、厳密には違うのだが、イメージとしてはそんな状態なのですぐに離れてしまう。不安定なのだ。

 この絵の着目ポイントはエネルギーを受けているのは酸素であり、オゾンではないということだ。

・身近な存在のオゾン

 オゾンはオゾン層にだけ存在するのではなく、結構身近にもある。
例えばコピー機からオゾンが発生している。会社などのコピー機から独特の電気というかイオンというかなんとも言えない匂いを嗅いだことがある人は多いと思う。あれはオゾンの匂いだ。
コピー機は感光ドラムや紙にトナーを吸着させるため、静電気を使っており、この静電気がオゾンを発生させている。
 高電圧が発生してる分電盤を開ける機会が多いメンテや電気関係の人たちはあの匂いをよく嗅いでいるので、オゾンは非常に身近な存在だ。

コピー機も分電盤もオゾンが勝手に発生してしまっているだけだが、製作工程にオゾンが欠かせない伝統工芸品がある。

新潟で古くから作られている越後上布や小千谷縮(おぢやちぢみ)といった麻織物や富山県で作られる和紙などは、漂白のため「雪ざらし」という工程が欠かせない。これはオゾンによる漂白作用を利用したものである。

和紙の原料の雪ざらしは1200年前から行われているらしい。

 よく晴れた日に、雪の上に麻織物や和紙の原料を置く。
雪の内部で乱反射し、増幅した光により雪面にオゾンが発生する。このオゾンが雪が蒸発した水蒸気と反応し、過酸化水素水となる。
それが天然の酸素系漂白剤となり、麻織物や和紙の原料を白くするのだ。

梅宮辰夫が娘のアンナの髪が黒かったため、「どうして金髪じゃないのか」と嘆きながら、オキシドールで脱色して茶髪にしていたというエピソードを思い出した。(オキシドールというのは過酸化水素を3%程度含む水溶液)

・フロンについて

オゾンホール問題において、もう一人の主役ともいうべきフロンについても知っておこう。

Wikipediaによると、フロンはもともと冷蔵庫の冷媒用にアンモニア代替ガスとして開発されたようだ。

「フロン」というのは「フロン」という物質があるのではなく、炭素、水素、フッ素、塩素などのハロゲンを含む化合物の総称である。

「フロン」という呼び名は日本でつけられた俗称で、日本以外ではデュポン社の商品名であるフレオン(freon)で呼ばれることが多いそうだ。

もともと冷蔵庫の冷媒用として開発された、とあるように、その使用用途は冷蔵庫やエアコンの冷媒用をはじめ、半導体や精密部品の洗浄剤、スプレーの噴射剤などに使われていた。

しかし、フロンがオゾン層の破壊に関わっているとして規制されはじめた。
その経緯については下記Wikipediaからの引用をご参照ください。

1970年代にオゾン層破壊が問題化。フロン類はその原因物質とされ、製造を行っていたOECD加盟24カ国により共同研究が進められた。一方で1976年、アメリカ合衆国はフロン類の使用規制について、経済に対する影響が大きいとして化学的調査が終わるまで行うべきではないとする姿勢を見せた[5]。その後、フロン類の関与が決定的となったため、1985年にはオゾン層の保護のためのウィーン条約、1987年にはモントリオール議定書が採択され、製造及び輸入の禁止が決定された。これにより CFC の代わりとしてオゾン層を破壊しにくい HCFC や HFC が代替フロンとして利用され始めた。

Wikipedia

・白夜

 よく言われるフロンがオゾンを破壊するメカニズムは、オゾン層付近の上空まで達したフロンが強い紫外線を受けて分解し発生した塩素ガスがオゾンを破壊するというものだ。

 それならばなぜ紫外線が最も強い赤道付近でオゾンの破壊が起こりオゾンホールが観測されないのか。

フロンが本当に犯人なのだろうか。
確かにフロンがオゾンを破壊することは事実だろう。
しかし、それがオゾンホールの主原因だというのはちょっと理屈が通らないと思う。
なぜ、南極や北極という極地に集中するのか。


白夜という現象を知っている人は多いと思う。
北極や南極付近の高緯度地帯では一日中太陽が沈まない時期があり、それを白夜と呼ぶ。

北極が白夜の時、南極はどうなっているのだろうか。
白夜の逆で一日中全く太陽が出ず、ずっと夜なのだ。これを極夜(きょくや)と呼ぶ。(南極が白夜の時期、北極は極夜となる)

オゾンは強い光を受けた酸素が分解してできるものだ。
つまり、光が当たらなければオゾンはできないのである。
オゾンホールは極夜の少しあとに発生し、その後少しずつ小さくなっていく、季節性の変化である。

ということは、オゾンホールの主原因は極夜なのだ。
一応断りを入れておくと主原因が極夜だという主張であって、フロンもオゾン破壊の原因である。下記のHPを見ると1980年以降、4パーセント程度の成層圏オゾンが減少しているそうだ。これがどこまで影響があるのかは分からない。

なんとなくオゾン層というはオゾンだけがある層というイメージがあったが、実際は高度15〜35km程度までのかなり広範囲に及ぶオゾン濃度の比較的濃い部分のことをオゾン層と呼んでいる。オゾン濃度が濃いと言ってもオゾン層内のオゾン濃度は数ppmであり、他の構成成分は大気と同じで窒素8割、酸素2割である。

これだけ広範囲におよぶ濃度が数ppmの、しかも反応性が高いオゾンという物質の濃度がどこまで正確に測れるものなのだろうか。
この点については専門家の意見を聞きたいものである。

もう一度言っておくが、フロンがオゾンを破壊することは事実であり、オゾンが紫外線を吸収していることも事実だ。

2024/10/20 追記:
オゾンの原因が極夜だというのは言い過ぎというか、データ上は正確ではなかった。
極夜は南極では6月、7月。オゾンホールが発生し、最大化するのが9月〜10月にかけてになる。少し時期がずれている。
極夜で発生した極域成層圏雲という微細な氷の粒子でできた雲の表面に塩素化合物が付着、蓄積し、極夜明けの9月に太陽光によって、それがオゾンを破壊する塩素および塩素酸化物に変化し、オゾンホールを発生させるということだそうだ。これはこれで一応理屈は合うと思う。
ということで、この部分は保留とする。
しかし、オゾンの濃度測定の正確性には大いに疑問が残る。
地上から10km〜50kmにおよぶ、わずか数ppmのオゾンの正確な濃度測定というのは現実的に不可能だろう。しかも南極上空という事なら尚更だ。

・オゾンホール with サッチャー in the lie

マーガレット・サッチャーの一番の関心事はなんだったのだろうか。
それはかつての偉大なる大英帝国の復権である。
それ以外のことは些末な問題なのだ。

オゾンホールの問題が表面化した際、世界の首脳の中でいち早く対策に乗り出したのが、当時イギリスの首相だったマーガレット・サッチャーさんだ。

サッチャーさんはナチュラリストでも環境左翼でもヒッピーでもない。大英帝国の復権以外には興味がない、生まれながらの国粋主義者である。

そんなサッチャーさんがオゾンホール対策について力を入れた理由はなんだったのだろうか。

真実はサッチャーさんしか知り得ないが、安タバコを詰め込んだクレーパイプを燻らせ推理してみよう。

フロンの規制をした場合、どのような影響が出るだろうか。
フロンの用途は冷蔵庫、エアコンの冷媒、半導体や精密部品の洗浄剤、スプレーの噴射剤である。エアコンは車にも搭載されている。

フロンの規制は半導体、家電、自動車の製造の規制と同義である。
当時、この分野で圧倒的な世界シェアを誇った国が日本だ。

サッチャーさんが意図したことは日本を中心とする、いわば「製造業」そのものに対する規制、牽制だったのではないだろうか。

このくらいの時期を境にイギリスとアメリカは産業構造のシフトチェンジを図り、その軸足を製造業から金融、ITに移行する。
この大胆な方向転換ができたのはイギリスやアメリカが製造業の分野で完全に日本に負けたからだ。
フロン規制により一時的に製造業を停滞させ、その隙に産業構造のシフトチェンジを図る。上手くできたシナリオではないか。

一方、日本は産業構造のシフトチェンジに失敗し、家電と半導体については中国、韓国、台湾などにそのお株を奪われてしまった。
現在はなんとか自動車産業で踏ん張っている状況である。

製造業への牽制が一つだが、もう一つの意図は、オゾンホールの中心である南極大陸での影響力を高めることだと思われる。
詳しくは次の捕鯨問題に続く。

追記

フロン規制の本命は日本の半導体製造規制だと思われる。
半導体というのはほぼ全ての電子機器に組み込まれるため、国際的な戦略物資である。世界的な日本の半導体シェアの上昇をよく思わないアメリカは日米半導体協定という規制を行った。日本の半導体製造を規制するため、表には出ない手もいろいろ打ったのだろう。オゾン規制というのはその中の一手だと思う。

台湾のTSMCができたのものちょうどこの頃だ。フロン規制は先進国以外は10年の猶予期間が設けられていたそうだ。(詳細はよく知らない)

<捕鯨問題> -目次-

・南極のクジラ

・北海油田

・鉄の女

・南極物語



サッチャーさんが晩年に書いた本について

2003年に書かれた本である。タイトルは"STATECRAFT"、国政術という意味だそうだ。副題は"Strategies for a Changing World"、世界を変えるための戦略となっている。この本が出版された当時、サッチャーさんは78歳、ゆりかごから墓場まで、筋金入りの国粋主義者だ。
日本語翻訳版を探してみたが、出版されてなかった。サッチャーさんは晩年、アルツハイマー病を患っていたと聞くが、どうなのだろうか。
調べてみると、どうもこの本には「不都合な真実」が書かれているようである。
日本語翻訳がないということを考えるとなかなか香ばしい香りが漂ってくるではないか。
割とどうでもいい英語の翻訳本が多数出版されているのに、あのサッチャーが書いた本の日本語翻訳版が書店に並ばないのはどういった了見だろうか。
出版されたタイミングでなくても、葬式のタイミングで出しても絶対売れるのに。明らかにおかしい。
kindleで買って、Google翻訳で読むか。紙の本もほしいけど。

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