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家づくり6 太陽熱温水器設置

約30万円だった。
SUS316L製、1.0MPa耐圧の200Lタンクがあってこの値段は安すぎると思う。なんでこんな値段でできるんだろう。超激安価格である。

FUJISOL 真空管ヒートパイプ式太陽熱温水器FUJI-IP522(容量200L)水道直圧式 屋根置架台

・真空管式太陽熱温水器

屋根に載せた太陽熱温水器はFUJISOLというメーカーのものだ。
FUJISOLはスペインに本社を置く会社で、日本では株式会社太陽光が販売している。

スペインの会社というのが意外だったが、真空管式太陽熱温水器というのはEUを中心に発展したそうだ。
下記のページに書いてあった。

真空管式太陽熱温水器のエネルギー変換効率は非常に高い。
ソーラーパネルのエネルギー変換効率は約20%だそうだが、真空管式太陽熱温水器のエネルギー変換効率はなんと40〜60%に達するという。

給湯ということになると、直接熱に変換する真空管式太陽熱温水器は一旦電気に変換してお湯を沸かすソーラーパネルと比較すると、数倍の給湯能力がある。脅威の効率の高さである。

・設置風景

自作のクレーンのようなもので40kgくらいのタンクを屋根に上げる。
このクレーンのようなものは家の壁起こしに使ったジャッキをほぼそのまま流用。

真空管の設置は地味な作業のためここでは割愛します。
そのうち動画で。

・真空管式太陽熱温水器の問題点

真空管式太陽熱温水器の問題点があるとすれば、お湯が沸きすぎることである。
沸きすぎるならばいいじゃないか!と思うかもしれないが、これは結構大きな問題である。

WATTS製 温圧弁

タンクには写真のような温圧弁というものがついている。
これは安全弁の一種で、温度が99℃以上になるか、圧力が0.7MPa以上になると自動でバルブが開くようになっている。
タンク内の温度が99℃に達し、温圧弁が一旦開くとタンク内温度が60℃程度になるまで排出し続ける仕組みとなっている。

つまり、温圧弁が一旦開くと、元の水の温度にもよるがだいたいタンク内の水の半分が入れ替わるのだ。200Lのタンクの場合、排出されるお湯の量は約100Lとなる。
捨て湯の分、水道代がかかる。
普通に晴れている日であれば、60℃から99℃まで昇温するのに半日もかからない。普通に使っていてもかなりの量の捨て湯が発生してしまう。これは大きな問題だろう。

このお湯をどこに捨てるのかというのもまた大きな問題である。
これだけの量の熱湯をそのまま家の排水管に流すと、塩ビの配管は変形し、破損の原因になる。だから流せない。
側溝に流すか、庭に撒けば雑草が枯れてちょうど良いかもしれない。

一般家庭で安易に真空管式太陽熱温水器を導入するのはおすすめしない。
これだけ効率が良いものが普及しないのは上記の理由が大きいと思う。

捨て湯のあてが無い一般家庭には昔ながらの平板式太陽熱温水器をおすすめする。(水道直圧式に限る)
平板式は最高でも50℃程度までしか上がらないので、これを普通の給湯器と組みわせるのが良いだろう。
お湯が沸きすぎるということを考えると真空管式はお湯の使用量が限られる一般家庭よりも業務用(銭湯や工業用)に向いているのかもしれない。

このような特徴を理解していれば、真空管式太陽熱温水器はこれ以上ない非常に効率が良い給湯装置となる。
特に我が家の場合、ガルバリウム波板が反射板の役割をするので、恐ろしく早くお湯が沸く。なので、現在は真空管の一部にカバーをしている。

・まとめ

製作中の家に関しては捨て湯は適当にまいておけばいいので、全く問題ない。まだ水がめの増強前なので、水の無駄使いはできないが、改善は時間の問題だ。
これで水とお湯は使い放題となる予定。

追記
平板式の太陽熱温水器が流行らなくなったのはガスの使用量が減ってガスの売り上げが落ちるのとソーラーパネルを普及させるためである。
機能が劣るとか、実用的な問題ではなく、ビジネスと政治の問題だ。

現状、ソーラーパネルは利益よりも損害のほうが大きくなっていると思う。これについても実用上の問題ではなく、政治上の問題のほうが大きいと思う。




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