猫の話2

　うちには、猫が二匹いる。ブリティッシュとノルウェージャンだ。どちらもメスで、仲はよくない。例えるなら刑務所で偶然同じ部屋になった奴というくらいによくない。最近、Netflixでプリズンブレイクを見ているせいか、こんな例えをしてしまった。

　最近、妙にブリティッシュが甘えてくる。仰向けになって腹をみせてくるといえば、どんなん感じかわかるだろうか。もちろん、よってくればかまってやるのだが、「こいつ、こんな甘えん坊だっけ」とちょっとした疑念もある。対して、ノルウェージャンの方は、スリープモードかビーストモードの２パターンというわかりやすいやつだ。大人しい時は、人の膝の上にのって、ゴロゴロとバイクのエンジンみたいな音を奏でている。

　寝ている時は、やっぱ猫だな。とほくそ笑んでいるのだが、いざ、起き出すとめんどくさい。二匹とも起きるタイミングは同じである。私がご飯を食べようとするときだ。自宅で昼飯を食べる場合、冷蔵庫の音でまず目覚めはじめ、電子レンジの音で歩き、テーブルの上にご飯が乗った瞬間に危険領域となる。彼らにソーシャルディスタンスはない。

　今週は、連日30°Cを超える暑さとなっているが、うちの二匹は冷房の効いた部屋でバカンスを楽しんでいる。一方、私は２時間だけのバカンスを聴いて逃避行しているのであった。