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親切な人①
こんにちは、すあまです。
ここから2本、学生時代に出会った「親切な人」との出会いを記そうと思います。あれ?常体から敬体に変わった?ちっちゃい事は気にすんなって。
ブラックなアルバイト
学生時代、「単発1日限り!」みたいなバイトを探して、フリーペーパーを手に取った。『市場調査。アンケートをとる簡単なお仕事!』に食いついてしまった私。絶対今なら避けるけれど、貧乏学生は背に腹はかえられなかったのです。
名ばかりの面接を受けたら、地図と名簿と謝礼の入った紙袋を渡されて…『市場調査』ってやつは、特定のターゲットからデータを集めたい人(大学の研究室とか)からの委託を受けて、バイト諸君はアンケートを取ってきてね〜ってやつでした。
指定された最寄り駅へ到着。土地勘ゼロ!
細かい番地とそこに住む方の氏名が書かれたゴリゴリの個人情報を持って、さぁ始めよう!と思ったんですけどね…結果、進捗報告の度に恫喝されるブラックぶりでした笑。
教わらないとわかりません
いやー、知らない駅に降り立って名簿に書かれた場所にピンポイントで行けないでしょうよ!事務所に電話をかけるも怒鳴られ。「じゃあ聞くか!」と、タクシー運転手か郵便配達さんを狙ったけど居ない…。そこへ!某有名物流&宅配業者さん発見!ズカズカ聞きに行きましたよ。お兄さんは「これさ…縮尺も大きすぎてここからじゃたどり着かないよ」と。そして、規定違反だから内緒だよと私をトラックに乗せてくれた。小さく丸まってあぐらをかく私。お兄さんは、番地はどうふられているか等と一緒に 今日は休暇明けだということ、休暇は彼女と温泉へ行ったことなどを話してくれた。
大体の目的地まで送ってくれたお兄さんにお礼を行った私は、野良猫みたいにコソッとトラックを降りた。
そりゃそうだ
今回の市場調査、ターゲットは18歳以上の女性。ドアホンを押してカンペを読み上げても途中で切られるか、怪しまれるか。ですよ。そりゃそうですよ。親になった今ならなおさら分かるよ。数件引き受けてくれて、翌日アンケートを受け取る約束を取り付けたけれど、私は足が棒になるリアル体験をした。
優しい奇跡
「今日はもう帰らなくちゃ」コンビニで何か食べ物を買おうとした私。帰りの電車代を差し引くと、菓子パンも買えないことが分かった。愕然。「木偶(でく)の棒」。木偶(でく)とは、木彫りの操り人形を指し、そこから約立たずという意味ができたらしいが、まさに今、木偶(でく)。コンビニの縁石に座ってぼんやりしていた。
そこに、朝出会った宅配ドライバーのお兄さんが集荷に!!!!私もびっくり、お兄さんも「こんなところまで!?」とびっくり。経緯を話す。
「そっかぁ…」と店内の集荷へ向かうお兄さんを目で追った。お兄さんが荷物をトラックに積み込む。運転席に向かう直前、
『これであったかいものでも食べな!』
お兄さんは私に畳んだ1000円札を握らせた。
そうはいきません!!!だめです!!…なんて返したか覚えていないけど、『大丈夫だよ!内緒だからね!』と車を出してしまった。
私は泣きながらおにぎりと温かいお茶を買い、知らない街から学生寮がある街へ帰った。ひとからの親切で涙したのは初めてだった。
会社の規定違反だから、お礼申し上げることもできてないけど、元気かな。