MVNOに対する5G SA 機能提供の検討状況がどうなっているか公開資料を読んでみました
はじめに
MNOでの5G SAもサービス開始から時間がたっていますが、MVNOでも5G SAのサービスがはじまるのか総務省の公開資料を読んでみました。
こちらの 接続料の算定等に関する研究会(第56回) 事業者ヒアリング資料に詳細があるようです。
今回も自分用のメモとして資料のまとめをまとめます。
ざっと見る限り、現在と同じようなレベルでのMVNOの5G SA提供はまだまだで、どのような形態での提供となるか確定しておらず前途多難なようです。
資料の補足として総務省の資料をまとめられている以下文献を引用させてもらいました。
モバイル市場における MNOとMVNOとの事業者間協議について
資料の構成
5G(SA方式)に関するMNOとの協議状況に関しMVNO各社にアンケート
アンケート結果
機能開放形態
現時点で協議の申入れ又は協議の成立に至っていない理由・背景
機能開放形態ごとのサービス実現に向けた具体的な課題
MNOからの情報提供
MNOからの情報提供に関する具体的な検討に必要な内容及び期間の有無
同時期・同機能提供に向けて現時点で明らかになった課題
その他
既存LTEとの連携、音声通話の実現方法及びMECの活用・連携に関する機能開放
まとめ
機能開放形態ごとの協議状況等
同時期・同機能提供
その他の機能
まとめのまとめ
機能開放形態ごとの協議状況等
MVNOにおいては、「②ライトVMNO」「③L2接続相当」「④フルVMNO」の機能開放を主軸に検討を進めている 模様
著者注釈:各形態の概要
L3接続相当・・・・・・MNOのサービス卸(MNOと同等)
ライトVMNO・・・・・MNOへのAPI開放
L2接続相当①・・・・・・
PCC方式(LTEのMVNOと同等にユーザデータ、課金、ポリシー制御を行うもの)
L2接続方式②・・・・・・
ローミング方式(加入者管理機能をもつフルMVNOに相当する)
フルVMNO・・・・・・RAN以降の設備をMVNOがもつ
設備計画
「②ライトVMNO」「③L2接続相当」「④フルVMNO」の機能開放については、MNOからの情報提供待ちとの回答であった
MNOから情報提供のあった「①L3接続相当(サービス卸)」での開放形態では、MVNOが自由にサービスを生み出 すのが困難である等のため検討していない事業者が多い一方、「②ライトVMNO」「③L2接続相当」「④フル VMNO」の開放形態については、MNOからの情報提供がなく、MVNOにおける検討が進まない模様
1次MVNOでの検討に時間を要している結果、2次MVNOに情報提供できていない模様
同時期・同機能提供
MNOから、「①L3接続相当(サービス卸)」での開放形態に関する情報提供はあったものの、「②ライトVMNO」「③ L2接続相当」「④フルVMNO」の開放形態についての情報提供はない模様
MNOから情報提供のあった「①L3接続相当(サービス卸)」での開放形態に関して、初回資料では具体的な検討に資する情報が不足、MVNOでの検討期間が短いといった声があった。
他方まだMNOからの情報提供がない「②ラ イトVMNO」「③L2接続相当」「④フルVMNO」の開放形態について、具体的な検討に必要な内容や期間が与えられるかが今後の大きな課題と認識
MNOが順次5G(SA方式)でのサービスを開始し始めているなか、標準化がまだである等の理由により、「②ライト VMNO」「③L2接続相当」「④フルVMNO」の開放形態の目途は立っておらず、2次MVNOへの展開を含め、これらの方式に期待される機能の同時期・同機能の提供は極めて不透明な状況
最後に
最新の第58会の資料にも以下とあり、もう2年はサービスインがなさそうな雰囲気です。
3G/LTEのときの日本通信のような強力な推進役が現れるか、海外での事例展開に期待したいところです。
結局のところ、5Gでもうかる環境がないと、キャリア側も解放するモチベーションも持てないところなのでしょうか。
技術屋さんだけではどうにもならない領域にあるようです。
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