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いまげんざい

心も身体も元気な期間に綺麗にしたはずの自分の部屋もクローゼットも何もかも全て散らかった

洋服は汚く畳まれたまま置きっぱなしにされ、綺麗に仕舞っておくべきものでさえ床に散らばったまま

身体は元気なのに心が元気ではないから思うように動かなくて、脳に指示を送っても当たり前のように返事は返ってこない

あぁもうこんな時間だ、昼から働きに出なくてはいけないのに

そんなことを考えるだけで脳は目を覚まし始める
あれだけ脳に指示を送り出しても返事を返さなかった癖に困ってる時に反応してくるなんて反抗期か?

脳と身体と心が別々の人格になってしまったようだあれ、今のぼくは一体誰なんだろうか

まぁ今はもうそんなことはどうでもいい、寝たい

睡眠時間が短ければ短いほど、活動期間の行動の記憶が曖昧になる

あのお客さんにちゃんとお釣り渡したっけ?
深夜勤に引き継ぐときにちゃんと言わないといけないこと言ったっけ?


ちゃんと大事なことは行動に移したはずなのに記憶が曖昧になったせいで不安になる

ぼくは何て駄目な人間なんだろうか

今まで気付かずに、いや、気付いてないふりをしたまま10数年生きてきてしまった、そうだ、ぼくは凄く駄目な人間だった

少し時間が経っただけでさっきの出来事は忘れてしまったり物覚えが悪かったり、そんなことを出せばキリが無い、ぼくは見た目が人間のニワトリなのかもしれない

ブルーライトを浴びながら自分が作った文章を読み、さっきまで書いていたことと一切繋がりもしないことを今書いていることに気付いて嫌になる

自分が無能で凡人以下である人間ということを思い知らされてしまうのに嫌気が差して文字を書くのを辞めたくなる

身近にいる文才に恵まれている人に学ぼうなんて何世紀早いことか、そもそも学んでも吸収する力はないし、仮に吸収したとて覚えているかさえも危ういし、脳みそにそれを記憶させる容量はない


生まれ変われるなら文才に恵まれた人間が良い

それに記憶力が良ければ尚良い

それ以外が今のぼくでもそれさえあれば


早く心が元気になったら良いのにな、なんて思いながら重たくもない瞼を無理にでも閉じるが軽い瞼はすぐ上がってしまう

外は明るくなり始めた、車やバイクの音が少しずつ聞こえてくる、これから朝になるんだ、また同じような一日が始まってしまう

ただ生きるのに必死で、身体のどこかが不調を知らせていてもただひたすら全力で走っている、その場でただ足踏みしていることに気付かずに

生きるのを諦めたいのに何故か諦めきれずにただただ知らぬ間に社会の淵に追いやられていく

害のある煙を吸いアルコールを摂取し、人生経験を沢山してきたであろう隣の知らん人と馬鹿みたいに笑ってご飯食べているあの時間が楽しかった、そのままこの時間が続けばいいのにとさえ思った、この世界はそんなに甘くないね、2時間飲み放題の空間はすぐに終わったよ

またあの空間が作られているあの場所に行って一生入り浸りたい


あぁもうこんな時間か、さすがにもう寝なきゃ
おやすみなさい

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