Escape from the VRroom33

ハル「ってことはこれまでの答えがほかの部屋の答えの文字と壁でつながるように配置すればいいってことですかね?頑張ります!任せてください!」
そういってハルは図を描き始めた。
ハル「あ、すいません、答えの一覧出しておいてください」
「了解」
私のタブレットには答えの一覧を、ハルのタブレットでは図を描いていく。図形ツールなんかも使って丁寧に。
ハル「こういうのは若い私に任せてくださいよー」
ハミングしながら器用にすらすらと。見る見るうちに出来上がった。
「なんか違う気がする」
ハル「ちょっとつなぎ方が特定できないですからね、いろいろ回転させてみます」

画像1

ハル「できました!」
Lockか……え、ここはOPENとかじゃないのか?」
ハル「知りませんよ、とりあえず入力してみてください」
タブレットで入力していく。あっけなく正解と画面に現れた。

主「おめでとう!よくできました!えらい!」
「えーっと、なんかないのか?」
主「感動的なエンディングとかないからね。本当に謎を解いてくれてありがとう。これでこの謎たちも浮かばれるよ」
ハル「どういうことです?」
主「謎は誰かに解かれなければその存在意義が消えてしまうんだ。この子たちもきっと喜んでいると思うよ」
「……そうか。」
主「まぁこんなことは関係ないよね!さぁ、じゃぁこの世界はもうおしまい。文字通りこの世界をLockしちゃうね、どうもありがとう」
私たちのからだはSFの映画のようにだんだんうっすらと消えている。
ハル「うわー楽しかったなー。また何かあったら!」
「じゃぁな。えーっと」
ハル「ハレミヤハルです。まぁもしも会えたらいいですね」
「姿かたちはもしかしたら全然違うかもしれないからな」
ハル「ですねー……ま、それじゃ!」
そういって姿が消えた。私の目の前も真っ暗になった。

朝。あれから実際の時間では数時間経っていたようだ。不思議と疲労感はない。本当は夢だったのではないだろうか。だとしたらリアルな夢だった。まぁどちらでもいい。いつもの日常は何もしなくてもやってくる。着替えて仕事へ向かう。
バス停に到着。変わらない。何も変わらない。しかし、目の前のブレザーの高校生くらいだろうか、髪留めが太陽の形の後姿を見て、少し日常は変わるかもしれないと感じた。

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