Escape from the VRroom 1

気づいたら私は部屋の中にいた。真っ白い部屋。ほぼ立方体の部屋。それ以上の特徴はない。しかし、物体ではないものはあと一つ。一つというよりも一人。
「あーっと……ここってどこですかねー……ゲームしてたら急に意識飛んじゃって」
「奇遇ですね、私もです」

「あーどもっみなさん、おはようございまーす」
急に威勢のいい声が響く。誰だ?
「おはよー!」
すごいノリがいいもう一人。そういえば名前も聞いていない、仮にAさんとする。
「えー、今から皆さんには、たくさんの謎を解いてもらいます。やったね!うれしいよね!」
たぶんこの人は主催者ポジションの人。主さんとでもしておこう。
確かに最近は謎解きが流行っている。私も何度か経験したことがある。が、それとはまた話が違う。受動的に閉じ込められるのとは別だ。
A「というかどうやってここに私たちを?」
「私は確かVRでゲームしてたんだけれど」
A「私もそうです」
主「まぁ難しいことはいいじゃん。だいたい最近の謎解きは前振りが長すぎるんだよねー。ともかく、謎が解けないと、現実世界には帰れないから」
「ん、どういうことだ?」
主「そのままだよ。これから出てくるすべての謎を解き明かせってこと。んーあとはそこのタブレットにいろいろルールあるから、やりながら察してちょうだいね」

それっきり声は聞こえなくなり、代わりに突然目の前にタブレットが現れた。なるほど、こんなのは魔法でもない限り現実にはあり得ない。まさにVirtualRealityの世界だ。
A「ほんとだ、いろいろ書いてありますね、とりあえず読みましょうよ」
一人一台、タブレットを一緒に読んでいく。こういうのはだいたい大事なことが書いてあるし、もしかしたら2人に違う情報が与えられているかもしれない。そう思ったが実際には全く一緒の内容が書いてあった。ざっくりとまとめてみた。

1.謎を解き、解答をタブレットに入力することで、次の部屋に進むことができる。誤った解答を入力しても特にペナルティはない
2.出られないだけで、死ぬわけではないので安心してほしい。途中に3回のブレイクタイムがあるので、ゆっくりしていくといい
3.最後の謎が解ければ現実世界に帰ることができる
4.タブレットはいろいろできるので、その都度聞いてほしい

A「要は謎解きまくれば帰れるってことですね。なーんだ。デスゲーム的なことかと思ったら」
「私は死にたくないな。まぁいい。おーい、見てるんだろう?早く謎を出せ」
主「え、このわずかな時間の間にすごいなれなれしくなってる、いいけれど。じゃさっそくこの部屋の謎を出すよー!」

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主「そうそう、解答はすべてひらがなになっているからね。それじゃがんばってねー」
A「え、なにこれ、全然わかんないんですけれど!!」
なるほど……まぁこれくらいならたぶんわかる。きっと、___これだ。

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