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眠れない夜に三浦大知「Sheep」を

三浦大知さんの新曲「Sheep」が配信になりました。

こちらの曲、音楽が自分の好みのど真ん中だったもので、好きすぎて好きすぎて何ならもう"打ちひしがれる"くらいの感情になってしまったのですが、、、何度も何度もこの曲を聴いているうちに、その「歌詞」について、色々と思うことがありました。

MVも解禁になるということで、それを観るとまた感じ方が変わるかもしれないですし、その前に自分の気持ちをnoteに書いてみることにしました。

眠るときの頭の中ってどんな感じですか?

冒頭の歌詞は『眠ろう』という言葉で始まるのですが、私は、この曲が描く景色が「眠れない時に頭の中に広がっている風景」に似ていると感じました。
布団に入ったけど眠れなくて、様々な事をグルグル考えてしまうことありませんか?忘れられない後悔だったり、受け入れられない自分の気持ちだったり。その感じになんとなく似ていると思うんです。
そうすると、この曲がどんどん「どうにもならない心の叫び」のように思えてきました。

穏やかな日々

私は、日々、できるだけ穏やかに生きていたいと思っているのですが、実際にはどうしても受け入れられない出来事にぶち当たることがあります。
そしてそれを見なかったことや無かったことにできなくて、胸の奥底に抱えたままになるような、頭の一部がそれに支配されたままになるような時があります。

2番の歌詞を聴いて私が思い描いたのは、「笑えない日々」をまた「ぼやけた視界のままで」見ないようにして「始めよう」としている。「きっと今日は」大丈夫だと自分に言い聞かせる「朝を繰り返して」いる。そんな自分のことでした。

そんな風に表現すると一見地獄みたいな日々ですが、私はそんな日々を"穏やかに"過ごしています。
この穏やかさを、冒頭から静かに鳴っているシンセサイザーの音に重ねました。だんだんと低音に流れていく柔らかな音がとても好きです。

歌詞ではないですが、1番と2番の始めに「ギュイーン」という音が鳴っていますよね。この音がとても好きで。
夜寝て、朝起きて、なんだか早送りされたような、強制的に次の日に転送されたような、そんな気持ちを表現しているように感じます。

地獄の中で素敵に愛を歌う

ただ、私がこの曲でとても好きなところは、この苦しさの中でもしっかりと「愛」を歌っていると感じられるところなんです。

終始ファルセットで歌われている三浦大知さんの歌声ですが、最後のパートだけ、ひときわ落ち着いた歌声で歌われているところがあります。
そこの歌詞には「」(カッコ)がついていて、セリフのようにも感じます。

「眠れなくても、歌えなくても、いつもここにいるから。眠れない夜も、歌えない朝も、いつでもここにいるから。」

三浦大知「Sheep」より

このセリフ、誰から誰へのものだと思いますか?

私は、自分から自分へのセリフだと思いました。

自分の身近なところに、何かしら「大切なもの」ってありませんか?
愛する人でもいいし、愛する物でもいいし、愛する何かからもらったパワーでも、自分を豊かにしてくれた経験でもいい、とにかく自分の中で大切にしているもの。
その大切なものって、"自分で"掴んで自分のそば(あるいは心)に置いているものだし、それを"心に置いている"というのは自分へのトリートメントだと思うんです。(Trick or Treat!のトリートです。)
「自分を抱きしめる」という節が歌詞にもありますが、大切なものを心に置いておくということは、自分自身への愛だと思うんです。

なので、このセリフは、「大切なもの」からもらった愛を拠り所にして、変換し、自分の中で反芻しているセリフだと思いました。

分からないけど

この曲の歌詞で「分からないけど」という歌詞がすごく好きです。
「分からない」という状態を歌っているのがとても好き。
どうするのが正解か、どう考えるのが正解か、分からないけど、なんとか自分への愛を保ち、日々を送っている、そんな状態に寄り添ってくれているように感じます。

さいごに

というわけで、まさに今眠れなくて頭の中が「Sheep」状態たったので、つれづれ書いてしまいましたが、色んな受け取り方ができる曲ですよね。
こんな風にいろんな解釈ができる余白がある音楽が、私はすごく好きです。
その余白を埋めるものは自分の中にしかないし、その余白によって、自分の胸の奥底に振り積もる、もはや意識すらしていなかった想いに気づくことがある。
そんな音楽を受け取れた事に心から感謝します。
三浦大知さん、三浦大知チームの皆さん、素敵な音楽を届けてくれて、ありがとうございます。

明日のMV解禁、楽しみです。